ラノベの高評価レビュー
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花巻農芸高校という、宮沢賢治が教えた学校をモデルにした物語。深澤という転校生はなぜ花巻に来たのか、主人公壮太の幼なじみ、七夏を知っているのか、地学部に入って何がしたいのか。
高校生にしては宮沢賢治や地学に知識がありすぎる三井寺や文緒という脇役に助けられながら謎解きが始まる。七夏はどこかに行ってしまい、壮太は怪我で鹿踊りのレギュラーからハズれ、才能ある他の部員の存在に怯える。自分には鹿踊りしかないのか、花巻に残るという選択肢しかないのか。そんな中、イーハトーブとはどこか、銀河鉄道の夜の舞台はどこか、地学部3人の巡見の旅が始まる。
個人的には三井寺部長が、伊与原作品での舞台回し役である博学オタ -
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コンビ作家の片方が連載中に死去したために、未完となってしまった作品の続きを探る、お話(?)。
未完の作に込められた意味と、そこから生まれた嘘。
それを踏まえて収束していく作品と物語。
小説in小説の形が楽しかったですな。
前作『世界でいちばん透きとおった物語1』の登場人物がまた奮闘している。
前作のような大掛かりな仕掛けはないけれど(自分が気づいていないだけで何かしらあったりするのかも?)、入れ子構造のきれいな着地がステキでしたな。
深く考えるとよくわからなくなってきますな。
作品内に未完の作品があって、作品とその作品内作品自体まるまるを作品としてこの本の作者が書いているという構造が -
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志を持って努力をしていたものの、夢破れ、田舎で魔法研究を楽しみ穏やかに過ごす天才魔法使いのノエル。
そんな中、学生時代に因縁のライバルで、ノエルが夢を諦めるきっかけにもなった王国の第三王子・クロードが来訪し、ノエルに極秘任務を依頼する。その内容は、世界の未来を担う者たちが集まる学園で大規模な記憶改竄が行われているかもしれない事件の調査。
調査のために、特別聴講生として学園に通うことになるが必要以上にはクロードに関わりたくないノエルと、ノエルの悔しがる姿が好きという超優秀なクロード。2人の今後もとても楽しみ。
それにしてもノエルがいい子すぎて、すごい才能も実力もあるのに、環境が悪かった(?)せい -
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ネタバレ今回は"文学少女"が大人になった後に知り合った人達がメインのお話でしたが、いやぁもう愛しくなるお話でしたね。
主人公の快斗はお馬鹿な子で、虚勢をハリボテのプライドで隠しているような男の子でしたが遠子先輩が編集者として快斗くんを導く姿は在りし日の文芸部を彷彿とさせてくれました。
遠子先輩の口から惚気を聞くことができて私は大満足です、そうかそうか心葉くんはそんなことができる恋人に進化したんだね…遠子先輩を大事にしているんだね…ふたりの結婚生活も見たいなあなんておもいつつ、まさかの菜乃ちゃん再登場。これも嬉しかったです。
本を読むと頭が痛くなるような女の子だった菜乃ちゃん、もう見 -
購入済み
お勧めです!
巻末の参考資料でもわかるように、作者様が沢山勉強して生み出された作品なので、とても説得力があるお話になっています。
ふんわりとしたファンタジー要素、なんちゃって中世ヨーロッパの世界観を舞台にしたラノベが多い中、この作品は一線を画していると思います。
『暗黒の中世』と称されるように、リアルな中世って衛生的にも倫理的にも現代人が憧れる世界ではないんですよね。
作者様の文章力の賜か、ストーリーは日常生活が中心なのにワクワクしながら一気読みしてしまいました。
ほのぼのと緊張感が、良い塩梅で配されています。
2巻目も心からお勧めできる作品でした! -
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ネタバレ最初の数ページから、乃梨子と蓮司の距離感に胸がざわついて、
読み進めるほどその“言葉にできないもどかしさ”がじわじわ染みてくる作品でした。
ふたりはお互いに強く惹かれているのに、
立場・責任・過去・不安…いろんなものが邪魔して、
言いたいことが言えなくなる瞬間が多くて、
その度にほんの少し心に影ができる。
だけどその影さえも「恋の一部」として丁寧に描かれていて、
読んでいて何度も胸がきゅっとなりました。
序盤はとにかくすれ違いがリアルで苦しい。
・橘の存在が出てくるたびに蓮司の心が揺れる
・花音の気配がふたりの間に影を落とす
・乃梨子は話そうとしても、タイミングが合わず飲み込んでしまう
こ -
ネタバレ 購入済み
著者買い。
高校2年生の兄・真人と高校1年生の妹・悠凜とは、本人たちも知らなかったが血縁の無い義兄妹だった。
悠凜の高校入学を機に、両親がその事を打ち明け始めた冒頭に悠凜は家を飛び出し交通事故に遭ってしまう。
そして身体の損傷は無かったものの、兄の真人の記憶だけは抜け落ちてしまう。
中学に入った頃には兄妹の会話が絶たれてしまっていたが、それは嫌悪では無く恋慕から来るものだった。
事故後の悠凜には実の兄妹で恋愛感情を持ってしまった記憶のみ失い、自分にとって都合のよい環境になったことになるが…。
果して続刊があるのか?