矢崎存美のレビュー一覧
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ネタバレ目次
・キリ番とアップルパイ
・お守りの代わりに
・賢者フェルナンド
・雪の夜
・消えていく秘密
今回は会員制喫茶店の店員になったぶたぶたさん。
会員制と言っても高級店だというわけではなく、あまり客を増やしたくないという、オーナーの妙なこだわりのため。
ぶたぶたさんはそこ(3号店)で、コーヒーを淹れたりスイーツを作ったりしている。
秘密を話せ?――それはオーナーが勝手に言ってることだから、気にしなくてよし。
だけどぶたぶたさんの人柄に触れ、親しくなってくると、誰にも言えない秘密、一人で抱えている秘密を話してみようかな…という気になってくるのがお約束。
今回本当に深刻な秘密を抱えていたのは -
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ネタバレ目次
・夏の日のぶたぶた
・紹介したい人
今回のぶたぶたさんは、山の中にある幽霊屋敷に住み、本を読むという仕事をしているらしい。
ふもとのコンビニで父の手伝いとして配達をしている一郎は、最初こそ驚くが、すぐにぶたぶたさんと仲良しになる。
母が弟を連れて実家に帰ってしまったこと、幼なじみの久美の様子が最近ちょっとおかしいことを気にしながら、何もできないでいる一郎。
しかし、結果何もできなかったとしても、何もしようとしないのは違う。
このひと夏の経験の後日談が、「紹介したい人」に繋がっているのだが、語り手が弟の冬二となることで俄然ユーモアの度合いが増す。
「夏の日のぶたぶた」のときはまだ6歳 -
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ネタバレ表紙のタイトルが気に入って読んだ。短編物は一般小説を読んでいるとどうしても物足りなくて、かといって短編だけど、一つ一つが最後につながって..といったものもそろそろ読み飽きてって思ってましたが、いい意味で裏切られました。一話一話はボリュームがないはずなのに奥深くていろいろ考えさせられる、それでいて、結末に驚かされる。決して小粒ではない短編なのに読み応えのある大粒の傑作集でした。女性作家が集まって作られた作品ということもあり、優しく包み込まれるような話ばかりで、一気に読むよりは一日一話づつちょっとづつ読むのがいいのかもしれません。
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ネタバレ目次
・人形の夜~春の物語
・柔らかな奇跡~夏の物語
・不機嫌なデズデモーナ~秋の物語
・アリスの迷宮ホテル~冬の物語
・小さき者と大きな空~再び、春の物語
今回のぶたぶたさんは、海辺の瀟洒なリゾートホテルで、基本的にはお客さんに姿を見せないバトラー兼社員の指導係。
そのせいか、姿を目撃した者は幸せになれるという伝説があるとかないとか。
通しのストーリーとしては、ホテルの周年イベントとして、街の人たちが演じるお芝居を、東京の有名な演出家の指導の下におこなう、というもの。
演目はシェークスピアの『オセロ』
4大悲劇の一つです。
が、演出家は、この舞台の主役といってもいいくらいの重要な役イアー -
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内視鏡手術のエキスパートぶたぶた先生。
バレーボールくらいの大きさのピンクのぬいぐるみが手術?
ぶたぶたシリーズというのでしょうか?
存在は知っていて、誰かから勧められたこともあった気がするけど、やっと初読み。
シリーズだけど短編なのかな?
まさか本当にぬいぐるみなのかと、わかっていても疑ってしまう。
まして手術となれば、不安になる患者さんの気持ちもわかります。
名医だけどぬいぐるみ。
うん、まず不安になるな。
ぬいぐるみであること以外は本当に申し分ないのに、なんで人間じゃないの?
人間だったら、そう思うのが自然かな。
患者さんのケースごとの短編になっていて、とても読みやすくて、あっという -
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ネタバレ12月24日と25日の朝から夜までのぶたぶたさんの行動を通して、辛かったり行き詰まったりしていた人たちが救われていく話。
けれどぶたぶたさんはそんなこと知らない。
ただ、その時自分のやるべきことをしているだけ。
でも、バレーボールサイズのピンクのぶたのぬいぐるみが、一生懸命百貨店の荷物の配達をしたり、家族のためにケーキを買ったり、奥さんのためにダウンジャケットを買ったりするだけで、何か伝わるものがあるんだろうなあ。
面白かったのは、職場の女性同士の付き合いに疲れて一人公園で昼食をとろうとしていた美月が、コーヒーをこぼしたのを見て缶コーヒーを差し出すぶたぶたさん。
自販機で2本出たのでどうぞ -
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ネタバレ目次
・十三年目の再会
・噓の効用
・ここにいてくれる人
・最後の夏休み
今回のぶたぶたさんは、全て食に関わってはいますが、どれも独立したお話です。
町中華のお客さんだったり、料理教室の先生(ただし本業はリストラされて失業中)だったり、カフェの店長だったり、クラスメイトのお父さんだったり。
今回、ぶたぶたさんに人間の奥さんと娘二人がいる、その成り立ちの秘密が明らかになりました。
まあ、そういうことだよね、という理由でしたが、それでもぶたぶたさんも奥さんも素晴らしいな。『最後の夏休み』
人生にはいろんな時期があって、なんとなく元気が出なかったり落ち込んだりやる気が失われたりしている時、薬で -
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ネタバレぶたぶたさん、今度は義母(奥さんのお母さん)の代理で、カルチャースクールに通いエッセイを書きます。
エッセイと言っても日記エッセイ。
SNSに投稿するような、読者を想定して書く日記エッセイです。
しかし、作中には特に上達するコツなどはかかれていません。
その代わり、ぶたぶたさんの書いたエッセイを読んだスクール生が、少しだけ生き方を変えてゆきます。
仕事に忙殺されるOL、不登校の女子高生、エッセイを書きなれている主婦、定年退職した男性、リストラに会っている会社員、そして講師の先生。
老若男女、悩みのない人なんかいない。
ぶたぶたさんはお気楽にみえるかもしれないけれど、ぶたぶたさんだって悩みも -
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ネタバレ目次
・お父さんの休日/1
・約束の未来
・お父さんの休日/2
・評判のいい定食屋
・お父さんの休日/3
・女優志願
・お父さんの休日/4
普通の人々の生活の中に、当たり前のようにピンク色のブタのぬいぐるみが一人の人間として存在している日々。
ぶたぶたさんは時に占い師見習いだったり、定食屋の店員だったり、刑事だったりするが、彼が人として誠実に生きているからこそ、心に屈託を抱えた人たちが自分の足で前に歩いていけるようになる。
しかし、読後感はいいとして、不倫に殺人ですぜ、抱えている屈託って。
表紙のかわいらしさからは考えられないくらいの、どろどろ。
夫の不倫を疑って、単身赴任先の街まで乗り -
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ネタバレいやいや面白かった。
ぬいぐるみの山崎ぶたぶたには出来ることと出来ないことが厳然とある。
何故か動いて喋って飲み食いすることはできる。
酔っ払うし居眠りもする。
だけどバレーボールサイズの体なので、高いところを見るときは抱き上げてもらった方がいいし、走らなければならない時も抱きかかえてもらった方が当然早い。
「生きている本物のぬいぐるみ」という制約の中で、当たり前に生活しているからこそ、このぶたぶたシリーズは面白いのだ。
これが「生きている本物のぬいぐるみ」をネタとして笑わそうなんて小細工をしたら、ドン引きだ。
何か変だと思いながらも立川くんが素直にぶたぶたさんと接しているからこそ、見た目 -
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ネタバレ目次
・初恋
・最高の贈りもの
・しらふの客
・ストレンジ ガーデン
・銀色のプール
・追う者、追われるもの
・殺(や)られ屋
・ただいま
・桜色を探しに
くう~、やっちまった。
最近は謙虚に、シリーズ物だからと言ってぜんぶを読破しなくてもいいぞ、とハードルを下げているにもかかわらず、なかなか途中離脱ができないでいるのに。
これが人気のシリーズ物だということは知っていたさ。
でも、世間で人気でも私には今ひとつというシリーズ物も結構あったわけで、「ふんふん、面白かったけど、これ一冊でいいや」と終るんじゃないかと思いながら手に取ったら、めっちゃいいやん「ぶたぶた」。
シリーズ何冊あるんだろう。