矢崎存美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
矢崎存美さんの書かれる「ぶたぶたシリーズ」が大好きなで、シリーズすべての物語を読んできた。つい先日発売された「学校のぶたぶた (光文社文庫)」も発売後すぐに買い求めたが、いつもどおりの心温まる物語だった。
《あらすじ》
主人公はピンクのぬいぐるみ。名前は「山崎ぶたぶた」。『バレーボールくらいの桜色のぬいぐるみで、手足の先には濃いピンク色の布が張ってある。黒ビーズの点目に、突き出た鼻、大きな耳は右側がそっくり返っている』というのがぶたぶたの姿形だ。
今回はぶたぶたが、中学校のスクールカウンセラーとして登場。新たに着任した中学校でいろいろな生徒と交流を持っていく。
学校生活や家庭生活に特に不満はないものの、なんとなくモヤモヤとした気分を抱えている女子生徒。中学生になってから急に無口になってしまい、必要最低限のことしか話さないなった男子生徒。友達を階段から突き落としてけがをさせてしまった女子生徒など、いろいろな生徒がスクールカウンセラーのぶたぶたと交流し、自分自身を見つめ直すきっかけを得ていく。
さらに、生徒だけではなく生徒たちを見守る先生たちや親にとっても、スクールカウンセラーのぶたぶたは心を穏やかにさせる存在となっていく。
物語の舞台は中学校でありそこに通う中学生が中心だが、中学生ならではの悩みや心の動きには、ずいぶん前に中学生だった私にも共感できるものや懐かしく感じるものがあった。大人になって思い返すとなんでもなかったことも、中学生当時は心の底から悩んだということはあったなと思い出す。
「ぶたぶたシリーズ」の主人公はピンクのぬいぐるみだが、ただのぬいぐるみではなく、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性。綺麗な奥さんと可愛い娘さん二人がいるが、奥さんと娘さんはぬいぐるみではなく普通の人間という設定だ。
そんな"ぶたぶた"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたと知り合ったことで幸せになっていくというストーリー展開が一貫している。今回はぶたぶたの日常や家族に関することなどは出てこないものの、他のシリーズ作品と同様に周囲の人の心が癒されていくという、童話のような心温まる物語となっていた。
今回の作品はシリーズ化されて21作目。どの作品もほのぼのとした心温まる物語であるうえに、書き下ろし作品ばかりなのでシリーズのどこから読んでも楽しめる。読んだ人を必ず元気にしてくれる、心のサプリメントのようなシリーズだと思う。 -
Posted by ブクログ
うーん、昔を思い出したよ。私もいじめられたとき、こんなカウンセラーさんがいたら、きっとここまで後々心の傷にならずに済んだかもしれないなぁ。ぶたぶた、カウンセラーってピッタリすぎるでしよ。言いにくいことでも、ポロっと喋っちゃうよ、たぶん。でも、精神科医がピンキリなのと同じで、スクールカウンセラーもピンキリなんだろうなぁ。
私はね、他にも色々と理由はあったのでしょうけど、先生が私を贔屓したので、いじめられたのです。ここに出てくる子供達の悩みが二三被ってますね。
教師だって人間ですから、好きな子とそれ以外ってのもあるのでしょう。ここに出てくる美人女教師のように、狙ってたんじゃないと思います。無意識の行動であったんだろうと。
でもね、教師だからね。無意識だから許されることはないですよね。
私は、未だにあの担任の夢を見るし、そのたびに、あんたのせいで、私は!とすごい夢の中で恨みつらみを吐いてます。当然いじめてきた奴も、夢に出てきます。やっぱり、すごく怒ってしまう。
まだ、怒りが自分の中にいっぱいいっぱい残ってるんだろうなぁと思います。
そして、自分も誰かにそういうことをしていたことはなかったか、と考えるのです。
まるきり、無かったとは言えないと思う。当日は、友人にこの理不尽な怒りを吐き出してた…というか、誰も信じられなくなっていて、そんな私の態度で傷つけたこともきっとあっただろうと。
その友人には謝罪して、お互い腹を割って話したりしたけど、それから以後は、すごく人間関係に気をつけてます。
自分のイライラを、人にぶつけてないかな、とか。自分がされたら嫌なこと、誰かにしてないかな、と。
ぶたぶたさんは、素敵なことを言ってましたね。人には想像力っていう、素敵な魔法があるって。それが、人を成長させたり、相手を思いやったり、他人を理解するためのよすがになると。
ほんとに、その通りだと思うんです。
いつか、子供ができて、少し大きくなったら、ぶたぶたシリーズは読んであげたいなぁと、改めて思いました。 -
Posted by ブクログ
2018/1/3再読
なんとなく、ぶたぶたさんが読みたくて、久々にこちらを。
「こむぎ」、会員制カフェの話は記憶していたのに、「きぬた」、寿司屋のぶたぶたさんは、記憶になかった。
いかに、自分がさらっと読んでしまっているのかがわかった気になる。
といっても、またしばらくしたら、忘れてさしまって、同じ本を同じように楽しんでしまうのだろうな。。
そして、読みながら、「あれ?なんか覚えがあるな」と思うのだ。
ぶたぶたさんは、何度読んでもほっこりする。
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ぶたぶたさんのスピンオフ。
お久しぶりの「こむぎ」、会員制のカフェ、小料理屋「きぬた」。
そして、寿司屋のぶたぶたさん。
特に会員制のカフェには、思い入れがある。
ぶたぶたさんのいるようなカフェ、憧れるなー。
特製のスィーツに、淹れたての珈琲。
カウンターには、悩みを聞いてくれるマスター。
時折、ナポリタンやオムライスを作ってくれる。
居心地の良さそうなそんなカフェで、ゆっくりと読書をしたり、絵を描いたり、塗り絵をしたりしてすごしたいものだ。。。
本当に、ぶたぶたさんがいたら良いのになー。 -
Posted by ブクログ
主人公の沙耶みたいな酷い境遇はなかなかないだろうけど、大浪さんみたいなのは、実際のところ多いんだろうなぁ。うちの母の友人にもそんな男性がいるそうだし。
自分が不幸だと認めたくないっていうのは、ありそうだよね。認めたら、きっと心が折れちゃうんだと思う。
でも、この間の街では、みんな感情が表に出やすくて、というか感情という存在しかないからかもしれないけど、いろんなものを吐き出せていいのかもしれない。
ここに来られた人は、不幸な中でも、ほんとまだついてる人なんだろうなぁ。
いわゆる毒になる親、というやつですが、この人たちは自分を全く客観視出来ないのでしょうね。そして、子供にもそうなるように洗脳する。
客観視できたら、この状況おかしくない?と分かるはずですから。でも、おかしな精神状態の人は、まず客観視できなくなってる。
指摘してくれた美苗さんがいて、ほんとよかった。
沙耶は、きっとこれからもっと悩むと思う。私が結婚しても、大丈夫だろうか。暴力の連鎖を起こさないだろうか。あんな親みたいにならないだろうか、と。
家族は、閉鎖的な最も小さいコミュニティーです。おかしくなるのは、本当はとても簡単で、実は誰にだってその可能性はある。沙耶だけじゃない。
でも、彼女には、少しずつ広がり始めた友人関係がある。本音で話せる友人が、増えてきて、本当に良かった。幸せになってほしいなと思います。