矢崎存美のレビュー一覧
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今回のぶたぶたさんはスクールカウンセラーです。これはもう何というか天職ですよね。
ぶたぶたさんは見た目がぶたのぬいぐるみだけど、中身は普通の中年おじさんなんですよね。特殊な能力とか魔法とかある訳でない。でも、ぶたぶたさんは話をしっかりと聞いて受け止めて自分の考えを返してくれるのです。これはこれまでのシリーズでもそうでした。だから悩みをもった人がぶたぶたさんと出逢うことで、自分の中にある問題の解決に気付くというのが多かったのだと思います。
もちろん中学生の悩みは本人のみでどうしようもない部分も大きいのですが、ここにもうひとつのぶたぶたさんの特徴である仕事に対して真面目で確実に取り組むという部分が大きく関わり、しっかりとサポートしてくれる。うん、正にカウンセラーにこれほどまでに適任の人物(ぬいぐるみだけど)はいないでしょうね。そしてここ最近はぶたぶたさんがいなくても成立するような話が多かったのですが(ぶたぶたさんが聞き役に徹しているので)今回はしっかりとぶたぶたさんが物語の中心にいてくれる嬉しさもありました。当たり前だけどこのシリーズはぶたぶたさんがいてこそなのですから。また昔のようなぶたぶたさん自身のお話も読んでみたいですね。 -
Posted by ブクログ
ストーリー ★★★★☆
おいしそう度 ★★★★★
臨死体験度 ★★★★★
秀晴は、臨死体験をする。
その中で食べた、玉子サンドは絶品だった!
九死に一生を得た秀晴は、玉子サンドを作ってくれたノエに、死にかけた人たちがさまよう『街』で、食堂を開くように勧める。
秀晴たちは、死にゆく人たちを、食べ物の力で救うことができるのだろうか?
主な舞台は、死んでいく人たちが通る『街』という場所です。
死という重いテーマではありますが、暗さはそれほどありません。
秀晴の旺盛な食欲には、思わず笑ってしまいます。
出てくる料理はどれも美味しそうで、しかも簡単にできそうな物もあるので、実際に作ってみるのも面白いかも。 -
Posted by ブクログ
シリーズ最高レベルの美味しそうさ!ぶたぶたさんのパンケーキとブラウニーと泰隆くんのカルボナーラ食べたいっ❗
「いい子」で優等生だった泰隆くんは、自分を変えようとしているけど、ぶたぶたさんに対面した時の妙に冷静な疑問と独りツッコミが、いつものパターンと少し違って面白かった。いかにもアタマよくていい子が思ってそうなツッコミで(笑)ラテ飲んでるぶたぶたさんを絞ってみたいとか(笑)
最終的に泰隆くんが決めた「なりたいもの」が、世俗的社会的なことでもなく非現実的な夢でもない、小さくてしかし実はとても難しい目標だったことが、ふわりと暖かい気持ちになった。
このラストの目標設定がこの作品をきちんも締めていると思う。
ああ、うちの近くにもぶたぶたさん来てほしい! -
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ゆったりした時に読みたくなるのが、矢崎存美さんが書かれる「ぶたぶたシリーズ」だ。昨年末には文庫書き下ろしの「ぶたぶたの甘いもの (光文社文庫)」が発売されたが、今回も読んでいて心がほわんと温かくなる短編集だった。
内容(「BOOK」データベースより)
町の小さな稲荷神社の参道に、知る人ぞ知る「和菓子処しみず」はある。春夏秋冬、季節のスイーツを求めて暖簾を潜れば、絶品和菓子に、甘酒、おでんや焼きそばまで、旨いものが勢揃い。店の主人・山崎ぶたぶたにも、運がよければ出会えるはず。変わった名前だけれど、その正体は…?疲れたとき、悩んだとき、ぶたぶたの作る甘~い和菓子で、ひと休みしていこう。
「ぶたぶたシリーズ」の主人公はピンクのぬいぐるみだが、ただのぬいぐるみではなく、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性。綺麗な奥さんと可愛い娘さんがいるが、奥さんと娘さんはぬいぐるみではなく普通の人間という設定だ。
そんな"ぶたぶた"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたと知り合ったことで幸せになっていくというストーリー展開が一貫している。今回の書き下ろしはシリーズ22作目となるが、毎回主人公の職業設定が変わっているのでどの物語から読んでも違和感なく読むことができる。
今回の最新刊は、パワースポットと呼ばれる神社の参道にある和菓子屋の主人がぬいぐるみのぶたぶたさんという設定。休みをとって神社を訪ねてきた若い女性や、神社の湧き水を汲みに来た夫を亡くしたばかりの妻、仕事が忙しくて寝る暇もない若手会社員などが「和菓子処しみず」でぶたぶたさんと出会い、それぞれの心の中にある悲しみや辛いものを溶かしていく。
登場する食べ物は和菓子だけではなく、おでんや焼きそばなどがあってどれも美味しそうだ。食べ物や甘いものが好きな人にとっては、登場する食べ物を思い浮かべるだけでも楽しいだろう。
ハラハラドキドキする展開ではないし、意外な結末が待っているわけでもない(ぶたぶたさんの存在自体が意外だが)。しかし、すーっと流れていく物語のなかに、心のなかを温かくしてくれる要素がたっぷりと詰まった、心を穏やかにしてくれるサプリメントのようなシリーズだと思う。 -
Posted by ブクログ
甘いものは別腹である。
ちょっとイライラしていても、血みどろどろなミステリを読み終わった後でも、ぶたぶたさんシリーズでデザート気分が味わえる。
ぶたぶたさんの甘いものといえば、アップルパイや、分厚いホットケーキが思い浮かびますが…
今回は和菓子やさん。
しかも、湧き水と試し石があるお稲荷さんの境内、近所には幼稚園がある…という環境が、特別感。あったらぜひ行きたい。
和菓子がテーマなだけに季節感もあり、春から四季をめぐって、プラスで春に戻って5編の短編からなる。
日常の生活で、とりたてて不幸というのでもないけれど、何か焦りがあるとか、疲れているとか、哀しかったり、モヤモヤがあったり…
そういう人たちが、ぶたぶたさんに出会って癒される…
いや、自分で何か気付いて行くお話でもあります。
この世界観、この空間、好きだなあ~