矢崎存美のレビュー一覧
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「山崎ぶたぶた」という謎の中年男性?で見た目が豚であり、ぬいぐるみの、
何とも不思議な存在がいろいろと絡んでくる人情系な連作短編集。
今作の舞台は、カルチャースクールのエッセイ講座。
ここに集まったは、様々な事象を持つ人たち5人とぶたぶたさん。
ぶたぶたさんは最初のインパクトとは裏腹に、
スクールの仲間たちと解け合うのが上手くて、
いろいろと話を聴いたり手伝ったりして悩みをそれとなく解決してしまう。
今作で初めてぶたぶたシリーズを読んだのですが、
ほっこりする場面やグッとくる場面に、泣くということはないにせよ、感動し、
別の作品も読んでみたいと思いました、というか読むでしょう。 -
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ネタバレ母一人子一人で育った泰隆は、母の再婚を機に会社を辞める。
我がままな夫に振り回された結果の母の離婚を、当時小学生だった泰隆は当然と受け止め、これ以上母に心労を与えないために自分ができること=いい子になった。
勉強はやれば結果を出すことができた。
足は速かったので、陸上部に所属した。
クラス委員やイベントの実行委員に立候補しては、卒なくこなした。
いい大学に行き、いい会社に入った。
何の問題もないはずだった。
だけど、本当の自分はどこにいるのだろう?と思った。
やりたいことがわからなかった。
朝、起きられなくなった。
でも母の期待を裏切ることはできなかった。
で、母の再婚をきっかけに会社を辞 -
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春日署に配属された新人刑事立川くんは、上司と紹介された山崎ぶたぶたさんに戸惑いを感じる。
だってどう見てもぶたのぬいぐるみなんだ。バレーボールくらいの大きさで、手足の先には濃いピンクの布が貼ってある。目は黒いビーズで、右耳がすこしそっくり返り、黄色いリュックを背負っている。
かわいい。
とてもかわいい。
でも中身は中年男性で、しかも奥さんと子供もいるんだって!?
立川くんは、ぶたぶたさんと事件を担当してゆくことになる。銀行立てこもり事件、宝石窃盗犯、ぬいぐるみへの針混入事件、家庭の居場所を求める小学生のお相手、そしてそれらの根本にあるのは赤ちゃんが自宅から連れ去られた事件。
ぶたぶたさん -
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東京には、動くピンクのぶたのぬいぐるみが現れるという。バレーボールくらいの大きさで、手足の先には濃いピンクの布が貼ってある。目は黒いビーズで、右耳がすこしそっくり返り、黄色いリュックを背負っている。
かわいい。
とてもかわいい。
私こういう者です。渡された名刺には「山崎ぶたぶた」と書いてある。
ある時はベビーシッター、ある時はタクシー運転手、ある時はぬいぐるみ売り場の店員さん、そしてある時は…。
ぶたぶたに出会った人々は最初は戸惑うがすぐに受け入れる。だって生きているぬいぐるみっていうだけで、あまりにも自然に存在しているのだから。
家でしたい小学生、忙しい勤め人、人を殺したくなる青年、家族 -
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ネタバレ目次
・山崎さん① 本日の執事
・山崎さん② 本日のスイーツ
・角の写真館
・死ぬにはきっと、うってつけの日
・ボランティア
・最強の助っ人
・恐怖の先には
・噂の人
・新しいお母さん
・途中下車
・ぶたぶたさん
20~30ページほどの短い作品がいくつもあると、しかもそれがシリーズ物だと、感想を書くのが難しい。
安定のぶたぶたさん、としか言いようがないから。
どれも面白かったけれど、一番好きなのはというと『新しいお母さん』かな。
新しいお母さんは、うどん屋さんで働いていたお姉さんで、心の中ではとても嬉しく思っているけれど、なかなか言葉に出して言えない大河。
年長さんは随分言葉を知っているけ -
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ネタバレ目次
・初めてのお一人様
・鼻が臭い
・プリンのキゲン
・初めてのバイト
ぶたぶたの話に慣れてきたからでしょうか、どれも想像の範囲内の話でした。
とくに、「初めてのバイト」。
ぶたぶたさんにまだ会ったことのない若葉が、風邪をひいた従姉の代わりに「キッチンぶたぶた」に行ったら、ぶたぶたさんが誘拐された!と大騒ぎになっていて……。
誰もぶたぶたさんの外見について説明することなく、若葉に「探してきて」という言う不自然さはさておき、みんなの言葉だけで状況を想像する若葉を面白がるのはちょっと悪趣味だなあ、と思いながら読んでいたのですが、最終的にやっぱり面白かったわ。←悪趣味だなあ -
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ネタバレ目次
・再会の夏
・隣の女
・次の日
・小さなストーカー
・桜色七日
スピンオフ作品多めの短編集。
特に『ぶたぶたの食卓』収録の『十三年目の再会』の前日譚である『桜色七日』がよい。
作者もこれを書きたくてこの本を出したようなものというだけあって、小池信江の、孫娘に対する愛情と、その後の彼女の運命を知ってしまっているがゆえの読み手が感じる切なさが相まって、胸が苦しくなってしまった。
個人的にお気に入りなのは『小さなストーカー』。
幼児がまっすぐに語る正論には誰も敵わない。
時も場所もかまわず言いたい事を言い、周囲の大人たちが振り回されても全然平気。
彼女の声、私の脳内ではトトロのメイちゃんで -
購入済み
ブラウザで読めなくなった
文庫本も購入していて、外でも読めるようにこちらを購入したのだけど、最初はブラウザで読んでいたのに、いつの間にかアプリだけになっていた
続刊も購入したのに読めない
作品の感想じゃなくてごめんなさい -
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ネタバレ目次
・神様が来た!
・伝説のホスト
・気まずい時間
・ふたりの夜
・冬の庭園
ぶたぶたさんをめぐる、それぞれ無関係の短編が収録されています。
どれも語り手の思い込みや勘違いが、実際のぶたぶたさんとどんどんかけ離れていって、笑える作品となっています。
・神さまがお渡りになる祭りの日に現れた、ぶたぶたさん。(神様が来た!)
・伝説のナンバーワンホストに店を手伝ってもらえるよう頼みに行ったのだけど、ぶたぶたさんがホストですと?(伝説のホスト)
・家庭訪問の日にたまたま留守番をしていたら現れた担任の先生って…!?(気まずい時間)
・〆切は迫るのにアシスタントから逃げられ絶体絶命!と思った時に現れ