越前敏弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は国名シリーズと同じくエラリー・クイーンで、作家で警視の息子という設定は共通している。だがこちらのエラリーは、皮肉屋で理屈っぽい国名シリーズのエラリーとは異なり感情豊かで思いやりがあり、ロマンチスト。さらには武闘派でもある。だからこそ、残酷な運命に翻弄される一家の悲しみがエラリーを通してダイレクトに伝わってくる。
舞台となるライツヴィルはセント・メアリ・ミードのような、隠し事など決してできない小さな町。町の名士であるライト家をめぐる騒動は、ローマン・ホリデーよろしくあっという間に拡散する。口さがない人々はただ陰口を叩くだけでは飽き足らず、それが正義とばかりにまるで集団ヒステリーか魔女狩りのごとく一家を迫害する。ライト家に世話になるエラリーは当然一家のために戦うが、アウトサイダーであるエラリーもその迫害にさらされ、疑惑を持たれてしまう。町の人々に後ろ指を指されることで、一家はジムの無実を証明するために一致団結する。
最終的にエラリーは事件の真相に辿り着くものの、とてもではないが晴れやかな結末とは言い難い。娘を失い、それでも娘の忘れ形見である孫を育て上げることを使命として生きていこうとするジョンとハーマイオニー夫妻、自らの運命を受け入れて口を閉ざすジム、真相を胸の奥にしまい込み生きていくことになるパットとカートがあまりにも不憫。パットをカートに託し、静かに退場するエラリーは哀愁すら漂っている。
陽気な登場人物も多く、パットとのロマンスもあるにもかかわらず全編を通してまるで靄がかかったように薄暗く夢の中の世界のよう。約500ページの長編ということもあり、自分自身もライツヴィルの町にいるような気持ちになる。
国名シリーズよりも人間ドラマに重きを置いた作品なので、本格好きの読書には少し物足りないのかなと思うが、クリスティ好きの私には最後まで楽しく読むことができた。 -
Posted by ブクログ
作りが凝ってるのはいうまでもありませんが、事件の真相も捻りがあってなかなか唸るものがありました。舞台となっている当時の雰囲気をうまく練り込んで、いかにもありそうと思わせているところは見事です。それぞれのパートに書かれているところがいたるところでクローズアップされるので、読み返さざるを得ません。何度も読むことになるので、非常にお得感がありますね。一冊で二度楽しめることは確かだし。ただ、作りの複雑さゆえ、内容に重みが薄れた感も。ミステリに重み求めるのも野暮な話ですが、これだけ作り込んでいるので、さらにズシリとくるものがあったらなあ、と思ってしまいました。シメオンもケンもちょーーーっと軽いんですよね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ人類はどこから来て、どこへ向かうのか。その根源的な疑問を解決したカーシュが、世界的発表の途中に暗殺される。
立ち会ったスペイン王子の婚約者と共に、ラングドンはカーシュの発表を保存したパソコンのパスワードを探すため、バルセロナへと向かう。
スペイン王室の陰謀か?パルマール教会の策略か?それとも、カトリック教会か?
二転三転しながら話はすすむ。
そして、カーシュの発見は、世界はエントロピーを増大させるために、生物を生み出し、そして、テクノロジーと共生する事で、新たなステージに人類が立たされる事だと知る。
全てはAIのウィンストンが手を引いた事だと気づいた時、これが人類がテクノロジーに使われて、奴隷と化す事かと、カーシュのシュミレーションと、現実のリンクに戦慄を覚えた。
人類史を揺るがす発見とは何か?を考えると、なかなか答えを見せてくれないタメ、読む手がとまらなくなった。
シリーズとしては、生物化学専攻の私はりかいしやすかった。