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Posted by ブクログ
あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明されてゆくことになる。
無論、イーヴィとのコンビであるサイラス。家族全員を狂気の兄に殺害された無残な事件の生き残りであり、臨床心理士であるサイラス。彼の造形も本作ではまた深まってゆく一冊となっている。前作読者であれば垂涎ものの何とも楽しみな一冊である。
例によってイーヴィとサイラスという二人の語り手による物語運びは前作同様、巻置く能わずのリーダビリティ。何より生を求める傷ついた二つの心の成長の物語であり、愛を求める彷徨のドラマであるように見える。熱さでいっぱいの魂の叙事詩だ。
特に最終章は、泣けること請け合い。三作目続編もあるとのことだが、ここまでの二人の主人公の過去を清算に運び込む物語は、本作までの二作で、一端完結する。ただ、ここまで魅力的な二人の主人公をここで使い捨てしてしまうのもなかなかもったいない。これだけのオリジナリティを持った印象的なキャラクターはそうそうないはずである。
なのでシリーズ続編という三作目も、首を長くして待ちたいと思う。また本主役コンビのみならず、未読独立作品もこの作家は是非読まねば。ロボサム、の名は、ぼくの熱気の中核に、永遠に刻み込まれてしまったと思う。
Posted by ブクログ
どうやら人の嘘を見抜くことができることの利点ってポーカーガ強いってことだけらしいです
嘘には良い嘘と悪い嘘と良いウホがあると思うんですよ
良い嘘ってのはまあ人を守るためのものですよね
当然、悪い嘘ってのは人を傷つけるためのもので、良いウホってのはゴリラの機嫌がいいときのウホですな
(本文より)
「人はみな、自分が真実を欲していると思っているが、実際はその逆だ。正直さは意地が悪く荒削りで卑劣だが、嘘はもっと親切でなめらかで、情け深くなりうる。わたしたちが欲しているのは正直さではなく、思いやりと敬意なのだ。」
そしてサイラス&イーヴィーシリーズはまだまだ続くらしい!マッマジか!Σ(゚Д゚)
シリーズ一個終わり!って思ってたのに、真実は時に人を傷つける…ってまぁ面白かったから続くのは良いウホかな!
Posted by ブクログ
前巻に比べ大きくスケールアップし、物語の核心へ迫った本作。「ストーンサークルの殺人」もイギリスの作品だったけど、今こういう話題が流行りなのかな。前作のメインの事件とイーヴィの事件の並行で語られる形式より、1つの焦点に絞られ読み易くなったと思うが、ミステリ色は薄れて、サスペンス、スリラーといったジャンルに近い気がする。特にイーヴィパートは、逃亡劇サスペンスといった感じ。全編にわたり謎が謎を呼び、ハラハラするが、主人公サイラスが相変わらず不用心だし、情報共有の仕方が中途半端でイライラする。気づけよ、とか、強大な敵なんだから頭使うか頼れよ、って思った。案の定、物語の解決は主人公達の意志の外で突然なされてしまい、達成感がなくカタルシスが感じられなかった。これでこの件が解決したとしてもモヤモヤは残る…。物語を読み進める牽引力はあるのに、全体を振り返ると、やや歪さも気になってしまう作品ではあったが、十分に楽しむことはできた。
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