越前敏弥のレビュー一覧
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レビューを拝読し、気になっていた作家さん。
SNSで文庫化の告知を見掛け、本書の発売を知り手に取った。帯がアツい!
12歳の少年テッドが、大きな観覧車ロンドン・アイで行方不明になったいとこのサリムを探す物語。
翻訳小説の割には登場人物が少なくて、とっても読みやすかった。
主人公、テッドのユーモア溢れる語り口調がクセになる。
数字についての拘りがとにかくすごくて、時折クスッと笑ってしまった。
本書は児童向けミステリ。
でも児童向けだと侮ることなかれ。
真相にたどり着くための手がかりは分かりやすくあちこちに施されているし、なんなら正解も描かれているのに、私は全然分からなかった…!
真相が分かってからのハラハラドキドキ、手に汗握る展開も楽しめた。
テッドと共に事件を追うテッドの姉・カットとの絆がだんだん深まっていく様、事件を通してテッドが成長していく様もよかった。
私もロンドン・アイに乗ってみたくなった。
秋に続編も文庫化されるそうなので、そちらも楽しみ。 -
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人類はどこから来て、どこに行くのか?
著者ダン・ブラウンが本作の中で提示した解、主人公の死から始まる謎解きと活劇、伏線、最後のどんでん返し?も面白く堪能しました。
科学と宗教、いずれも大いなる自然に対する疑問から発展したものですが、肥大化し、形骸化された宗教や今も続く盲目的な帰依に対し、この先科学がAIによる発展の中で宗教を超越するのか分かりませんが、科学的真理に大いなる何かの存在をどうしても想像してしまいます。
AIと人類の融合の未来がどうなるのか、行くつく先も想像出来ませんが、今より進んだ世界と人類があり、それでも超越した存在である神を信じる人間の心が残るのだろうと思います。
本当に人類はどこから来て、どこに行くのだろうか? -
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ロバート•ラングドン三作目。
今作は宗教•科学から精神世界に広がり、個人的には飲み込みづらいものを感じました。
けれど、私のように基礎的な知識がなくとも理解がしやすいよう言葉を尽くして説明されており、(翻訳は想像できないほど大変な作業だったのでは、、)短い章立て、謎の細かな回収、思わせぶりな言動の登場人物たちに引っ張られ、ぐいぐい読み進めることができました。
なんというか、この世界には自身の理解を超えたものがあるかもしれないと考える謙虚さと、それゆえ他者が大事にしていることが理解できなくても、敬意を払う姿勢でいることが大切なのだと感じました。
今作も前回より年月が経った設定で、ラングドンも年齢を重ねているはずですが、相変わらずの超人ぶりで活躍します。そんなツッコミどころがあるところも、このシリーズの持つ愛嬌のように思えました。
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映画は好きだけど、小説は「難しそう」と思って読んでない方は読んでほしいです。
面白いですよ。
映画の「ダヴィンチコード」「天使と悪魔」「インフェルノ」が好きで何度も見ているがいざ小説となるとどうしても難しくてイメージできずに挫折してしまうのではないかと思っていて中々手が出せずにいましたが、「ロストシンボル」がずっと気になっていたので読んでみました。
上巻はゆっくりと物語を広げていく段階というか、その、ゆったり感に挫折しかけましたが中巻から物語が加速しだしてからはすんなり読めました。
映画化されているシリーズでもあるので、イメージしやすく、トムハンクスと声は江原(吹替)で脳内再生されて楽しめました笑
他の作品も読んでみたいと思いました。 -
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ネタバレライツヴィルで二人の男が死に、一人が失踪した。エラリーは失踪した男の娘リーマに請われ、捜査のためにライツヴィルに赴く。三人に関係する人々を当たったエラリーは、一連の事件は童謡になぞらえた見立て殺人であると睨む。最初の三人は「金持ち」「貧乏人」「物乞い」、新たな犠牲者は「泥棒」「医者」「弁護士」「商人」、そして最後の一人が「チーフ」だった。
仲人役がすっかり板についたエラリー。警視や部下たちは登場せず、エラリーがデイキンやリーマとともに関係先を訪れる中で次々と殺人が起こる。「チーフ」の言葉が出た段階で結末は予測できたものの、それでも捻りが効いている。ライツヴィルには苦い思い出ばかりが溢れているのに、なぜこれほどまでにエラリーを惹きつけるのだろう。
作中でエラリーが口にする「これが人を人でなくチェスの駒として考えた結果か」というセリフ。初期の国名シリーズでの人物の描き方への自己批判にも見えて興味深かった。もはやエラリー・クイーンは、登場人物を一人の人間としてしっかりと描いている。 -
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12歳のテッドはいとこのサリムの希望で姉のカットと共に3人で観覧車ロンドン・アイに乗りに行く!
チケット売り場で並んでいると一人の見知らぬ男がチケットを一枚譲ってくれるという
チケットはいとこのサリムが使うことになり、彼は他の乗客と共にロンドン・アイに乗り込んでいく!
時速0.9キロ、約30分で一周するロンドン・アイ
しかし30分を過ぎてもサリムが降りてこない…
さらにもう1周してしまったのか?
しばらく待ってもサリムは降りてこない
サリムは一体どこに消えたのか?
気象学の知識は専門家並みだけど、コミュニケーションが苦手な少年テッドは姉と共にサリムの消えた謎に挑む!
この作品、本が好きな子なら小学生の高学年から楽しめるのでは…
事件の謎を解く鍵…それは「どう見るかによって違う」
子どもならではの柔軟な見方と洞察力
もちろんテッドはちゃんと筋道を立てて理論も組み立てていく
おそらく彼は自閉症スペクトラムだと思われるが、この作品はそんな彼や姉の成長物語でもあり、家族の愛情物語でもあり、すばらしいミステリーでもある…
まさかの謎からの謎〜なのだから…(笑)
イギリスに行ったらまずロンドン・アイだ!
と思いながら数年…
ふとこのロンドン・アイのタイトルが目に入り読んでみたら、ハートフルなミステリーでした!
残念なのは、著者がこの作品を発表したわずか2か月後、47歳で逝去されているということ…
この作品はビスト最優秀児童図書賞(現・KPMGアイルランド児童図書賞)を受賞している -
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ネタバレ『九尾の猫』の前日譚にあたるこの作品は、エラリーが塞ぎ込み今後捜査には一切かかわらないと心に決めるきっかけとなった事件。
記憶障害に苦しむ旧友ハワードに頼まれ、三度ライツヴィルを訪れたエラリー。ハワードは、父ディードリッチと、自分と同年代の若い継母サリー、意地の悪い叔父と四人で暮らしていた。一見平和に見える家庭だが、複雑な問題を抱えていた。短い滞在の中でエラリーは、ディードリッチがハワードの実の父親ではないこと、ハワードとサリーが恋仲になっていることを知る。そしてハワードとサリーの不貞が何者かの知るところとなり、恐喝されているということも。
エラリーは二人に、正直にディードリッチに打ち明けることを忠告するも、二人は聞く耳を持たない。結局押し切られたエラリーは二人に協力して恐喝者とのパイプ役を務めることになる。そうしている間にハワードの記憶障害は悪化し、ハワードはサリーを殺してしまう。エラリーは、ハワードの行動がユダヤ教における十戒を破る十の罪を体現していると指摘し、その事実を突きつけられたハワードは自ら命を絶つ。
しかし真相は、全ての出来事はディードリッチにより計算尽くされていたというものだった。ハワードとサリーの不貞を知り復讐を誓ったディードリッチは、十戒になぞらえてハワードを罠に嵌める周到な計画を練った。皮肉にもそれは、エラリーならそのことに気付くと踏んでのことだった。エラリーはディードリッチの目論見どおりの行動を取り、ハワードを死に追いやったのだった。
この作品のポイントとしては、エラリーの存在が完全犯罪を完成させてしまったこと、罪を立証することがすなわちエラリー自身の失敗を認めることになること、そして著者自身がエラリー・クイーンの弱点を鋭く突いている点だろう。 -
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ネタバレニューヨークで発生した連続絞殺事件。被害者に共通点はなく、捜査は難航する。そんな中、市長直々に特別捜査官の任務を拝命するエラリー。一人また一人と犠牲者が出る中、分かったことはターゲットの年齢がどんどん若くなっているということだけ。
遅々として進まない捜査に業を煮やした市民は自警団を結成、混乱状態に陥ったニューヨークはさながらゴッサムシティ。
エラリーはついに、犠牲者たちがみな同じ産婦人科医カザリスによって取り上げられていたことを突き止める。カザリスは、犠牲者の近親者として警察に接近していた人物でもあった。逮捕されたカザリスは全てを自供するが、実は一つ目の事件の際にはアリバイがあった。カザリスは妻を庇っていたのだった。カザリス夫妻は二度、子どもを分娩室で亡くした過去があり、そのときの産婦人科医はカザリス自身だった。夫人は子どもを失ったショックから、「なぜ夫は他人の子どもは取り上げることができるのに、自分たちの子どもはできなかったのか」という思いに囚われるようになり、カザリスが取り上げた子どもたちを順に殺害していくようになったのだった。
クイーン作品は限られた範囲内に容疑者候補がいて、論理的な推理と消去法を駆使して犯人を突き止めるのが基本スタイル。なので、このような劇場型無差別連続殺人は珍しい。ある大御所作家の名作を想起した読者も多いはず。実際に、この作中でもその法則について言及されている。
犠牲者の女性はなぜみな独身なのかという点が、カルテと電話帳を照らし合わせてターゲットを探す際、結婚すると姓が変わり見つけられなくなるから、というクイーンらしい論理的な推理には脱帽。
犠牲者やその近親者は無辜の市民で、それだけに事件に巻き込まれ悲しみに暮れる様子に胸が痛む。登場人物を単なる推理の駒以上に描くエラリー・クイーンの技量がなせる業。
犠牲者の近親者であるセレストとジミーも魅力的なキャラではあるものの、自分から申し出ておいて自分勝手なことを言うジミーは正直あまり好きになれなかった。 -
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ネタバレライツヴィルシリーズのエラリーは、感情豊かで心優しい青年。エラリーの心の動きも言葉ではっきりと書かれているので、それがしっかりと読者にも伝わってくる。そのため、前作に引き続きこの作品もどこか憂いや悲しみが漂っている。
ほんの些細な好奇心が、大切な人の命を奪い、大切な人の人生を奪ってしまった。それを何とか隠し通そうとするエラリー。残酷な事実を覆い隠すために吐く優しい嘘。それでも、真実を希求するものにはきちんと伝える信念を持っている。
推理小説としての要素の部分で言えば、「毒は誰が、どこに仕込んだのか」という点が最後まで残る謎となっている。エラリーは事件現場を舞台に、当時の状況を詳細に再現していく。水差しに残されたぶどうジュースのすじをめぐる実験などが特に興味深かった。
この作品の中で一番胸にきたのは、戦争を終え心に傷を負って帰還したデイヴィーの苦しみだった。PTSDやサバイバーズ・ギルトなどの概念がまだ確立されておらず、他人にはなかなか理解してもらえないのがもどかしくて苦しい。妻のリンダやその家族は理解しようと力を尽くすが、どうしてあげたらいいのかわからないというまた別の葛藤を抱くことになる。そういった中での一縷の望みがデイヴィーの父の無実を証明することだったので、エラリーは真実を捻じ曲げたのだろう。デイヴィーが抱えたこの苦しみは、フィクションと言えど間違いなく実在した誰かのもの。ベトナム戦争から帰還した兵士もそうだったはず。デイヴィーがリンダを手に掛けようとしてしまったのは父のことがあったからではなく、実は潜在的な部分で自分が母を死なせてしまったことを自覚しているのでは、と空寒くなった。
若い夫婦を含むフォックス家の今後が、町のお節介連中にかき乱されることなく穏やかなものであってほしい。
国名シリーズファンとしては、父親を便利使いするエラリーが見られて安心。 -
Posted by ブクログ
宗教学や美術に造詣があればより理解できたかと思いましたが、知識のない自分でも知的なミステリーとして、とても楽しめる作品でした。
映画の方はストーリーが駆け足で登場人物の言動にある背景がよくわからず、少し置いて行かれたような気持ちになりましたが、美術館や教会などの周辺状況を視覚的に見てイメージしやすかったので、原作の魅力を理解する上で観ておいてよかったと感じました。
難しいテーマであるけれど、登場人物が少ない上に書き分けがしっかりされているために読み進めやすく、スピード感があるため一気読みしてしまいます。評判通り多くの人に読まれ愛される作品であると実感しました。