雨宮処凛のレビュー一覧
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元キャバ嬢でリストカッターの女性みかは、リストカッターたちが出入りする自傷系のホームページをいびつな居場所にしながら生きていたが、ドキュメンタリー監督の達也に取材させて欲しいと言われドキュメンタリーの被写体になり、ドキュメンタリー監督と同棲するようになり、束縛しあいDVそして気を引くためのリストカット、オーバードース。執着を捨てるために宗教にもハマる。
好きになるほど追い詰めてしまう。誰かの愛情の大小でしか、自らの存在を確かめられない浮遊する個人。
自分が自分でいるだけで生きられる方法を探す女性の話。雨宮処凛さんの私小説的な内容です。
人は、どれくらいの重さで他人に寄りかかれるのか、重すぎては面倒くさがられるし、軽すぎては相手を必要としていないように思われる、ちょうどいいバランスを恋人関係や友人関係や仕事での人間関係の中で探しながら関係性を作って保っていく。
主人公みかは、リストカッターで何に対しても不満だらけに不安だらけで自意識過剰で攻撃的である自分から抜け出して、何者かになりたかった。
達也との交流や映画を通じて、なんとか自分の苦しみを自分の言葉で説明しようとしてもがいている自分を愛おしく思えるようになった。
ところが自分を救ってくれた達也を自分の母親のように思ってしまい、好かれる努力をして真剣に関わって欲しくて執着してしまう。
恋愛相手に自分の価値や評価を委ねてしまい、思った通りに満たされないと不安に取り憑かれてしまい世界そのものになってしまうアンバランスな個人が増えている今だからこそ、読んで欲しい本です。 -
Posted by ブクログ
コロナ禍では弱者が大きな被害を受けています。
非正規労働者や、本来しっかりとした教育を受け
るべき学生たちがその最たるものです。
しかしコロナは単なるきっかけであって、以前
より社会の弱者との格差は問題とされていまし
た。
それでも関係のない人にとっては、その問題は
「見えない」のです。
その見えない問題に鋭くメスを入れる対談が本
書です。
特に「相模原事件」に関する下りは、新聞報道
とは違った切り口で論じられています。
雨宮処凛氏は裁判も傍聴していたので、彼女自
身の持論も交えた真実には引き込まれます。
「相模原事件」も、弱者が犠牲になっているの
です。
社会的弱者に目を向けるきっかけとなる一冊で
です。 -
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雨宮さんと私とではアウトプットの仕方は違うけれど、親に反論もしない真面目ないい子ちゃんが女の子として育てられて感じてきた閉塞感とか違和感にはすごく共感した。
著者とはほぼ同世代だけど、自分と同世代でもずいぶん古くさいこというんだなーと気になるところはいくつかあった(メンヘラで自殺未遂した人が結婚して幸せな専業主婦になっているのを「成功例」みたいな言い方をしていたり)。でもこれも、ちょっと前のコラムを掲載しているみたいだから、今書いたら他の表現をされているかもしれない。
なので、巻末の文庫のための対談は一番納得で、痛快で、面白かった。
同世代の友人から「女の人は結婚すればすむけどさー」という言葉が出たときは、えっ、てなったけど、まだまだこういう考えに縛られてる人が男にも女にも多いし、女が自らそんなこと言っちゃったらいつまでたっても格差なくなんないよなという気持ち。 -
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当たり前であり,過疎であるわたしの地域で影響を受けたのは「年に一番密になる地元のお祭」ぐらいだ。
指導者たちは,巨大な経済システムの中で,無駄を省くことを第一条件として進めてきたことのツケが,あまりにも大きかったことにやっと気づいたのだろうか。もっとも,10年前の東日本大震災の津波による原発事故のときにも気づいたはずだったのだが…それが,いつのまにか,どっかへいってしまっていた。今回,また,違う形で自然が教えてくれたんだが。
内田さんがいうように,今後の社会は決して楽観的に過ごせるわけではないだろう。高齢化率や出生率などを見ても,その大変さがよく分かる。
じゃあ,今後はだれがどんな社会を作ってくれるのか…いや,君が作っていくんだよ,それは君がやりたいことを選んでやっていくんだよ…というメッセージが,少しだけ勇気を与えてくれる。
60代のお爺ちゃんは,孫たちの世代に何を残せるのだろう。まだわたしにできることはたくさんありそうだ。 -
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僕にもできた国会議員
山本太郎 雨宮処凛 筑摩書房
〜泣けるほどに面白い〜
ショックハゲができたり
ストレス肥満になったりしてたあの頃を
絵に描いたように飲み込めると同時に
涙があふれてしょうがない
しかも
10分前には死にたいと思うような中
尽きることのない利他と言う目的を持ち
一人でも行政の一端を動かせる現実に触れ
乗り越えてきた今の太郎さんを目の前にして
感動の涙に喜びが湧き上がる
それを支えながらも背中を押し続けてきた
鬼のようなスタッフの存在にも頭が下がる
この意識の連帯が固まったり
タルンだりしないことを祈る思いで
私も遠くから臨機応変に繋がりながら
勇気をもらって
自分を育て上げていきたいと改めて思う
職業化したプロと言われる縄張り争いの
損得勘定にまみれている目に見えない
ヤクザな迷路の中に飛び込み
前後もわからないモヤを正義感だけでモガき
掻き分ける素人丸出しを笑われながらも
たちまちその得体の知れない外国語を身に着け
多勢を相手に無勢で対等以上に立ち回る
恥も外聞も打ち捨てた後ろ姿に惚れ込み
捨てるものを持たない丸腰の強さを
再認識させてもらう -
Posted by ブクログ
私はあまり読書をしない。本屋にはよく行くし、小説コーナーでは2時間くらいふらふら彷徨うことはよくある。だけど本を買いすらしないこともある。「私は映画でも演劇でも本でも音楽でも、"自分の気持ちと重なるか否か"でしか見れない(本著p106)」から、そんな作品を、そんな著者を見つけ出すことがなかなかできないからだ。しかし雨宮氏のこの言葉に同調できるのと、自分も中学あたりからサブカルに偏っているので知っている文化人や作品の名前が出て来て、ほくそ笑んでしまった、ああそんな作品と出会えた、と久しぶりに思えた。中途半端にサブカルに傾倒し始めて、全然同級生と馴染めなくて人殺しみたいな目をしてた自分に読ませてあげたかった。社会に出て行くのに不安しかなかったし希望も感じられなかったし、けれど若くて社会に属していないからこそできたことがたくさんあった。しかし中学、高校と卒業し学生である今でも重さは違えど彼女と似たような自傷行為や逸脱した性行動に走ったり何かに不満がある状態が不安定に続いていて、最近になってその問題に気づけたしこの本を読んで自分と重なるところがたくさんあり彼女の方が苦労しているし飛躍もしているから本当にリアルで個人的に面白かった。たくさん頁に折り目をつけた。また、読み返したい。
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Posted by ブクログ
今から9年前に発行され、後に文庫化(ちくま文庫)されたが、今の雇用情勢は当時より悪化している。本書では「労基署は何もやってくれない」と訴えているが、今や労基署の窓口で失業者に対応する職員も、そのほとんどが「非正規社員」である。安倍政権は発足以来、国会で「自民党政権になって以来、雇用情勢は回復している」と強調するが、雇用が増えているのは「非正規社員」であり「正社員」は減少傾向が止まらない。工場の多くが非正規社員になったことで、日本企業の技術力は完全に失われた。
とある投資家が「日刊ゲンダイ」に執筆しているコラムで
「スーパーの『ダイエー』が凋落したのは、人件費を削ったからだ。パート社員が売り場の主力を占めていたのに、彼ら彼女らの勤務時間を削ったために、彼らは一斉に退職した。結果として売り場が荒れ、それが業績低迷につながった」
と書いていたが、その通りだと思う。正当な仕事に見合う真っ当な評価を下す経営者が増加しない限り、日本経済の復活はありえないと思うのは、私だけではあるまい。