雨宮処凛のレビュー一覧
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ネタバレ読んでいて気持ちが良いものではなかった。今年からノンフィクションの事件レポを読むようになり、自分がいかに狭い世界で生きてきたのかを痛感した。到底理解し得ない思考を持つ人たちが存在しているし、その人たちも行きにくさを感じている。
当時のこの事件のニュースを見た私は、ショックと同時に時代が変わってしまったなと感じた。重度障害者施設で働いた事があるからである。介護の理想と現実を少しは理解しているし、綺麗事だけではやっていけない。毎週面会にくる家族もいるし、苦渋の選択で施設入所を選択した人もいる。一方で全く面会に来ない家族もいるし、本人の暴力に苦しんで施設入所を望んだ人もいる。施設入所させて、本人の存在を無かった事にさせる人もいる。
「いない方がいい」と考えるまでは自由だ。でも、それを発言したり、ましてや行動に移すとなると話は違ってくる。植松死刑囚は、相手がどう感じるかを理解する能力が乏しい。ひとつ、尾野剛志さんとの会話が印象的だった。
植松死刑囚に謝罪を要求したら、「最初に会った記者にすでに謝罪はしている。記事になってると思います。」と。
自分の発言が相手にとってどのように捉えられるかの想像ができていない。これからの世界は、このような人がどんどん増えてくるんだと思う。 -
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ネタバレ私のおぼろげな記憶をたどると、筆者は右翼っぽい印象が頭の片隅にありました。いつも通りwikipediaで調べてみますと、右翼から左翼に転向?し、以降は貧困問題・新自由主義反対等に取り組むライター・ジャーナリスト的な活動をしているような方とお見受けしました。
因みに右翼という印象ですが『新しい神様』(1999)というドキュメンタリ映画に右翼バンドのボーカリストとしてに出演しており、その時の印象だと思われます。
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なお内容としては、「公開情報ではあるものの、能動的にアプローチしないとアクセスできない情報」とでも言ったところ。
お金、健康、親の介護、健康、トラブル、死、の六章からなる「お困りごと」への対処法を述べたものです。
具体例を挙げれば、
・無料定額診療:無保険者が無料もしくは定額で医療を受けられる制度
・労働組合・労災保険・弁償金・傷病手当金:会社都合なのに被用者に何らかの制度不使用等強いられたとき、偽装フリーランスへの対処など。
・生活保護の受給条件
・親の介護や、自分の死後のデータ削除等をする社団法人の存在
名前は聞いたことが有るけど実際は良く分からない、みたいな制度の真実とその申請方法みたいなものが詳述されます。
感覚的には、お金や税金のことを実によく理解していた橘玲氏の初期の作品を読んだときの感銘に近いものを覚えました(よく知っているなあ、こんなところまで、みたいな)。
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私、かつてCFPという資格を保持していました(年会費が高くて昨年断捨離済)。
お金のプロフェッショナル、という建付けでしたが、本作に載っている社会福祉関連の申請まわりの知識があるとかなり強い武器になるかなあと感じました。
役所への申請や受理の実態などはFPの相談業務と親和性が高いかなと。
もっとも、生活に困った人からフィーを取ることも難しいかもしれませんが、一段深くお金周りの相談に乗れると思いました。
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ということで雨宮氏の作品、初めて読みました。
困ったときに(有料でも)相談する先、これを確保しておく必要があると感じました。
また役所の窓口はえてして「相談」にだけ乗り、申請を遠まわしに受け付けないこともあるそう(通称「水際作戦」)。従い、いざとなったとき役所の建前に負けないためにも、実態の知識・作法を心得ておくことが必要と思われます。
お金、家族、老後などに不安がある人は読んでおいて損はないと思います。 -
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思ってたのと違った。
「死なない」ことについて、著者の持論考察があれこれ書いてあるのかと思ったら、なんのことはない、生きていくのに困らないよう(もしくは困った時)どんなときどんなところに相談すると助けてもらえるかの情報集だった。
なんなら一覧表にしてしまえそうだけど、細かな状況によって、これはどうなるこんな時はどうしたら、みたいなことでも、文章で説明してくれているのでたどり着ける。ただし、一覧表みたいに眺めているだけではわかりにくいので、ちゃんと読まないといけない。
でも、いろいろ困ってたり先々が心配だけど、そもそも誰に相談していいかもわからない独り身の人、人付き合いの少ない人にはとっても役立つ本。
もちろん、社会生活を難なくこなしている人にも頼りになる本では。 -
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ネタバレ最近よく目にする「下流」。いまや老人ではなく中年も入る。
私はいわゆる就職氷河期世代なのだが、当時は友達もなんだかんだと就職していて(地方の公立大学、文系)、実感としてそんなに氷河期だった覚えはないのだが、当時就職した人たちはだいたい5年の間に職を変えている。派遣で就職してうから試験受けて公務員に移行した子もいた。みんな留学したりと方向性を変えて、25年経った今、みんなそれなりに生活はしているが、50歳ともなると子供がいたら学費、独り身なら仕事できなくなったらどうしようなどという不安が重くのしかかってくるのである。自分の子供たちが成功できるように地ならしをしてあげるような余力は私にあるんだろうか・・・と思うが、実際、ないです。
そんな不安を抱きつつ、こんな本を読んだら、正直、深刻すぎて気が塞ぐ。「転落」なんて、たとえば事業に失敗するとか薬に手を出して依存症になるとか大事故に合うとか、ドラマで使うことばじゃないか。それがいまや普通に生きてる普通の人に適用される「転落」。真面目に生きてればなんとかなる、ということはない。
筆者ひとりの文筆家赤木さんは、人生を川の流れに例えて、そこには水の取り入れ口があるという。時代によって水の取り入れ口が広くなる時と狭くなる時があり、60年代の高度成長期は就職が容易だった時、つまり取り入れ口が広かった時、就職氷河期は狭くなった時だった、という指摘をしており、全くその通りだなと思った。取り入れ口は歴史的・経済的な状況によって決定されるので、私たちには選択権なんてない。努力しても取り入れ口に吸い込まれないことがある。そして、流れてしまったらもう戻ることができない。あとになってから、「自己責任だよね」と言うのは残酷なことである。
最近は人手不足なので仕事自体はできるのであろうが、AIの登場などで労働環境が激変する可能性もあり、仕事があってもそれがいつまで続くかわからないという不安は大きいと思う。
世界的にも社会の不安定さが増しており、日本では日本人ファーストを掲げる政党が躍進したりして、少ないパイを取られたくない、という気持ちがとくに中流階級に広がっているようだ(ヨーロッパも同じ)。みんな下流には落ちたくないのだ。これが排他主義の源泉になると思う。そして、排他主義が跋扈するといいことはない。 -
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お金、健康、トラブルの章は参考になった。
がん保険、入っておいたほうがいいかなあ…。保険の見直しが必要かも。
お金に困ったら介護施設にも入れるかわからないので(生活保護でも入れる施設もあるとは書いてあったが)、不安は募る。
生活保護は困ったら積極的に利用しましょうということなのだろう。どの章を読んでいても登場する。
柔軟な働き方ができたらいいなと私も思う。
世の中週5、8時間労働が基本だが、短い時間だったら働ける、時間帯が違ったら働ける、という人もいると思う。なんとかならないものか。
親が亡くなった際に口座が凍結してしまった。という案件に載っていた、取引のある金融機関のリストを作っておいてもらうこと。
サブスクに入っているのであれば、契約一覧を作ってもらうこと、なども参考になった。
面倒くさがって作ってくれなさそうな気もするが、言うだけ言ってみてもいいかなと思えた。
自分自身も実践してみたい。
巻末に掲載されていた、生活保護に関して相談できる各地の民間団体の電話可能時間が、どれも短すぎる。これでは時間内に出てもらえなさそう。
読んで不安が軽減までは、ないかな。 -
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フリーランスで将来が不安なアラフィフが専門家に取材。
困難な人生の中で死なないために社会保障や困りごとの相談先などが書かれた本。
・生活保護申請に行くタイミングは、東京で一人暮らしの場合だいたい 6万円以下になったら行くといい
・解雇は受けられないという人が解雇予告手当を請求すると受け入れたことになってしまうので 注意
・労災になったら 労災指定病院に行く。窓口負担なし。
・職場の組合に入っているけれどもなかなか動いてくれない・頼りにならないという場合、個人加盟の組合に入るという手もある
・料金が高い施設が手厚い介護を提供しているかというと、介護の質、内容は関係なく、あくまで値段の違いは 立地や設備
・老人ホームの中にも生活保護対応施設というものがある。入居の際、生活保護になったとしても生活保護の範囲内に切り替えて入り続けられるという施設を選んでおくと安心
・がん保険、おひとり様なら 一口でも安いものでもいいので入っておいた方がいい。特に女性は癌になる年齢が早いので。
55歳までだと女性の患者さんは男性の2倍。
・病院と施設利用に関しては 厚労省が必ず保証人をつけると求めてはいけないという通知を何度か出している。 -
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独り身、金欠、老後の不安に押しつぶされそうな人々に届けたい一冊。身近におられませんか、そんな方が。
身近に相談相手を持てず孤立感の中で助けを求める声が広がる。そんな社会の隙間に光を当てる、術と知恵。
派遣切り捨てのあなたに、住宅ローンももう限界、光熱費さえ無理、老後難民そのもの。そうなる前に何をすべきか、困ったときに相談できる「誰か」を見つける術を具体的に示す本書は誰もが抱える不安に寄り添い具体的な行動を後押しする内容です。
孤立や絶望の中でも解決の糸口はあり、知恵を手にすることで未来を切り開ける。ひとりで悩む人々にとってこの一冊は知恵と希望を与える伴侶となる。誰かと繋がり困難を共有すること。それが生き抜くための第一歩だと気づかされる。
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生活に困ったとき、日本には様々な制度があるんだ、と感心してしまった。
しかし、知らない制度がいっぱい、情報弱者だ、私は。
以前同世代の同じような環境の仲間との会話の中でも色々な行政サービスの話が出た。私は知らないことが多く、みんなの情報量の多さにびっくりしたものだ。
行政サービスは自分からアクションを起こさなくては行政からは教えてくれない。待っているだけでは何も無いのと同じだ。この本を読んで改めて納得した。
そしてスマホが人々の生活に深く深く入り込んでいることも改めて思い知らされた。スマホが無くては生活が成り立たなくなっているようだ。何はなくてもスマホ、って感じか。
差し迫った老後と、自分の人生の後始末に大いに参考になる書だった。 -
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2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。
内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今世紀に入ってからの日本の教育が間違っていると言及しているところが内田さんセレクトらしくていいし、実際にその通りだと感じます。
近代に入ってから特徴的なのは膨大な富を得た後に残る負債を残らず次世代に押し付けるところ。これを明確にあぶり出したのがコロナで、コロナがあってもなくても次世代の若者たちは老人たちのケツを拭きながら生きる羽目になります。そのことに若者たちと、おそらく現役世代に含まれる私たちがどう向き合って生きなければならないのか、時代のまさに転換点に生きているということを感じさせる本でした。
特にキューバを例とした無料医療に言及した三砂ちづるさんの章が勉強になりました。ということでゲバラの若き日の旅路を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」も併せてお楽しみください。この映画はすごくよかった。本も出てる。
あ、あとバランスを取るために武田邦彦の「君が地球を守る必要はありません」もどうぞ。 -
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斎藤幸平さんの名前があったので読んでみた。
一番心に残ったのは平川克美さんの文章だろうか。会社勤めするようになって当たり前のように見聞きしてきた経済合理性。原価を絞り、無駄を排除して、より低価格の製品を提供する。お客様の要望に応え、お客様が期待する以上の価値を生み出すこと。製造業をはじめ、経済はそのようにして成長するものだと思っていた。
しかし、現在は総供給が総需要を上回っている状態。必要ないものを売るための広告やマーケティングなど、ブルシットジョブ(この本で言及してる人の多いこと!)が蔓延し、限られた利潤を確保するために「集中と選択」という言葉に現れるように、偏った資源配分をし、競争優位性のない部門は排除すべきとの考え。この競争優位性、経済合理性といった考え方は、巨大企業や金融市場が成長を続けるために流布されたもの。これが人々の価値基準や判断基準のモノサシとなり、格差やブルシットジョブを生み出すことになった。コロナ禍はその脆弱性を露呈させた。無駄を排除した結果、緊急時の備蓄がない、余剰人員を持たない保健所や医療現場、高齢者より若者を優先すべきだとの優生思想。さらに、経済かコロナ対策か、という議論自体が、経済合理性というただ一本のモノサシで語られているということ。
大学生活が単に勉強をすること、即ちオンライン授業さえ受けていれば事足りるのとは違うということもコロナ禍で見えてきた。
仕事とは何か、大学とは何をする場なのかを再考する機会を持とう、社会で当たり前とされる考え方、メディアの喧伝するものに次第に染まってしまう危うさを意識するようにしよう、そう思った。 -
Posted by ブクログ
VUCA感がめちゃ高まっている現在
今、そしてこれからの世界をどのように生きていけばよいのか。
それを自分のために、そして若い人達のために知りたい。
そのような気持ちで本書を読みました。
執筆者は、内田樹先生セレクトというバイアスはあるので、ものすごい多種多様な意見という感じではないですが、それでも幅広い年代と専門分野にわたっています。
そしてみなさん暗くなりがちな話題にも関わらず、暖かで柔らかい前向きな文章を書かれており、こちらも穏やかな気持ちでページをめくり続けることが出来ました。
全体を通してある程度共通だと感じたメッセージは
•現在や過去(大人、制度、システム)を信じすぎないでね
•データは大事だけど私たちは人間だよ
•自分の頭で考えてね
•支え合うって、大事だよ
•いや、そんなシンプルで簡単にまとめられることばっかじゃないからね
ということです。
これに関して私は全面的に共感します。
このメッセージの先によい未来があると信じて、若い人達にそれを伝えたいし、伝え方を考えていきたいです。
と同時に若い人達には、このメッセージと全く関係ないような、私たちが予想もしない全く新しい素敵な未来を創ってくれることも、ちょっと期待しています。