野中郁次郎のレビュー一覧
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“野性”とは。
定常的な業務ではなく不確実性の高い状況において、計画や分析は役に立たない。そんな時に目的意識や情熱、肌感覚、意志力などで決断するスタイルを言う。
事例として、タイの麻薬地帯を楽園に変えたクンチャイのリーダーシップが語られています。
ビジネスではプロジェクトを進めるにあたって「まわりを巻き込め」のように言われますが、本書では主観である「一人称」から対話を通した「二人称」を経て組織としての「三人称」にしていくステップがわかりやすく書かれていました。
全体的に読みやすい本でしたが、「野性」というパワーワードと本文の内容にどうしても矛盾を感じてしまい、⭐️4つ。
果たして野性的な -
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Posted by ブクログ
読み始めてしばらくして、自分が何を読んでいたんだっけ?と、とまどった。たしか経営に関する本を読み始めたはずなのに、なにやら物事を考える底の部分というか、ひどく小難しい話を読んでいることに気がついたからだ。哲学、それも現象学という難解な話だった。その部分について理解できたとはいえないが、ただ難しいからといって、そこで止める気にはならず、読み続けられたわけだから、なにか惹きつけられるところは会ったのだと思う。
読む中で、やがてさまざまなエピソードにつながっていき、そのあたりからはわりと素直に楽しく読めたな。ホンダジェットが開発されたエピソードは面白かった。富士フィルムがフィルムというメインと -
Posted by ブクログ
これは良書。一度は読んでおくべき本でした。
IT用語である「スクラム」という言葉を、実は逆輸入版だったと知って驚きました。今よりもずっと前に、日本で、しかも製造業の研究においてすでに「スクラム」という言葉と概念が作られており、ずっと後にアメリカのIT業界で正にこれだと復権したというのは面白いですね。
この導入から始まり、IT業界での「スクラム」の説明が展開され、最後に本来の「スクラム」(野中郁次郎)との融合が図られる構成も読んでいて楽しめるものでした。
第二版だと、初版では勘違いされやすいテーマの修正や組織論にまで展開されています。ただ、やっぱり「アジャイル」を組織に適用するのは無理なんだな~ -
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Posted by ブクログ
1.好きなデザインだったので何も管変えずに購入しました。
2.構想力を社会の中で自分がどのような生き方をしていくのか、それに向けて得た発想をどのように筋道立てていくのかを言語化する能力だと言えます。本書では、構想力を定義したうえで、日本人に欠けている部分や、過去の偉人がどのように社会を改善してきたのかを述べています。難しいですが、知識創造と目的工学の視点からアプローチしています。
単語や文章が難しいですが、定義や偉人の偉業の部分だけでも読むことで十分元が取れる一冊です。
3.書き方が難しいので読むのに大変苦労しました。ただ、内容は発想力というだけではなく、その先を見通して筋道立てることが構 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争での失敗とされる6つの作戦について、前半でその経緯、後半で論理的な分解と分析が記されている。
ガダルカナル島やインパールで多数の犠牲者が出たということはなんとなく聞いたことがある程度の知識で読み始めたが、書き手の思想を排除して、ひたすら淡々と当時の事実が述べられている前半が特に面白かった。戦後すぐの文献が使われてたりして言葉が難しかったり、史実が気になったりする度にググって確認しながら夢中で読んだ。
前半部を読むだけでも、日本軍という組織の良くないところが分かるんだけど、後半の分析部を読んで前半で自分なりに感じた感想の答え合わせをし、さらに理解が深まるという感じ。
負けると分かっ