野中郁次郎のレビュー一覧
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・ミドルマネジャーの「ミドルアップダウン・マネジメント」…いちばん難しい問題は、現場で実践知を発揮しながら、新しい価値や価値をもった概念を生み出し、そこからひとつのビジネスモデルを作り出して収益を結びつけること。その中で重要な役割を演じるのがミドルマネジャーやミドルリーダー。実践知にすぐれた人材の共通する「6つの能力」。
1)「何がよいことなのか」という判断基準を持ち「よい目的」をつくる能力を持つ
2)ありのままの現実のなかで本質を直観する能力を持つ
3)場をタイムリーにつくる能力を持つ
4)直観した本質を概念化し、物語として伝える能力を持つ
5)あらゆる手段を駆使し概念を実現する政治力を持つ -
Posted by ブクログ
企業における知識そのものではなく、「知識の創造」プロセスに着目した研究が画期的、とのこと。
<目次>
第一章 組織における知識 ――序論
1 競争力の源泉としての知識に関する最近の議論
2 日本的知識創造の特徴
3 暗黙知を形式知に変える
4 知識創造の三つの特徴
5 知識創造の主役
6 ここからの旅路
第二章 知識と経営
1 知識とは何か
2 プラトン vs. アリストテレス ――西洋認識論の基礎
3 デカルト vs. ロック ――大陸合理論 vs. 英国経験論
4 カント、ヘーゲル、マルクス ――統合の試み
5 二〇世紀における「デカルトの分割」への挑戦
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Posted by ブクログ
「知識経営」(ナレッジ・マネジメント)を、従来よりもいっそう包括的な視点から捉えなおそうとする本です。
90年代半ばから欧米で関心が高まった「知識経営」は、個人の知識や企業の知識資産を組織的に集結し、共有することで、効率を高めたり価値を生み出すこと、そして、そのための組織作りや技術の活用をおこなうことを意味します。しかし著者たちは、従来の知識経営が、私たちの「頭の中にある」知識よりも、データベースなどに蓄えられた情報が対象となっており、それを応用する「知識管理」の段階にとどまっていたと述べます。
知識経営は、知識ワーカーたちの組織的行為を通じて、単に知識を活用するだけでなく、新しい価値を創 -
Posted by ブクログ
前半でアジャイルの概要を説明し、後半でこれを実施した企業の事例を紹介し、最後に著者二人の対談を載せた本。
前半の解説部分は可もなく不可もなく。後半の事例紹介では当事者のインタビューが掲載されており、どのような困難に直面しそれをどのように乗り越えたか、に関する生の声を目にでき、それなりに有意義。最後の対談部分は、学者らしい抽象論に終始しており、実践知である「アジャイル的」なるものとは正反対の趣で萎えた。
入門書として悪くはないと思うが、いかんせん「アジャイルサムライ―達人開発者への道」というぶっちぎりの良書が存在してしまっているので、相対的にあまり高い評価は与えられない。
入門を終えた後に