野中郁次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ナレッジクリエイティブカンパニーの野中先生とコンサルティングファームで活躍され大学で経営戦略の教鞭をされている遠藤先生の共著です。
どちらの先生も非常にユニークな考え方の持ち主であり、お二方の意見をまとめて一冊で読めるのは素敵なことです。
テーマとして日本企業にいま大切なこと。
表題の通り、今まさに読むべきものであり、とても読み手として、良い方向にはどうすべきかという問いに対して、情熱のある著者の解が本書には記されています。
特に、日本企業ならではの強み、
それをより高める必要があると説いています。ムダを排除し、効率的にするといった傾向になりがちですが、逆にイノベーションが生まれなくなるという危惧もあるということ。
確かに、コスト低減が非常に重要なものでありますが、その場のムダといわれているものも実は新たな革新を産む要因ともなるわけです。そういった点もハッとさせられました。
多視点のある考え方を持たなくてはと感じる一冊です。 -
Posted by ブクログ
本書に紹介されている成功企業の事例を大学組織に応用しようとすると、例えば、「従業員数:教員数・事務職員数」の比較でうまく合わなかったり、「企業組織文化:教員の同僚的文化・職員組織文化」を関連付けさせたりすることがなかなか難しいように思う。ただこうした単純比較でなく、さらに上の概念として、「個人と組織の主体性」を考えることは必要だと感じた。
序章で述べられた着眼点は参考になった。転換点と維持・強化の局面で、組織・人のマネジメントの質が異なるという視点だ。一見あたりまえなのだが、転換期に役割を果たせる人材を見抜けるかが組織存続の重要な要素となることを示している。
38頁の反対の合一のようなモデルが紹介されている。
・社会的使命の重視、しかし経済的価値も同時に追求
・共同体意識、しかし健全な競争も共存
・長期志向、しかし現実も直視
これを実践するにはなかなか難しそうだが意識してみたい。
個人的には、本書の成功事例よりその逆の事例から学ぶべき点が多かった。成功事例はたまたま当該企業が諸条件に合って得られたものであり、他団体への適用や一般化は難しい。しかし逆の事例はどの組織でも似たケースに陥る可能性を孕んでいる。よって、第4章持続的成長を阻む壁を興味深く読んだ。(ただ、失敗を気にし過ぎて小さくまとまるのもつまらないので、各別に「成功」に向かって注力するしかない、と思うようにしている。)
なお、時間の無い方は序章・終章を読んでから各章に移ってもよいだろう。 -
Posted by ブクログ
p.21 優良事例を分析して取り入れることによって成果を上げることに慣れてしまうと、自分で考え、挑戦、失敗する風土がなくなってしまう。
p.66, 84 個々人の持っている知識は個人が組織の中で認められるための財産なので、それを同僚と分かち合おうという呼び掛けには必ず心理的抵抗が生まれる。でも個人が抱え込んでいるのは知識資産を腐らせているようなものだし、こういう知識は組織の仕事を通じて得たものなので「公共財」としての性格ももっている。
共有しよう、という組織文化がないといけないが、これにはトップダウンの強力なイニシアチブが求められる。
p.89 古い組織に新しい技術を導入しても、複雑さを増すだけ。組織変革をともなわないとダメ。
p.103 データ-情報-インテリジェンス-知識-知恵 というピラミッド構造。
データは記号、数値。情報はデータから構成された意味や意義。知識は情報を認識し行動に至らしめる秩序。知恵は知識を現実に適応させて得られた成功事例集。
p.105, 106 暗黙知はそれを持っている本人がなかなか体系的に理解できない、場合によってはそうした知識をもっていることを知らない。こうした七気を得たり、伝えるには時間がかかる。そこではマニュアルなどの形式知が意味を持ってくる。
p.124 個人の暗黙知が体系的な知識として組織で客観化・正当化され、ふたたび実践に向けて個に向かう。この螺旋的サイクルによって個も組織も新たに創造された知識を得て拡張していく。 -
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【一言感想】
野中氏と遠藤氏という二人の著者が会話風に話を進めていきます。
ただし、ちょっと論点がわかりにくいような気がしました。
【印象的な部分】
(P102)
いま元気な企業には、グローバル化を地道に実践してきたところが多い。その結果、外に知が開かれたわけです。サムスンをはじめとするアジア企業が好調なのも、異文化接触によって知を創造する体質が組織内に組み込まれているからでしょう。
(P154)
~イノベーションには、「モノ」のイノベーションと「コト」のイノベーションがあります。「コト」のイノベーションの多くは、ビジネスモデルを指すと考えていいでしょう。アップル社、マイクロソフト社、グーグル社などが行ったのも、まさにビジネスモデルのイノベーションでした。 -
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ネタバレ「知識創造理論」を広めた野中さんと「見える化」を唱えた現場主義の遠藤さんが、日本の価値観を語り合う と紹介されている本です。
各章で野中さんと遠藤さんがそれぞれコメントしています。あまり本質と関係ないですが、どうやって本書を仕上げたのか気になってしまいます。対談を元に再構成されたとなっていますが、それぞれの主張をうけとめて、持論に展開して、このような形でまとまるのか?ってちょっと不思議。
さて、本書では直球でいうと、
「日本企業は自分たちの強みにもっと自信をもて」
というメッセージだと思います。
しかし、その話の展開としては、今までのお二人の持論をそのまま展開したとも読み取れます。
野中さんの「知識創造」の話や遠藤さんの「現場力」の話。それらをベースに議論が展開されている感じです。なので、お二人の本を読んだことがあれば、その復習もかねている感じもあります。
ただ、アジャイルスクラムの原型が野中さんの論文とは知りませんでした。ウォーターフォール開発とアジャイル開発がここで出てくるとはちょっと驚きでした。野中さんてシステム開発にも造詣が深いのですね。
さて、チーム力の話のなかで、「個性」と「連携」の両立が出てきました。
なでしこジャパンの佐々木監督の言葉で
「個人の力不足を組織で補うと、個人もチームも力が頭打ちになる。一対一の攻守など個人の強化でも妥協はしなかった」
のコメントがあり、チームは個人の弱点を支えあうのではなく、強みを連携させることが重要と感じました。
そして、「個性」と「連携」の両立ができるのが日本の強みということでもあります。
最後に野中さんのリーダが持つべき6つの能力について忘れてもいいように(^^;;ここにメモっておきます
(1)「良い目的」をつくる能力
(2)「場」をつくる能力
(3)現場で本質を直観する能力
(4)直観した本質を概念化し、表現する能力
(5)概念を実現する能力
(6)賢慮(フロネシス)を伝承、育成し、組織に埋め込む能力
そして、その章の中で印象的だったのは
「ディシジョン」ではなくて「ジャッジメント」
その時々の関係性や文脈を読み取り、タイムリーに最善の「ジャッジメント」を下す能力がリーダに求められている。
なるほどっと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1回生夏季休暇の課題図書として先生が複数の書籍を紹介した中から、タイトルに惹かれ選択。
近年叫ばれる「知識経営」についての著作。勉強している方にとっては当たり前のことばかり書かれているのかもしれませんが、読んだ当時の私にとっては学ぶことの多い本でした。この本で得た知識は、他の経済論やマーケティングの授業でも役に立っています。
「知識経営」と言われると何だか仰々しく聞こえますが、無形の知識を商品にする、あるいは知識を組み込んだ商品を提供することで収益を得る経済・企業の話(コンサルティング業など)で、これはまさに現在の経済の姿です。よって、是非知っておくべき内容です。
一番重要なのは、やはり人であり、そのリーダーシップや行動力、コミュニケーション。