【感想・ネタバレ】失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇のレビュー

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素晴らしい

2014年08月16日

名著「失敗の本質」の続編です。野中先生の理論が醸成させ、より判り易く書かれています。心あるビジネスリーダー必携の書です。

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Posted by ブクログ 2023年09月22日

「失敗の本質」の本を読んだことがあり、その後に久しぶりに野中先生の本が読みたいと思い読んでみた。非常に興味深い内容で、今まで通り日本軍の戦争を研究材料としつつ、戦場でのリーダーシップについて大量の論文とデータを元に分析されて納得感のある内容であった。

個人的には第8章の辻政信の内容に思うところがあ...続きを読むった。幼い頃から文武両道で部下の信頼も厚く飲み会や風俗などが大嫌いで教科書に載るお手本のような軍人であるのにも関わらず、組織として何故上手く立ち回ることができなかったのか?日本人が目指すべき人物に限りなく近いはずなのに何故同世代のエリートには嫌われていたのか?そもそも日本の学問における優秀な人材は何なのかを考えさせられる内容であった。

最後の菊澤先生の章もおすすめ。非合理的な意思決定プロセスに使われる【空気】という目に見えないものについて、取引コスト理論を用いて説明しているので、現代のビジネスでも応用できる内容であると思う。総じて自身の知的好奇心が満たされる素晴らしい本であった。

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Posted by ブクログ 2023年06月27日

リーダーは実践し、賢慮し、垂範せよ
理想のリーダ像はかくあり、その実現するが難なることを痛感する日々です。

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Posted by ブクログ 2020年07月24日

戦争状態における戦略的・戦術的判断の理由をリーダーシップを軸にひも解いています。集団の意思決定において、国家レベルの集団であったとしても必ずしも論理的な判断をするとはかぎらないということが改めて理解できました。
野中郁次郎さんのことはよく知らないまま本書を手に取りましたが、他の著作も読んでみたいと思...続きを読むいます。
最前線での日米の指揮官の比較分析、また「空気を読む」行動を取引コストで解説されていたところが非常に興味深かったです。

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Posted by ブクログ 2020年07月16日

 時代の流れのなかにいるときは見えてこないことがある。
 見えていても、カタチを伴ったものとして全体を捉えることができないので、時代の片隅にいた自分が見ていたものだけで、無意識にその時代を記憶に留めている。
 自己の記憶はそういったもので、その記憶が己が生きる世のなかを造っていく。だから、人それぞれ...続きを読むに見えている世のなかは違う。
 でも、時代というのは、今を通り越すことによってその時間経過とともにカタチを現してくる。そしてそのなかで時を過ごした自分の記憶が、そのカタチのなかに位置付けられると、自分の記憶もまた朧気にカタチを伴ってくるし、違った存在になる。
 
 もうすぐ8月が来る。また今年も日本の大きく道を誤った原点を見つめてみよう。

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Posted by ブクログ 2019年02月26日

「失敗の本質」の続編。太平洋戦争時の日本軍におけるリーダーシップ不在、大きな戦略不在についてが、具体的な事例、人物を取り上げながら説かれている。実用的な知識だけでなく哲学が必要なこと、グランドデザインを持ちつつ現場の細かな様子にも気を配る必要があること、リーダーシップにおいては日常の部下とのコミュニ...続きを読むケーションも重要であることなどが印象に残った点です。

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

名著「失敗の本質」の続編.リーダーシップに焦点を絞って議論.
・若手に権限移譲し「小さい組織」を任せるなど,次世代のリーダーが実際に権限を行使する場を設ける事が重要
・開かれた多様性を排除し,同質性の高いメンバーで独善的に意思決定する内向きな組織が問題
・求められるのは「現場感覚」「大局観」「判断力...続きを読む

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Posted by ブクログ 2017年12月03日

真実はいずれとしても、いろんな角度で意見が出されているところが面白い。特に、バンザイ突撃の日本軍とアメリカ軍の双方の捉え方の相違が、興味をそそった。

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Posted by ブクログ 2017年05月07日

野中教授が主張されている「現場感覚」「大局観」「判断力」を有した「フロネティック・リーダー」を裏付けるための、戦時の事実・将校の行動を通じて各専門家が論じている。
自分は、「石原莞爾」「辻政信」「山口多聞」の考察が大変深く印象に残った。
天才肌故か、組織に目配せする能力が欠落していた石原。
軍の基本...続きを読むポリシーに忠実すぎるが故に数々の失策に対し誰も苦言を呈すことができず、結果的に独走を許してしまった辻。
組織や上官への抜群の目配せと溢れる程の愛国心故に自らの不利をあえて飲み込み率先して殉職した山口。
ヒューマニズムに偏った感想になってしまい、申し訳ありませんが、私にとっては非常に参考になりました。

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Posted by ブクログ 2015年03月07日

70年以上も前の戦争における失敗を分析することにより,現代へと適応する方法の検討。

失敗の本質ということだけあって,時代がかわってもその本質はブレナイのだと実感できる。

人間は万物についての真実を知ることはできない。組織にとっての都合の悪い真実は頬かむりしたくなるのが,人間だ。だが,それでは新た...続きを読むな知は生まれない。あらゆる場面で,なぜを五回問うトヨタのように,絶対の真実があると信じて,何度も執拗に問いを発し,試行錯誤を続ける組織が最後には勝つ。

我々は大東亜戦争の敗北を物量の差・科学技術力の差にきしていたが,より正確に表現すれば,政治・軍事指導者層の科学技術に対する認識の差で敗北したとみなすべきである。つまり,目利きのできないトップがイノベーションの芽を埋没させてしまった好例だったのである。

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Posted by ブクログ 2015年02月23日

失敗の本質では組織のあり方、方向性について深く考えさせられたが、今作はそれを導くリーダーの在り方について極めて深く考えさせられた。
印象に残った箇所を抜粋しながら、感想を述べていく。
P159 戦場の指揮官
特に、現場をしらない新任指揮官は権威の葛藤に苦しみながら、舞台指揮の方法を学んで行った。
P...続きを読む160 ガ島 38師団 中隊長 若林東一中尉の日記
「部下を持ちて」:「部下にさからひの気配ある時、弾丸の中にて部下行かざる時、かならず部下を叱るな、おのれの徳、おのれの勇、未だ足らざるを思へ」

P176から始まる「リーダー像の研究」では、圧倒的に秀でた能力を持ち、実際に数々の劇的な成果を挙げながらも、組織人としての能力の欠如、あるいは逆に現場からの信頼の欠如、はたまた組織の硬直性の壁といった様々な要因によって、最終的には勝利をもたらすことが出来なかったリーダーが多くいたことに気づかされた。
寡聞にして山口多聞司令官の能力については今回初めて知った所だが、そうしたリーダーをもってしても戦争の分水嶺となるミッドウェー海戦を勝利に導くことは出来なかった。
苦しい状況を打開し、最終的な勝利に導くことがリーダーの使命であるとしたら、その求められる能力は無限であり、半ば絶望的ですらある。
しかし、その事実に真正面から立ち向かい、己の全てを賭けて、部下を、会社を、国を守ることがリーダーには求められているのだろう。
壁は果てしなく高いが、そうしたリーダーに自分はなりたい。

P270 オリバー•E•ウィリアムソンの取引コスト理論
P276 イマヌエル•カントの人間の他律性と自律性の分析
そして、これらを用いた「派閥」や「空気」の分析は、組織や人間社会を理解する上で極めて示唆に富んでいた。

この本を読み、リーダーとなるには、学ぶべきことが無限にあると感じ、またそうした知識を溜め込めだけでなく、リーダー経験を積んで、「実践知」を身につけていかなかればならないと改めて感じさせられた。

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Posted by ブクログ 2014年05月18日

失敗はなぜ起こるのか。大戦当時の組織を例にあげて考察しており、分かりやすい。何よりも現代の社会でも色々なところで役に立つ知恵だと思う。しかし野中さんは山口多聞好きなんですねぇ~。

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Posted by ブクログ 2021年10月20日

これだけ日本の欠点と言うか日本の弱体化の要因を俯瞰的に正確に指摘出来る日本人がいるんだなと素直に驚き。同じような考えを持つ日本人は一定数いるはず。それでも日本が衰退国として甘んじているのは分かっていても変えられない何かが多々あるからだと思う。自分もそうだけど。

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Posted by ブクログ 2020年01月01日

失敗から学ぶことは多々あり、それが戦時のことであれば、生死をかけた戦略や行動であるために、更に学ぶべきことは多いと考える。ただし、完ぺきな人間などいるはずもなく、限られた情報の中で、限定合理的に行動した結果であることを念頭に置く必要がある。

・ウェーバーの価値自由原理である、ヒト/モノ/カネを効率...続きを読む的に利用できているかという効率性の問題と、価値の問題は分けて考えるべきというのはなるほど。そして、効率的なものが常に正当であるということにはならないというのも納得である。

・戦時において、成功した体験は、なかなか否定できない。実績が一度伴うと、それに寄りかかってしまう。必要な時には自己否定ができることが良いリーダーであり、その場合でもスピード感を持って判断できるようになるべきである。この判断のためには、大局観を持ち、真実に目を向け、新しいことを生み出そうとする思考が重要である。

・部下たちの面倒をこまめに見ることが、指揮官への信頼と親近感を増幅させる。

・これらを成すのは、体力と健康である。

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Posted by ブクログ 2019年10月21日

戦時の話しをしているはずなのに、なんかすごくしっくりくる。いまも同じような状況に陥っているからなのかな。

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Posted by ブクログ 2019年03月25日

2012年7月に書かれた本で、1984年に書かれた「失敗の本質」に対して多面的な検証とさらなる考察が実施された本、「失敗の本質」はずっと読みたかった本なのですが、まだ読めておらず、先に新しい版を読むことになりました。

相応の歴史知識や、太平洋戦争時代の人物像に関する情報がもともとないと、やはり難解...続きを読むであるとは思うが、それなりに長い間勉強してきてから読んだので、僕にはさらに造詣が深まったと思う。

『戦場のリーダーシップ』という観点では、僕もこれまでいくつか勉強してきてましたが、「キスカ撤退の木村」や「組織人になれなかった天才参謀 石原莞爾」、「独断専行はなぜ止められなかったのか 辻 政信」など、これまで知らなかったことも新たに知ることができました。


後半には、大和特攻の伊藤長官の
「我々(大和)は死に場所を与えられたのだ」の名言による戦艦大和特攻作戦における意思決定プロセスに関しても記載あり、大変興味深い。 山本七平の『空気論』という部分も大変勉強になった。
(山本七平:『「空気」の研究』1977年)

→ 伊藤長官の論理的思考は空気で説明できない
→ 「空気」の本質を科学的に分析する
  2009年度ノーベル経済学賞を受賞した、
オリバー・E・ウィリアムソンの取引コスト理論に従って分析

→ いかにして、空気に水を差すか
カントの人間学的道徳哲学を引用して「自律的な意思を実践できる人間:啓蒙された人」と

以下、引用 P277
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日本軍は、設立当初はメンバー同士が自由闊達に議論する組織であった。 ところが時間の経過とともに制度が完備され、特に人事制度が明確になると、制度上、どうすれば昇進できるのかが明確になった。 こうした状況で、昇進制度に忠実な他律的エリートたちが育成され、実権を握っていった。 (中略)

こういう他律的エリートが統率する組織では、メンバーは容易に取引コストを計算し、合理的計算のもとに全員一致で「空気」を読み取ることになる。 そして、合理的に非効率で不正な結論に導かれることなる。

この意味で、海軍は、不条理に陥ったエリート集団の典型であった。 取引コストにとらわれた人々の、他律的な意思決定に対し、一石を投じることのできる人物、それが自律的な意思を実践する「啓蒙された人」である。このようなリーダーが帝国海軍に数人いれば、組織の不条理から救われたはずである。
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Posted by ブクログ 2017年01月16日

国家的視野による戦略、現場感覚のあるリーダー、空気によらない責任者の明確な判断、いずれも全く実現されていない。無意味な戦争に突入する事がないようにするために何をすればいいのか、悩ましい。

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Posted by ブクログ 2015年11月03日

日本が大東亜戦争で敗戦したことは知っていても,なぜ負けたのかということまでは,なかなか歴史の授業で学ぶことはないと思います。
敗戦の原因はどこにあるのか,将来にいかすべき教訓は何かということを研究したのが本書です。

文章が読みにくいということはありませんが,出来事や人物に馴染みがないので,やや読み...続きを読む進めるのに苦労しました。

私は自分の仕事や生活にどう活かしていくかということを考えながら読みました。

本書を読んでの私なりに得た教訓ですが,
・成功体験ばかりでもそのことだけに囚われて,視野が狭くなってしまい,そのことが大きな失敗を招く。それゆえ,失敗も貴重な経験。
・帰納的思考を大切に。経験から知識を得,それを実践しながら知識を修正していく。トライアル&エラーが重要。

失敗を取り上げることは,ともすれば当事者を非難するように受け止められ,取り上げること自体をやめさせようとすることもあるようです。しかし,責任追及という視点ではなく,何が起こったのか,その何が良くなかったのか,今後どうすべきかということは,たとえ失敗に目を向けることに気が進まないとしても,臭い物に蓋をするという姿勢ではいけないと思いました。

この本を読んでいる最中に,身近にそのような話を聞き,歴史を学ぶ姿勢は重要だと改めて認識した次第です。

本著の先駆けとなる「失敗の本質」も読んでみる予定です。

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Posted by ブクログ 2014年02月15日

まとめる必要なかったんじゃね?ってのはわかんなくもない。
残念ながら『失敗の本質』と比べるとイマイチと言わざるをえない。
それでも、日本軍好きでリーダーシップをとるひつようせいがあるのであれば読んどいて損はないと思う。

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Posted by ブクログ 2013年07月24日

率先垂範の精神を欠くリーダー、硬直化した官僚的組織、プロフェッショナリズムの誤解―現在も日本の組織を蝕む『病』を先人の犯した『失敗』を例に鋭い考察を加えています。これをどう生かすかは個人の問題ですが。

本書は「失敗の本質」「戦略の本質」の続編にあたります。一応、前の2作も読んだことはありますが、や...続きを読むっぱり面白かったです。ここでは、日中戦争、および太平洋戦争(大東亜戦争)における戦場でどのような決断を下し、またそこで失敗したのかを複数の執筆者が詳細に分析し、また、現在にも続く、『組織的な失敗』の病理を鋭く抉り出し、また処方箋を記したものであると思います。

なぜ帝国海軍は過ちを繰り返してしまったのか?というパールハーバーでの『奇襲』からミッドウェーの敗北。さらには昭和における日本陸軍といういわば『究極の官僚機構』ともいえる組織がなぜ暴走し、破滅して行ったかを東条英機対石原莞爾という二人の官僚のタイプを検証していたり、優秀な指揮官が必ずしも『組織の人間』として適切な人材ではない、ということを辻正信という現場の指揮官から検証してあったり、ミッドウエー海戦で壮絶な最期を遂げた山口多聞のエピソードは本当に考えさせられるものがありました。

ノモンハン事件の失敗。戦艦大和が沖縄に特攻作戦を敢行するときに作戦本部に発生した『空気』。そして、陸軍内における皇道派と統制派の派閥争いにおける『論理』は形を変え、時代を超えて現在にも『生き残って』いるんだな、ということをつくづく感じました。先人たちの失敗を以下に自分のものとし将来をいかにするべきか、ここにはそのヒントが隠されていると思います。

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Posted by ブクログ 2015年05月17日

最初の「失敗の本質」を読んだのは何時だろう。手許にある本の奥付には"昭和60年2月15日 20版発行"とある。おそらく大学時代に紛争論か何かのつながりで落手したのだろう。
あれから幾度読み返しただろうか。少し難解だか、戦史に基づいた論証は、その後の様々な局面で、幾度勇気付けられ...続きを読むただろうか。
今回の新版は、随分読み易くなったなぁ、というのが第一印象だ。このシリーズに触れていない人は、まずこの新版を読んでから、「戦略の本質」、そして「失敗の本質(初版)」を読まれることをお勧めする。
ともかく、初学者にとっても勇気付けられる一冊だ。

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Posted by ブクログ 2021年06月22日

フランスが犯した失敗の本質を的確にした指摘した上で、物は、祖国フランスの救済策を次のように書いている
強くなること
敏捷に行動すること
世論を指導すること
国の統一を保つこと
外国の政治から世論を守ること
祖国の統一を撹乱しようとする思想から青年を守ること
治めるものは高潔のある生活をすること
汝の...続きを読む本来の思想と生活方法を情熱的に信じること

戦時体制のアメリカ政府は、統合参謀本部を始め、軍のポストに多くの民間人を起用した。それが知のバラエティーを豊かにし、組織にバランス感覚を植え付けたのだ
学校での成績が重視される10日システムに象徴されるように、日本軍の組織人事は極めて硬直的なものであった
羽を和ませ、気分を一新させる場合、ジョークやユーモアも必要だ。いざと言う時、こうした知の潤滑油を使うことができるかどうか。
失敗からいかに学ぶかこれは軍隊に限った課題ではない。贈収賄や談合、粉飾決算、個人情報流出問題等と、今なお企業不祥事が後を絶たないのは、組織の失敗の拡大再生産と言う負の連鎖に陥っているからだ

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Posted by ブクログ 2021年06月04日

史実をベースに、リーダーシップについて考える一冊。

思ってたほどリーダーシップについては触れられていない印象を受けた。(過去のリーダーシップについては触れられているが)


辻政信についてが非常に印象的だった。「おるおる、こんな人」って思いながら読んでいた。
求められている理念の実践は完璧なのに、...続きを読む言動を知らず暴走してしまう
将来こうならないように気をつけたい...。

あと人情課長の指示は今統計を取り直したら割と変わってるんじゃないかなあと予想。
当たり前やけど求められるリーダーシップは時代とともに変わっていくから日々アップデートが必要やなあと痛感(この本はアップデート出来ていない?と感じるので、過去を読むもの・参考程度に留める方がいいとは思う)

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Posted by ブクログ 2020年08月19日

太平洋戦争の日本軍の失敗に学ぶ本
組織論などで現代にもじゅうぶん通じる、ということは普遍的、本質的な話なんだろう
日本企業の組織あるあるではあった
作戦が失敗した
アメリカ→原因を分析、次の作戦に反映
日本→「気合が足りない」「次は勝てる」
無謀な意見が出た
アメリカ→ロジカルに考えて判断
日本→「...続きを読むあいつは本気だ、やらせてやろう」
第一陣が敗退したら、、、
アメリカ→コンティンジェンシープランを持っている
日本→「失敗するわけない」「失敗を考えるのは異端だ」

今時こんな古い考えの組織もなかなかないとは思うが、
ゼロではないだろうと思う。
少なくともうちの会社も忖度とかあるし、「あいつがあそこまで本気なんだから、一度やらせてみよう」みたいなのはあると思う。
ただ企業であれば、最悪倒産で済むけど、
こと戦争では、そのしょうもない判断で、何千男万の人間を殺すことになる点は忘れてはいけないと思った。

戦史の勉強にもなってとても良い本だと思います。
ただ、かなり難解な文章も含むので眠くはなる。

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Posted by ブクログ 2019年05月31日

戦場という生死がかかる究極の状況の中でのリーダーシップ。日本を覆う「空気」というものに支配されないこと、それがリーダーとして必要なことなのだろう。

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Posted by ブクログ 2019年03月17日

第二次大戦時の帝国陸海軍が犯した数々の失敗を、個別の事例の丁寧な調査と解説で分析してくれている。この手の本の中でもとてもわかりやすいものだと思う。何を読んでも当時のお粗末な意思決定や視野の狭さに呆れるが、やはり他人事ではない。特に戦艦大和の特攻にあたっての意思決定では、米国留学経験のある知性派でさえ...続きを読む、今考えれば合理的でない決定をしている。本書の分析によれば、「敗戦が濃厚な状況で、大和を温存しておくことは、臆病者のレッテルを貼られるだけでなく、終戦後に大和が敵国の実験などに使用されることになり、これらを何より恐れた」とされている。当時のその立場であれば当然の意思決定かもしれないが、そのせいで数千人の戦死者を出したとなれば、同情できる話ではない。ただ、こういう「空気感」のなかで誤った判断をしていないかについては常に自省する必要があると感じた。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

第二次大戦における日本の軍事行動の失敗から教訓を得ようとする本。リーダーシップに的を絞り、主に司令官に焦点を当てて分析を試みている。空気で説明される大和特攻を、取引コストの点で説明を試みたことは興味深かった。

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Posted by ブクログ 2018年10月28日

●リーダーシップを発揮するためには、実践知をを備えなければならない。経験や教養により、大局観と現場感覚、判断力を養うことが大切。

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Posted by ブクログ 2018年04月04日

▼調べた単語
・翻って(ひるがえって):1 反対の面が出る。さっと裏返しになる。「裾が―・る」2 態度・説などが、急に変わって反対になる。「評決が―・る」
・賢慮(けんりょ):賢明な考え。すぐれた考え。
・コンテクスト:文脈
・プラグマティズム:思考の意味や真偽を行動や生起した事象の成果により決定す...続きを読むる考え方。19世紀後半の米国に生まれ、発展した反形而上学的傾向の哲学思想。
・涵養(かんよう):水が自然に土に浸透するように、無理をしないでゆっくりと養い育てることを意味する。「読書力を―する」
・インフォーマル:公式でないさま。形式ばらないさま。略式。
・逡巡(しゅんじゅん):(スル)決断できないで、ぐずぐずすること。しりごみすること。ためらい。「大学に進むべきか否か逡巡する」
・帰趨(きすう):(スル)物事が最終的に落ち着くこと。行き着くところ。帰趣。「勝敗の帰趨を見とどける」「人心の帰趨するところを知らない」
・フロネティック・リーダー:アリストテレスのフロシネス(賢慮)という概念に基づいて野中郁次郎一橋大学名誉教授が提唱したものです。この賢慮型リーダーシップには、①「善い」目的をつくる能力、②場をタイムリーに作る能力、③ありのままの現実を直観する能力、④直観の本質を概念化する能力、⑤概念を実現する政治力、⑥実践知を組織化する能力、の6つの能力が必要とされます。
・フロネシス:理念と実践の相互作用がなくして生成されることはあり得ず、その方法論は実践的推論です。実践的推論による結論は、演繹的三段論法のように論理的真偽ではなく、仮説検証型フィールドワークなどにより、仮説設定と修正を反復することにより導かれます。
・演繹(えんえき):普遍的命題から特殊命題を導き出すこと。一般的に、組み立てた理論によって、特殊な課題を説明すること。
・帰納(きのう):推理・思考の手続きの一つ。個々の具体的な事柄から、一般的な命題や法則を導き出すこと。
・拙劣(せつれつ):(技術や出来具合が)へたなこと。つたないこと。
・軍事テクノクラート:政治経済や科学技術について高度の専門的知識をもつ行政官・管理者。技術官僚。テクノクラット。
・狭隘(きょうあい):せまいこと。
・セクショナリズム:一つの部門にとじこもって他を排斥する傾向。なわばり根性。
・法匪(ほうひ):《匪は悪者の意》法律の文理解釈に固執し、民衆をかえりみない者をののしっていう語。
・悪弊(あくへい):悪い習わし。悪習。悪風。「悪弊を断ち切る」
・兵站(へいたん):戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの前送・補給にあたり、また、後方連絡線の確保にあたる活動機能。ロジスティクス。「兵站部」
・拙速(せっそく):できはよくないが、仕事が早いこと。また、そのさま。
・巧遅(こうち):出来ばえはすぐれているが、仕上がりまでの時間がかかること。
・俊英(しゅんえい):学問・才能などが人より秀でていること。また、その人。

▼付箋をした箇所
P.15
実践知を形成するための基盤の一つは経験である。とりわけ重要なのは修羅場経験、そして成功と失敗の経験だ。
論理を超えた多様な経験が欠かせない。
手本となる人物との共体験も、リーダーシップの形成に大きな影響を与える要素であろう。
もう一方では教養(リベラル・アーツ)も重要な要素である。哲学や歴史、文学などを学ぶなかで、関係性を読み解く能力を身につけることができる。
そんな弁論術も含めた政治力は、フロネティック・リーダーの重要な要素である。

P.17
直観を概念化する能力を挙げた。換言すれば、暗黙知を形式知化する能力である。概念化、言語化できて初めて、組織的な共有が可能になる。それにより、組織からのフィードバックを得て、直観をさらに磨くことができる。このスパイラルアップのサイクルは、言葉によって起動されるのだ。

P.20
いま実行すべきは、サイロの破壊とタスクフォースの創設を通じた機動的な知の総動員である。それが日本企業復活のカギだと私は確信している、

P.44
哲学は「どうあるか」という存在論と、「どう知るか」という認識論で構成され、その両面から、真・善・美について徹底的に考え抜く。それによって、モノではなくコトでとらえる大局観、物事の背後にある関係性を見抜く力、多面的な観察力が養えるのだ。

P.45
フロネシスを備えたリーダーを、私はフロネティック・リーダーと名づけた。そうしたリーダーは、以下六つの能力を備えている。
①「善い」目的をつくる能力
②場をタイムリーにつくる能力
③ありのままの現実を直観する能力
④直観の本質を概念化する能力
⑤概念を実現する政治力
⑥実践知を組織化する能力

P.52
イノベーションは、ある理論を前提とし、そこから論理分析的に正しい答えを引き出す演繹的思考では実現しない。完全競争状態の市場という理想郷を不完全状態に変えることで、企業は利潤を手にすることができるという考えをモデル化したのがマイケル・ポーターだが、そういうやり方では現実の延長線上にある戦略や革新ならぬ改善しか生まれない。
それに対して、個別具体の現実から出発し、新しいコンセプトや物事の見方を打ち立てようという強い思いから生まれる帰納的思考が、イノベーションには不可欠となる。帰納的思考は最後には必ず行動につながる。行動によってみずからの考えや判断の正否がわかるからだ。

P.217
「ああ、兵は拙速を尊ぶ。巧遅に堕して時機を失うよりは、最善でなくとも、次善の策で間に合わせなければならない」

P.218
「目前の悲惨に覆われて全局を忘れてはならない。これは洋の東西を通じ、いつの世にも変わることのない指揮官の統率である」

P.230
彼らに共通するのは、戦に臨む不動の信念であり、臨機に重大決断を下せる柔軟な頭脳であった。そのうえ闘魂と敢闘精神はアメリカ人さえたじろがせるほどだった。彼らなら、南雲のように優柔不断を繰り返すことも、致命的な判断ミスを何度も犯すこともなかったろう。

P.249
インフォメーションがあったことはほぼ間違いない。問題は、それを適切に分析し、情報(インテリジェンス)に転換して有効に活用したかどうかである。

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Posted by ブクログ 2017年11月02日

難しいけど失敗の本質が少し見えてきました。
キーワードとして「PPPA(plan plan plan forget)」とか「空気」とか「取引コスト」ってのが印象に残ったのと仕事でも使えそう!

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Posted by ブクログ 2014年03月24日

前作に引き続きリーダーシップ論に隠れた軍事マニア的本。ダメな日本軍の中においても山口多聞のような逸材もいたことが救いか。

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