あらすじ
率先垂範の精神を欠くリーダー、硬直化した官僚的組織、プロフェッショナリズムの誤解――かつての日本軍と同じように、日本の企業や政府は、いま「失敗の拡大再生産」のスパイラルに陥ってしまっている。
最大の問題は、傑出したリーダーが出現しないことだ。
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Posted by ブクログ
失敗から学ぶことは多々あり、それが戦時のことであれば、生死をかけた戦略や行動であるために、更に学ぶべきことは多いと考える。ただし、完ぺきな人間などいるはずもなく、限られた情報の中で、限定合理的に行動した結果であることを念頭に置く必要がある。
・ウェーバーの価値自由原理である、ヒト/モノ/カネを効率的に利用できているかという効率性の問題と、価値の問題は分けて考えるべきというのはなるほど。そして、効率的なものが常に正当であるということにはならないというのも納得である。
・戦時において、成功した体験は、なかなか否定できない。実績が一度伴うと、それに寄りかかってしまう。必要な時には自己否定ができることが良いリーダーであり、その場合でもスピード感を持って判断できるようになるべきである。この判断のためには、大局観を持ち、真実に目を向け、新しいことを生み出そうとする思考が重要である。
・部下たちの面倒をこまめに見ることが、指揮官への信頼と親近感を増幅させる。
・これらを成すのは、体力と健康である。
Posted by ブクログ
本書は多くのビジネスパーソンに愛されている野中郁次郎の代表作「失敗の本質」の続編にあたる。前作がいわば状況の
分析を通じて、日本軍という組織の特徴を洗い出し、その延長線上として日本式の組織と米系組織の退避を行うといった構造だったのに対し、本作はより直接的に、その組織でリーダーシップを振るっていた人間の分析を行おうとしている。これは野中の興味関心が組織そのものから、後年になるにつれてよりリーダーシップに移っていたことを反映しているだろう。
ただし本書の場合、野中一人で書いているのではなく実質者が複数にいるということで、ややテーマがぼんやりしてしまっているところがあるのは否めない。また、前作はかなりの時間をかけられて執筆されたことが伝わってきていたが、今作については出版社の企画ありきだったと思えるようなところもあり、完成度としては世の中の本の中では低い方に入るだろう。
特に第三章「リーダー像の研究」は、著者の思い入れがある人物を対象としたのか、取り上げられている石原莞爾も山口多聞も、神聖化されすぎている嫌いがある。
これでは研究というよりもむしろファンブックという感じで、かなり強引だったというのが本音だ。
もし、野中の後期の他の本を手にしていないのであれば、本作も読む価値はあると思うが、この代表作を既に手に取っているのであれば、無理して読む必要はないと感じてしまった。
Posted by ブクログ
フランスが犯した失敗の本質を的確にした指摘した上で、物は、祖国フランスの救済策を次のように書いている
強くなること
敏捷に行動すること
世論を指導すること
国の統一を保つこと
外国の政治から世論を守ること
祖国の統一を撹乱しようとする思想から青年を守ること
治めるものは高潔のある生活をすること
汝の本来の思想と生活方法を情熱的に信じること
戦時体制のアメリカ政府は、統合参謀本部を始め、軍のポストに多くの民間人を起用した。それが知のバラエティーを豊かにし、組織にバランス感覚を植え付けたのだ
学校での成績が重視される10日システムに象徴されるように、日本軍の組織人事は極めて硬直的なものであった
羽を和ませ、気分を一新させる場合、ジョークやユーモアも必要だ。いざと言う時、こうした知の潤滑油を使うことができるかどうか。
失敗からいかに学ぶかこれは軍隊に限った課題ではない。贈収賄や談合、粉飾決算、個人情報流出問題等と、今なお企業不祥事が後を絶たないのは、組織の失敗の拡大再生産と言う負の連鎖に陥っているからだ