岩田健太郎のレビュー一覧
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予防接種について研究結果、統計などの事実を提示し、考え方を伝える本。
日本やアメリカで行われてきた予防接種の多々の事例を紹介しながら、予防接種に対する考え方を伝える。
予防接種を受けることで、受けた自身だけではなく、その人がいる集団の疾病も予防することが出来る、という話などがある。
予防接種についての詳細は読めばわかるが、本書ではそれ以上に伝えたいことがあるように感じた。
それは、事実に基づいて考え、状況が変われば意見も変わってしかるべき、ということ。
日本の戦後間もない頃には衛生状況も悪く、多少の副作用に目をつぶっても集団での強制的な予防接種が必要だった。
現代では衛生的で栄養も十分にあることが当たり前なので、あまり深刻な流行り病にかかることは少ない。
そのため、ごく少数の副作用が注目され、それによって予防接種を行ったことが悪とされる。
本書にあることで大事なことは抜けてもいるが、時代の移り変わりとは大体こんな感じだった。
このように時代背景によって考え方は変わるのだから、それに応じて柔軟に考えなくてはいけない、ということを伝えたいように感じた。
多くのことに対してこれは言えるだろう。
著者は日本社会に対して考え方の予防接種を行いたかったように思う。 -
Posted by ブクログ
情報が溢れる現代、食と健康に関する
本が多いがその内容を鵜呑みにしては
ならないと著者は指摘。
要注意は以下3つ
❶こうすればがんが絶対治る、〇〇を食べればにならない等、極端な効果を謳うものには注意
❷個々のエピソードを過度に一般化する等、
極論に飛躍した言い回し
❸引用文献を示していない。示していても断言出来ないようなデータを引用。何となくイメージでネット情報より書籍の方が信頼度高いと思っていましたが、そうでも無さそうという事を本書から学びました。次から読む健康・栄養系の本の見方が変わりそうです。
【その他の学び】
食べ物が関わる研究論文のデータは絶対ではない。調味料、調理法、食べた量と時間、運動量など色々な交絡因子が絡みあっている。結局どの要素が問題だったのかはっきりしないことも多い。/栄養学や医学の研究が進めば、2002年に分かったアクリルアミドのように更なる発がん性物質が見つかるかもしれない→どんな食事であれ、単一の食事法に固執するのはハイリスク。 -
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2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。
内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今世紀に入ってからの日本の教育が間違っていると言及しているところが内田さんセレクトらしくていいし、実際にその通りだと感じます。
近代に入ってから特徴的なのは膨大な富を得た後に残る負債を残らず次世代に押し付けるところ。これを明確にあぶり出したのがコロナで、コロナがあってもなくても次世代の若者たちは老人たちのケツを拭きながら生きる羽目になります。そのことに若者たちと、おそらく現役世代に含まれる私たちがどう向き合って生きなければならないのか、時代のまさに転換点に生きているということを感じさせる本でした。
特にキューバを例とした無料医療に言及した三砂ちづるさんの章が勉強になりました。ということでゲバラの若き日の旅路を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」も併せてお楽しみください。この映画はすごくよかった。本も出てる。
あ、あとバランスを取るために武田邦彦の「君が地球を守る必要はありません」もどうぞ。 -
Posted by ブクログ
少子高齢化社会でも経済成長を続けることは、お米が足りないのにおにぎりをもっと作れって言ってるようなものなのかな。無理よね。
まず、無理を認めること。
それから、資本主義社会の外の世界があることを知り、体験し、その世界の間でバランスをとっていくことが鍵だと思った。
・大切なことを持続させるために、我々はこれまでの手法からの撤退を学ぶべきなのである。
・社会の内と外、此岸と彼岸、文明と自然、常識と非常識などなど、二つの原理を行ったり来たりすることで、問題を「なんとなく」暫定的に解決する。これが地に足を着けることである。
・現代における下野とは、他社のニーズを全く気にせず、とにかく徹底的に主観を認めることだと言えます。
・僕らが生きている時間の中には、大きく分けて二つの相があります。ひとつは必ず前に進む「文明の時間」、もうひとつは循環し回帰する「自然の時間」です。猫には、循環する時間だけが流れているのです。彼らにら「進歩」の概念がない。
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Posted by ブクログ
コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが、話し合い、過ちを認め合うことが「分断」から「結束」への橋渡しになると思った。