感染症は実在しない(インターナショナル新書)

感染症は実在しない(インターナショナル新書)

1,078円 (税込)

5pt

4.0

インフルエンザは実在しない! 生活習慣病も、がんも実在しない! 新型コロナウイルスに汚染されたクルーズ船の実態を告発した、感染症学の第一人者が語る「病の存在論」。【著者まえがきより】え? 「感染症は実在しない? お前は今、新型コロナウイルスと取っ組み合って、クルーズ船にまで乗り込んだじゃないか! クルーズの感染防御が間違ってたとか言ってたろ? あれはデタラメだったの?」そういうご意見もあるかもしれません。 いえ、むしろ2020年のコロナウイルス問題にこそ、本書のような考え方が必要なのです。感染症は「実在」しない。あるのは微生物と我々の「みなし」だけです。だから、検査が必要な人と不要な人が出てきますし、その検査がしばしば間違ったりします。PCRをやっても不毛な事が多いのは、ウイルスがいてもPCRが陰性のことが多く、仮にウイルスがいてもそこには「病気」がなかったりするためなのです。詳しくは本書をお読みいただければ、この複雑なからくりはご理解いただけることと思います。個々の感染症や、感染症のアウトブレイクを理解するには、そのような「現象そのもの」のイメージが必要です。イメージ喚起力がないと、「感染がある」「ない」といった見解を(検査が「陽性」「陰性」といった間違った根拠で)デジタルに捉えてしまいます。デジタルに感染症と対峙すると、できていないゾーニングも「ちゃんとやっている」と錯覚します。ゾーンを作っても、そこに存在するウイルスがイメージできなければ予防はできないのです。これは、感染症の本質を知悉(ちしつ)していないとイメージできない。非専門家の方にどのように伝えたら、このゾーニングの失敗をイメージできるか。かつて、ぼくはあるインタビューで、「下水道と上水道が混じっていて、その水を人が美味しそうに飲んでいる感じ」と述べました。ゾーニングの失敗とはこのようなものですが、ウイルスは目に見えないし無臭なのでぼくが感じた恐怖感が追体験されないのです。※本書は2009年『感染症は実在しない 構造構成的感染症学』(北大路書房)を底本にしました。

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感染症は実在しない(インターナショナル新書) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年05月05日

    本書での主張は言われてみれば最もだなーと思った。
    患者の立場(医者ではないという意味で)で言えば、自分がこれからどう生きたいか、をちゃんと考える必要がある。
    自分はできるだけ元気な状態で長生きしたいので、健康診断も受けて、かかりつけのお医者さんのアドバイスを受けて、予防できる事象(「こと」としての病...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月10日

    コロナ禍で生活が一変した時、私はずっと「新型コロナウイルスは存在する」という考え方をしていたのでとてもしっくりくる内容です。
    以前『ベロニカは死ぬことにした』という精神病院が舞台の本を読んで、健常とは何だろう?とめちゃくちゃ考えさせられたので、病気の診断はあくまで便宜上のものにすぎない、そして人は多...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年07月28日

    新型コロナウィルスのパンデミックの昨今において、ニュースなどで話題になった医師、岩田健太郎氏の著書です。

    この本の題名を見ると、「コロナウィルスに関しての本かな?」と早合点してしまいそうですが、実際にコロナウィルスに関して述べられているのはあとがきの数ページのみですので、その方面でこの本を検討され...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月26日

    ご存じ感染症医・岩田健太郎先生のセンセーショナルなタイトルの本「感染症は実在しない」を読んでみました。この本2009年に「感染症は実在しない 構造構成的感染症学」として出版されたものを改版してCOVID-19にあわせて出版しなおしたもの。柳の下のドジョウ・・・かもしれませんが、読んでみると医療におけ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月27日

    2023年31冊目。満足度★★★☆☆

    著者はあのダイヤモンド・プリンセス号に乗り込んで有名になった岩田健太郎氏(神戸大学医学研究科感染症内科教授)

    本書の第一稿が書かれたのは2008年。新型コロナ発生後、新装版として2020年3月に発刊されているが、内容は特に変更を加えられていない模様だ

    医師...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2020年05月21日

     

    本書の主張はいたってシンプルです。「病気は実在しない,現象である」(p.307)。基本的にはこの1点を主張するためだけに様々な事例が引っ張り出されます。ですので,本書を読み解くためには,「実在」および「現象」をきちんと押さえる必要があります。

    「実在」とは意識から独立して存在するもの,あるい...続きを読む

    1

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