岩田健太郎のレビュー一覧
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あえて言いますが「また同じことが書いてあります」。
基本的に内田さんも岩田さんも以前どこかでおっしゃっていたことを繰り返し語られています。
違うのは取り上げられている事象の方。
でもそれは当たり前のことではないでしょうか。
ある人の考えは様々にバージョンアップされたり、改変されたり、脇道へそれたりとするでしょうが、その本質的な部分で大きく変わることは(あまり)ないと思います(むしろ本質的な部分がころころ変わる人は信用できないでしょう、きっと)。
一方で現実は目まぐるしく変化する。今回主要なテーマである「コロナ禍」は、現実がいとも容易く一変するということを残酷なほど分かりやすく僕らに突きつける -
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医学用語でゲイの人達をMSM(・・・Men who have Sex with Men)って言うらしいけど、こういう医学用語がゲイ側にしか無い理由が、男性間性交が一番性感染症リスクが高いかららしいね。レズビアンセックスは組み合わせ的に一番性感染症リスクが低いから言葉すら無いんだと思う。
性感染症で不妊になることもあるらしい。その性感染症が無症状で気が付かないとかもあるらしい。
岩田 健太郎
島根県生まれ。島根医科大学卒業。沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を -
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(2022/1/8)
2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。
日本の知性が集結している。多くの方が参加している。
読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、
もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。
この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。
私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。
一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮 -
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現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。
撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを -
ネタバレ
・粉ミルクは牛の乳を濾過、脱脂、加熱殺菌、成分調整、乾燥させて作る→
ここまで厳密な品質管理を行っても、完全なる無菌状態にすることは困難→
対して母乳の場合、ウイルスの母子感染があり得るし、
麻疹、結核、単純ヘルペス感染などは授乳時に感染が成立する。それぞれが一長一短だ。
・微生物の世界では、楽観で始まる見解は、たいてい悲観的に終わるとされている。
・患者が訴えないからといって、症状がないとは限らない。
・結核に罹患→体重減少→貧血で顔は白っぽくなる→熱で頬に赤みが差す→
消耗で眼の周りの肉が落ちて、大きなつぶらな瞳になる→ぼーっとしていて眼のうるうるした美人になる→
ボッティ -
ネタバレ
・感染経路を遮断すること「そのもの」が感染対策。
・「みんなで一つの病気」だったり、「一つが様々な病気」。
・スタート地点は常に「現象(病気)」であって、微生物ではない。
・入院している人は皆、身体が弱っている→医療行為そのものも院内感染のリスクを増やす→
医療行為を止めるわけにはいかない。元の病気を治さなければならない→
「院内感染」をゼロにすることはできないが、少なくすることは出来る→
・抗菌薬は微生物を殺すが、その目的はあくまでも感染症の治療にある。
・抗菌薬は感染部位に到達しなければ効かない。
・抗菌薬は感染症の原因微生物「だけ」を殺し、他の菌はできるだけ殺さないのが望 -
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要するにワクチンとはシートベルトのようなものです。シートベルトをしたからといって交通事故に遭わないとか、交通事故で死なないことを保証するものではありません。シートベルトをちゃんとしていても交通事故で亡くなる不幸な人はいるでしょう。しかし、そのような例でもって「シートベルトなんていらないよ」と断じてはいけないのです。
今の世の中に1番必要な文章はここだろうな。
予防接種の歴史が一気に学べます。
その時代によってリスクの比較や医療態勢・環境、知見は変わるので、常に今を考えていかなければ。
過去を知らないと同じ過ちを繰り返しても気づけないし、何がどう整備されていったかを理解することで今の態勢の理解が -
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私は専門知識がないから判断が難しいと感じる物事がたくさんあるのですが、こういった中庸的で1つ1つの物事に対してどうかという考えを書いてくださる医者の方は稀有なので貴重です。
結局「私はこう思う」とか「現在はこう考えられている」という物事が世の中にはたくさんあって、そんな中で人間も1人1人が違うから、自分の答えを自分で見つけていくしかないと考えているので、非常に参考になる本でした。
自然免疫は天性の免疫能力。
自然って言葉って広義な言葉で、認識の齟齬が生まれやすい言葉だと思う。
私はなんなら人工的や科学的なものですら、人間たちが自然と作り上げたものだからある意味自然だと思ってる。
無農薬野菜 -
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「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。
そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。
この「まえがき」と白井聡と -
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コロナ禍で生活が一変した時、私はずっと「新型コロナウイルスは存在する」という考え方をしていたのでとてもしっくりくる内容です。
以前『ベロニカは死ぬことにした』という精神病院が舞台の本を読んで、健常とは何だろう?とめちゃくちゃ考えさせられたので、病気の診断はあくまで便宜上のものにすぎない、そして人は多かれ少なかれ思い込みというものがあり、状態を正しく判断するのはとても難しいものであるという意識がありました。
そんな意識で世の中を見ていると、現象が先にあって、後から人が名付け、定義しているはずなのに、自分なりの言葉の解釈で判断をし、当てはめようとするからグチャグチャになってるなと感じることが多々あ -
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た -