岩田健太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜ、PCR原理主義に反対なのか、事前予想とベイズ定理を使って説明している。
PCR検査を実施し、陰性が出ても、そのうち3割は偽陰性(本当は感染している)、他方、陽性が出ても、そのうち一%は偽陽性(本当は感染していない)。
偽陰性が出る方を「感度」と、偽陽性が出る方を「特異度」とそれぞれ言う。感度と特異度の関係はそれぞれトレードオフの関係にあり、感度を下げようとすると特異度が上がり、特異度を下げようとすると感度が上がる関係にある。
以上の特性を踏まえて、PCR検査の結果によって陰性、陽性を決めるというの非常に危ない。PCR検査は医師の判断の一材料であって、医師の診断のもと陽性陰性が最終的に判断される。
患者の聞き取りに基づく患者の状況及び環境に基づき、医師が患者の感染可能性を事前に予測する。その予測に基づき、概ねの診断をして、検査の実施の要否やあるいは現場での処置等を判断するこれがベイズ定理の考え。
ワクチン接種に優先順位を作つけることの問題については、優先順位をつけることによってワクチンの在庫に無駄が生じてしまうことの危険性について言及。すなわち100本のワクチンがあって、90人の第一次優先接種者がいた場合、効率よく第二次優先接種者に摂取できない場合、残りのワクチンを無駄にしてしまう恐れがある。優先順位をつけずに、手元のワクチンの数の上限まで接種するのが、集団免疫にもっとも近道という考え。
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Posted by ブクログ
この本、4月に出てたんですね。
その時点で読んでいたら、もっと意識が変わっていたかも。
新型コロナウイルスに限らず、感染症とどのように向き合うべきか、について、やさしく説明してある本です。
感染症拡大を防ぐためには、限られたリソース(医療関係者や専門家)を有効に使う必要がありますが、そのためには、感染症の広がり方(感染の仕方)を踏まえることが大切。
新型コロナウイルスの場合は、飛沫感染と接触感染だけ、と考えてよいそうで、その点を考慮した対応で十分、とのこと。
その際、感染しないためには、手指消毒(手洗い)が最も有効で、(通常の)マスクは無意味、とのこと。
マスクは、自分が感染者の場合に、周りへの感染を防ぐ意味では効果的ですが、周りに感染者がいる場合に、自分の感染を防ぐには無意味、とのこと。
確かに、マスクは、昔は、そのような場合に限って使われていたように思います。
現在のように、予防のためにマスクが使われ始めたのは、SARSが流行ったぐらいからだと記憶していますが、実は、予防のためのマスクは、無意味なのだそうです…。
その他にも、感染症拡大を防ぐために大切なことが、いろいろと書かれています。
それらを読みながら、自分の誤った認識を反省しました。
が、誤まった認識があれば、修正していけばよいと、この本にも書かれています。
新たな事態に直面して、最初からすべて正しく対応するのは、そもそも無理な話で、より適切な行動ができるよう、間違いが判明したら、どんどん修正していけばよいのですから。 -
Posted by ブクログ
買ってみたはいいけれど、果たして、TVのニュースや情報番組以上の有益な情報はあるのかと疑問がありました。
結果は読んで大変よかったと思います。
3月23日時点での情報なので、現実と違う部分もありますが、この本に書いてある通り、信頼できる情報は大切だと思います。
著者のおっしゃっていることは事実だと思いました。
第一章「コロナウィルス」って何ですか?
・PCR検査で陰性でもウィルスがいないという証明にはならない。
第二章あなたができる感染症対策のイロハ
・メインの感染経路は二つ
①飛沫感染
②接触感染
「ウィルスがどこにいるのかわからない」のなら「どこにでもウィルスがいる前提で考える」
どこかを触ったらアルコールで手指消毒をする。
・又、ウィルスは熱湯で死ぬので、感染者が脱いだ服は熱湯に漬けて5分くらい置く。
その後は普通に洗濯して大丈夫。
・免疫力を上げる方法はワクチンのみ。
・感染していない人はマスクは不要〈※これは理解しがたかったです)
・家族がコロナだと診断されたとき、大事なのは、手指消毒。患者がマスクをすること。服は熱湯に漬ける。
・8割の人は良くなるので罹ったからといってあまり悲観しない。(※でも、2割は重症化するのですよね)
・感染を完全に回避する方法は家に引きこもること。
(でも、これは一種の病気だそうです)
第三章ダイヤモンド・プリンセスで起こっていたこと
・クルーズ船は感染症に弱いのは昔からの常識。
・紙で同意書を取って検察官が感染してしまった。
・感染対策のプロは「自分は絶対感染しない」という安全性がか確認されて、初めて現場へ入る。
・SARSのときは「水際作戦」が成功したのではなく、日本は運がよかっただけ。
・感染症の対策は、感染症の専門家がやるべきであって素人が手を出すところではない。
第四章新型コロナウィルスで日本社会派変わるのか
・パンデミックというのは「押さえ込めない」という意味。「押さえ込んだ国」なんか一つもない。
・しかし風邪みたいなものでは全然ない。
・水際作戦はそもそもうまくいかず、国内に入ってきてしまった。
・まず、重傷者を中心に検査する。入院が必要な人に検査を絞る。
・新型コロナウィルス対策の第一歩は信頼できる情報を集めること。
・入門編としては厚生労働省のウェブサイト。一番間違っている可能性が高いのはTV。上級者は海外のメディア。
第五章どんな感染症にも向き合える心構えとは
・「安心」を求めないで「安全」を目指す。
・「勇気」と「愚行」を履き違えない。
・自分の間違いをすぐに認めて前言撤回できる。 -
Posted by ブクログ
ダイヤモンドプリンセス号の感染対策に関わり、北京ではSARS。アフリカではエボラ出血熱の臨床を経験された神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎さんの本です。
「どうやったら、コロナに感染するリスクを下げることができるの❓」
という問いに対しても、分かりやすく答えてくれる本です。
それもあるんですが、本質的には
コロナウィルスあるいは感染症。あるいは、問題というものに対して、我々がどう対峙するのか。そのことこそが、問われている本。それは、第5章の目次だけでも見ていただければ、理解していただけるのではないかと思います。
第5章
どんな感染症にも向き合える心構えとは
・「安心」を求めない
・「勇気」と「愚行」を履き違えない
・「ぶれる」ことを許容する
・知性を信頼する
・考え続ける
リスクを低くするための「安全」には貢献してくれるが、これをすればリスクがゼロだと思える「安心」を提供する本ではないところが、この本の1番素晴らしいところです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ簡潔でわかりやすい内容。
分量も多くないのでスラスラ読めます。
コロナに関して、医学的に最低限知っておいた方が良いことが網羅されてると思います。大事なのは「マスク」ではなくて、「手洗い」と「距離」。
あと、厚労省の体質もしっかり描かれている。
ダイアモンド・プリンセス号のYoutube動画は観ましたが、こんな背景があるとは知りませんでした。まさか、筆者が2時間で現場から追い出されてたとは・・。
ダイアモンド・プリンセス号の中が筆者の書いた通りだとしたら「大失敗」としか言えない。それを成功と呼べる神経は、まさに「幻想」を「現実」と思い込むことを繰り返し続けた末に構築されたものなんでしょう。そんな人たちが、現在なお進行中のこの危機に対して、適切な対策を行えるとは思えない。20年以上前の薬害エイズのときから何も学んでない。
マックス・ウェーバーが言うように、官僚システムでは公共の利益ではなく所属省庁の利益にまい進することになる。しかし、「過ちを認めない」のは、日本の官僚独自の特徴だと思う。先の大戦のときから本当に何も変わっていない。「反省」をしていないので。
メディアに関しても少しだけ書いてあったが、「事実」ではなく「願望」を報道する、というのはその通り。大戦時の大本営発表と同じ体制を、メディア自身が現政権と協力して作り上げたわけだし。
コロナ対策として個々人で何をすべきかは、この本を読めばほぼわかると思いますが、日本社会全体を改善する道は、筆者が最後に書いている通り、これからも「考え続けていくしかない」と思います。