岩田健太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜ、PCR原理主義に反対なのか、事前予想とベイズ定理を使って説明している。
PCR検査を実施し、陰性が出ても、そのうち3割は偽陰性(本当は感染している)、他方、陽性が出ても、そのうち一%は偽陽性(本当は感染していない)。
偽陰性が出る方を「感度」と、偽陽性が出る方を「特異度」とそれぞれ言う。感度と特異度の関係はそれぞれトレードオフの関係にあり、感度を下げようとすると特異度が上がり、特異度を下げようとすると感度が上がる関係にある。
以上の特性を踏まえて、PCR検査の結果によって陰性、陽性を決めるというの非常に危ない。PCR検査は医師の判断の一材料であって、医師の診断のもと陽性陰性が最終的に -
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Posted by ブクログ
この本、4月に出てたんですね。
その時点で読んでいたら、もっと意識が変わっていたかも。
新型コロナウイルスに限らず、感染症とどのように向き合うべきか、について、やさしく説明してある本です。
感染症拡大を防ぐためには、限られたリソース(医療関係者や専門家)を有効に使う必要がありますが、そのためには、感染症の広がり方(感染の仕方)を踏まえることが大切。
新型コロナウイルスの場合は、飛沫感染と接触感染だけ、と考えてよいそうで、その点を考慮した対応で十分、とのこと。
その際、感染しないためには、手指消毒(手洗い)が最も有効で、(通常の)マスクは無意味、とのこと。
マスクは、自分が感染者の場合に、 -
Posted by ブクログ
買ってみたはいいけれど、果たして、TVのニュースや情報番組以上の有益な情報はあるのかと疑問がありました。
結果は読んで大変よかったと思います。
3月23日時点での情報なので、現実と違う部分もありますが、この本に書いてある通り、信頼できる情報は大切だと思います。
著者のおっしゃっていることは事実だと思いました。
第一章「コロナウィルス」って何ですか?
・PCR検査で陰性でもウィルスがいないという証明にはならない。
第二章あなたができる感染症対策のイロハ
・メインの感染経路は二つ
①飛沫感染
②接触感染
「ウィルスがどこにいるのかわからない」のなら「どこにでもウィルスがいる前提で考える」
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Posted by ブクログ
ダイヤモンドプリンセス号の感染対策に関わり、北京ではSARS。アフリカではエボラ出血熱の臨床を経験された神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎さんの本です。
「どうやったら、コロナに感染するリスクを下げることができるの❓」
という問いに対しても、分かりやすく答えてくれる本です。
それもあるんですが、本質的には
コロナウィルスあるいは感染症。あるいは、問題というものに対して、我々がどう対峙するのか。そのことこそが、問われている本。それは、第5章の目次だけでも見ていただければ、理解していただけるのではないかと思います。
第5章
どんな感染症にも向き合える -
Posted by ブクログ
ネタバレ簡潔でわかりやすい内容。
分量も多くないのでスラスラ読めます。
コロナに関して、医学的に最低限知っておいた方が良いことが網羅されてると思います。大事なのは「マスク」ではなくて、「手洗い」と「距離」。
あと、厚労省の体質もしっかり描かれている。
ダイアモンド・プリンセス号のYoutube動画は観ましたが、こんな背景があるとは知りませんでした。まさか、筆者が2時間で現場から追い出されてたとは・・。
ダイアモンド・プリンセス号の中が筆者の書いた通りだとしたら「大失敗」としか言えない。それを成功と呼べる神経は、まさに「幻想」を「現実」と思い込むことを繰り返し続けた末に構築されたものなんでしょう。