岩田健太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
EBMの普及に伴い感染症学が大きく進展していること、それに伴い陳腐化しつつある従来の抗生物質の使用方法について、歴史社会的視点もふまえつつ批判し、新しいパラダイムへの切り替えを提唱している。
昨今では筆者の提唱するごとく、感染症科を設置し、抗生物質の適正使用をコントロールしている施設も増えているようであり、今後は常識になりそうだ。
具体的な抗生物質の使い分けノウハウについてはセフェム第三世代を主に取り上げているが、これは現場向けというよりは一般向け新書向けのひとつの実例提示だという印象。現場で使うために「抗菌薬の考え方、使い方」(共著、中外医学社)を別途購入してみた。
標題はややポレミッ -
Posted by ブクログ
とてもわかりやすく、ワクチンの問題点と効果について書かれた本だった。
ワクチン嫌いの人は私の周りにもいて、効かないから、とか、副作用が、あるいは、かかったほうが強い免疫が得られるから、という声が聞かれる。
それにどう答えてよいものか、私も確信がなかったのでこの本を手にとった。
筆者はこの本を通して、ワクチンは長い間を掛けて、確実に病気を減らしてきたこと、効果があることを述べている。
また、効かないと主張した「前橋レポート」に関しても、その熱意は認めながらも説得性に反駁している。
歴史的なワクチンの成功・失敗を挙げながら、長年にわたりワクチンが果たしてきた効果を知ると同時に、現在も残る問題点 -
Posted by ブクログ
ネタバレ教授でありながら、講演や執筆活動など、とても多忙にしている作者。どのように多くの仕事をこなしているのか疑問に思い購入。押し付けるわけではなく、フレキシブルに記載されている。納得のいく内容であり、3回通読。
自分は忙しい、時間がないと思っていたが、自分のせいで忙しく、自分が時間を作っていなかった、ということがこの本を読んでよくわかった。いつも締め切りぎりぎりまであたふたしていたが、のってるときに仕事を仕上げ、本書を参考に時間を作っていきたい。そして、慈しむ時間を作っていきたい。
職場では立場的に読まれない報告書の作成など無駄な仕事がまわってくる。うちの大学でもこの本を参照に無駄な仕事を減らそうと -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を読み進めて、やっと第5章や最終章で、筆者のいいたいことが伝わってくるようになる。読み始め 前半はやや冗長で、退屈な面もあった。現状批判がこれでもかと並ぶので、その物事両断的な筆致は賛成しかねる点もある。ただP.34の「主体性とやる気は違う。ぼくはそう考えている。 やる気はだれもが持っている。」との記述にドキッとさせられた。これは男子サッカーのラモス批判などに繋がっていくことになる。
後半になって主体性とはなにかとの意見が形となってくる。それは自律性と周囲との調和性ということらしい。自律性は主体性のいいかえに近いので我を通したり逆に怠けたりしない周辺調和が大切ということか。さてこれを社会人指