岩田健太郎のレビュー一覧
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ネタバレ
本書の主張はいたってシンプルです。「病気は実在しない,現象である」(p.307)。基本的にはこの1点を主張するためだけに様々な事例が引っ張り出されます。ですので,本書を読み解くためには,「実在」および「現象」をきちんと押さえる必要があります。
「実在」とは意識から独立して存在するもの,あるいは,「現象」の背後にある実体を指します。「現象」とは意識できる出来事です。「コミュ障」で考えてみましょう。「コミュ障」とはコミュニケーションがうまくとれない状態,転じて,そのような人物を表す言葉です。たとえば,異性とうまくコミュニケーションがとれなかったときに,言い訳として「私,コミュ障だから」とい -
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糖質制限は体に合うか合わないか。
トランス脂肪酸や人工甘味料、着色料、農薬、化学肥料。
年に1~2回添加物をとっても健康被害は起きない。
トンデモ本の特徴
極端が多い、西洋医学は信用できない、化学では説明できないこともある。
真のサイエンティストは、科学で説明できないなら、もっと検証しよう、となる。
自然治癒力、日本古来の、古代からの、自然免疫力、抗酸化作用、などのキラキラワード。
ビタミンCで風邪の治りがよくなる、ことはない。ただし定期的な摂取で風邪の期間が短くなる可能性はある。
実験室データでは、活性酸素がガンの一因になっている。ビタミンは活性酸素を阻害する。ただし実験室と人間の体は -
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・時間は上手に使うためには「今一番やりたいことを、やる。自分の気持ちに素直に行動していれば、それはプライオリティー・リストからそんなに逸脱するものはありません。」とのこと……。
教育者養成セミナーなどでアンケートをとると、ほとんどの人は「仕事は、緊急性と重要性がより高いものを優先的にやります。」と答えるそうです。しかし、著者の岩田健太郎さんは「こういう原則を固定的に運用させても、時間は上手に使えないのではないかと思います。」と書いています。
岩田さんの結論は「今一番やりたいことを、やる」だそうです。「自分の気持ちに素直に行動していれば、それはプライオリティー・リストからそんなに逸脱する -
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リスクコミュニケーションというけれど、言われている内容はふだんの仕事においても求められることではないか、と思った。会議においては、必ず異論を言うチャンスを十全に提供する、とかね。俺自身の仕事関係でも、ときどき感じることだけど一枚板というのは実は怖いものであって、みんな黙って従っているようにみえて、異論があった場合、いざ行動に出る場面で動きが鈍くなる。会議とかで異論続出した場面を経て、お互いが納得する形をつくってはじめて、行動する場面において協力して行動することができる。その過程を経ないから、上意下達とか、先輩後輩とかいって、黙って命令にしたがえ、とか、一方で言われたことしかできない的な不満が出
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ダイヤモンド・プリンセス号に乗船し、すぐ退去させられた感染症の専門医であり第一人者の岩田健太郎教授が、新型コロナウイルスについて、それからダイヤモンド・プリンセス号における顚末、日本の感染予防のあり方について語った本。
新型コロナウイルスについては、まずは飛沫感染と接触感染の予防が重要だ(空気感染は考えにくい)という見方を知ることができて、業務上の、そして私生活上の感染予防の指針を考えることができたことが、一番の収穫。
お役所仕事や、同調圧力についての見方は、個人的には共感するところだったけど、価値観が相入れない人、どちらかというと批判対象の立場に近い人には、認めがたいだろうし、読んでて面白く -
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「もやしもん」が流行っていて、関連絵本とか、ぬいぐるみとかあった頃、買って読んでいなかった本。
時節柄読んでみたら、なんと、今を時めく、イワケンこと、岩田健太郎先生のご著書でした。
感染症全般について、広く、浅く、駆け足で書いてある。医者に抗生物質もらった時、どんなんだっけ、とか見る役には立ちそう。
細菌の感染症の話がメインで、ウイルスはちょっとしか出てこない。コロナは名前も出てこない。
はじめの石川雅之のマンガで、イワケンいつもTwitterでケンカしてると書かれている。この本、2015年の本なんだけど、その頃からそうだったのね。
この後、J -IDEOっていう雑誌出してるんですね。もやしも -
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健康には程ほどの自信があった。程ほどとはたまに風邪を引くことくらいだった。10年ほど前に山登りを強行して心房細動になり以後数回の病気で、健康について遅まきながら考えるようになった。
家族の食の管理も見直すのがいいかなと、すこし関心が出てきたのでこの本を読んで見た。
題名が日ごろの考えに近いこともあって、同意できることが多かった。
今まで新聞の派手な見出しで「~すれば癌はなおる」「この食べ物で体質が変わった」
臨床データもなく大声で主張するこういう類の本は読まなかった。
この本では第二章に、健康「トンデモ」本というところで述べられている。
「極論が多い」「科学では説明できないこと -
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岩田健太郎×「もやしもん」ということで思わず手にとる。しかし、なんでこんな感染症について薬や症状や微生物やと詳しく淡々と総説した本を読んでいるのだろうか。ただ、ひとつ言えるのは、その道の達人が道について説くのを聞くのは、だいたいそれがどんな道であっても面白いものだ。
PK/PD理論
PK 薬物動態学、投与した薬がどれくらい血液中に入っていくか
PD 薬力学、感染部位に達した薬がどれくらい微生物を殺すか。時間依存性の抗菌薬と濃度依存性の抗菌薬とがある。時間依存性なら頻回投与、濃度依存性なら1日1回とかで
ピペラシリン。日本の添付文書は審査当時の問題で投与量が少なすぎ。これに他の薬を合わせてそ -
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内容は中高生(高校生?)向けの性教育。
医者だし性感染症の知識と防衛策についてがメインかなと思ったら,そのかなり上を行っていて,「絶対恋愛」という恋愛論を展開していく。一人を一生涯愛し続け,自分より相手を優先するべし,と。
感染症のリスクを極小化するには,感染源との接触を断てばよいのは自明の理。性感染症も同じで,リスクをなくすには,誰とも一切の性的接触をしなければいい。しかしそれでは人生つまらない。
性愛は悪いものではなく良いものだ。抑えられない衝動もあるだろう。
そこでその相手をただ一人の人に限って,誠実におつきあいをするなら,その愛の価値はいっそう高まるし,おまけに性感染症のリスクも低く抑