坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    様々な時代、年齢の登場人物、そして豪華なメンバー作家で贈られる短編集。じわっと怖いものから真に迫る恐怖まで。個人的には「浮遊する水」「影牢」「集まった四人」「山荘奇譚」が好きです。8編あるのでどれか一つは好きになる話があるんじゃないでしょうか。姉妹本もあるのでそちらも読んでいきたいと思います。

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    2025年11月13日
  • 鬼に喰われた女 今昔千年物語

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    今昔物語を基に書いた作品。
    元ネタを知っているもの、知らないものどちらもあり、知っているものについては、作者の手にかかればここまで話が膨らむのだなと。
    自分的には好きな膨らませ方でした。
    作者はもうお亡くなりになっていて、彼女の作品がなかなか手に入らない。
    今回新品で購入することができてラッキーでした。

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    2025年02月08日
  • 狗神

    購入済み

    もっと評価されて良い名作。

    初版時に読みました。電子で再読しようと購入。

    映画化もされています。宝塚を退団して間もない天海祐希さんが、一世一代の《エロス》に挑戦していて、原作同様、もっと評価されて良い名画でした。

    著者の「日本の古い因習に囚われた地方社会」を描いているのですが、単純におどろおどろしい話を書くのでは無く、そこに現代的な視線を当てて書いているので、読んでいて単純に恐がると云うより『日本史の陰には、こういう因習が在ったのかぁ』と、勉強している様な気分にも成り、よくある「怖い話」よりも文学的な、歴史学的な香りがあります。
    『死国』もそうですが、読後考えさせられるものが残ります。

    #ドロドロ #ダーク #切ない

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    2024年09月08日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ

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    2024年06月28日
  • 狗神

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    ネタバレ

    どこで買ったのか記憶にはないがそこそこ最近手に入れたはずの本。
    昔は角川ホラー文庫をよく読んでいたものだが、最近はあまり読んでなかったので久しぶりのゾクゾク。

    帯に『「血」の惨劇が幕をあけたーー』とあるので、村人全員滅びるとか狗神に食い散らかされるとか狗神の狂気が村人に伝染して殺戮の宴が…!
    という展開を予想していたのだが、特にそんなことはなく、いや、死者はとんでもない人数になってはいるけど、津山三十人殺し的なことではなかった。紙漉きを生業にする女性が淡々と暮らしていく日々が描かれていき、あんまり血の惨劇感はないなぁ、と改めて見直したら… 『「血」の悲劇』だった。
    「血」… そういうことか!

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    2024年05月09日
  • 死国

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    やはり★5!!
    新品が売ってたので、新品で再読したいと思い購入。
    やっぱり坂東さんはゾワゾワと怖いです。
    石槌山とか死ぬまでに一目見てみたい。
    サヨリちゃんのお父さん。。無念でござる。

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    2024年04月07日
  • 蛇鏡

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    古代史と日本古来の信仰に翻弄される運命を描いた恋愛ホラーの傑作 天孫降臨からの系統で大和政権を築いた人たちは、天照大御神をはじめとする天津神を信奉していた。日本古来、土着の神である国津神を退散させるために崇神天皇が鏡作職人に作らせた鏡(八咫鏡)が、伊勢神宮と賢所にある。
    その更に複製が鏡作神社のご神体となっているが、盗まれていた。蛇神の妻として生贄となる女性たちが鏡によって惑わされ心に潜む情を表出させられ死を選ぶ。
    多黄子、綾、玲、霧菜と、それぞれ女性たちを取り巻く事情から情念に惑わされ死を選ぶに至る心の動きが、日本古来の信仰と共に進行する様子が描写され、スリリングで引き込まれるストーリーとな

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    2025年12月03日
  • 屍の聲

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    ネタバレ

    呆けて孫のことが分からなくなったお婆ちゃん、でも時々呆けていないお婆ちゃんが出てきてそのお婆ちゃんは死にたがっている...これは孫の気持ちが分かりすぎてキツイ

    どの話も人間が生きる屍になっている
    でも同時に燃え上がるような生も感じていて、圧倒された

    雪蒲団はどうして繁さんが殺されなければならなかったのかが理解できない
    あの子はあのときどんな精神状態になったの...?

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    2024年03月15日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    角川ホラー30周年を記念して組まれた傑作短編集。失礼ながら「傑作といっても面白くない事あるよな…」と思いつつ読み始めましたが杞憂でした。この傑作集は本当に怖くて素晴らしい作品ばかり。表題作「影牢」をはじめ一級品が並びます。

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    2024年02月22日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    まさしく傑作揃いというしかないホラーアンソロジーです。全部再読だけれどどれもこれも全部素敵すぎる一冊でした。
    なんといっても綾辻行人「バースデー・プレゼント」が最強です。これは今まで読んだすべての作品でトップ1だと思っているし、そもそも私がホラーとミステリにどっぷりハマるきっかけになった一作なので、何度繰り返し読んでも飽きることがありません。おぞましく、美しく、そしてどこかしら穏やかで静謐な印象が強く残ります。
    鈴木光司「浮遊する水」、三津田信三「集まった四人」は本当に怖くって、嫌。ホラーは怖くても楽しいと思えるものが多いのだけれど、こういう質の怖さは本当に嫌。なのだけれどもちろん大好きです。

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    2024年01月08日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    ネタバレ

    さすがのメンバーで楽しく読ませていただきました♪

    綾辻さんの読んでいて、くらくらしてくるような作品が好き(*^^*)
    新年からホラーというのも乙なものです(*^^)v

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    2024年01月03日
  • 隠された刻―Hidden Times―

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    やはり、坂東眞砂子は、おもしろい。テンポが、他の作家と違う。亡くなる前の力作であり、秀作と思う。
     時空を超えた話が、違和感なく伝わる点では、タイトル、サブタイトルなどを外連味たっぷりで、出版社と売らんかなとしてかいている時代劇やミステリー作家とは、明確に一線を画しており、読みごたえがある。
     この本では、作者の幅広い知識が詰め込まれ、散りばめられている。量子の世界や、放射線など、難解な学問すら、文学に転換されている。
     
     売らんかな作家とちがい、日頃から、人というものを、その根幹である生命と生殖で見つめて、平たくいえば生と性を大事に考え抜いた作家だったと思う。
     物理、医学までの幅広い知識

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    2023年01月09日
  • 狗神

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    おっっもしろかった………。田舎の美しくも閉鎖的な雰囲気の描写がとにかく良かった。それに村人たちの、狗神筋の一族への畏れと憎しみが悪意となる様もおぞましくていい。
    作品は違うんですが同著の死国って映画の(原作は未読)映像や雰囲気がとてもよかったんだけど、あの映画の田舎の雰囲気がこの本でもまざまざ感じられました。
    それに、美希と晃のロマンスがとてもいい。誠一郎は幸せになってくれ…。
    おぞましくて悲しく、でもどこか美しい話だった。すごく好き。

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    2022年10月02日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクション第二弾。全部読んだことがあるので再読かな。しかし何度読もうと、どれもこれも文句なしの名作です。
    何度読んでも恐ろしいのは坂東眞砂子「正月女」です。どこからどこまで全部怖い。柱時計の音が怖い。登場する人たちもみんな怖い。可哀想に思えるヒロインのキャラも、実はなかなかの恐ろしさなんですよね……。
    久しぶりに読んだ服部まゆみ「雛」も、再読でさらに恐ろしくなったかも。そしてラスト、小林泰三「人獣細工」で締めるとは!

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    2021年10月16日
  • ブギウギ 敗戦後

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    敗戦直前から戦後すぐの時代を舞台にしたミステリー(っていうのかな)。箱根の旅館に収容されたUボートの乗組員が近くの池で死んでいるのが見つかってというところから始まり、ストーリーの面白さでぐんぐん読んでいける。
    ストーリーの裏には、書中のことばでいえば、男は権力で動き、女は愛(のようなもの)で動くというテーマがあるのだろう。ストーリーテラー的な役割でもある男・法城がいろいろ思い悩みながらもいまいち行動力に欠けたり芯の弱さが感じられるのに対し、旅館の女中からジャズ歌手へと変貌していく安西リツや、ドイツの新聞記者でありながら最後にソ連とのつながりが明かされるオルガといった女性たち。リツがフワフワと心

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    2021年06月26日
  • ブギウギ 敗戦前

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    敗戦直前から戦後すぐの時代を舞台にしたミステリー(っていうのかな)。箱根の旅館に収容されたUボートの乗組員が近くの池で死んでいるのが見つかってというところから始まり、ストーリーの面白さでぐんぐん読んでいける。
    ストーリーの裏には、書中のことばでいえば、男は権力で動き、女は愛(のようなもの)で動くというテーマがあるのだろう。ストーリーテラー的な役割でもある男・法城がいろいろ思い悩みながらもいまいち行動力に欠けたり芯の弱さが感じられるのに対し、旅館の女中からジャズ歌手へと変貌していく安西リツや、ドイツの新聞記者でありながら最後にソ連とのつながりが明かされるオルガといった女性たち。リツがフワフワと心

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    2021年06月26日
  • 朱鳥の陵

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    ほとんど知らない時代の話なのに分かりやすい背景に引き込まれる文章。
    そして、全てに仮名があるのでどんな読み方だっけと考えずに読めるのでサクサク進む事ができる。
    夢を解くために常陸国からやってきて、讃良皇女の少女時代まで遡る。
    女の執念と強さも感じられる話だった。

    百人一首にある
    白妙の
    衣干すてす…
    にその解釈ができるとは想像力もすごく人なのだなぁと他の作品も読んでみたい。

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    2021年03月05日
  • 逢はなくもあやし

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    鎌倉生まれ香乃(こうの)24歳、橿原生まれ篤史27歳。東京の香乃のアパートで同居して半年、篤史は「待ってろよ」と言って旅に出たまま・・・。篤史の実家、奈良の橿原に出かけた香乃が目にし、耳にしたものは。待ちつ、待たれつすること、これが即ち人生なのか・・・、悠久の昔、藤原京の時代から今日に至るまで、男女の恋、切ないまでの恋をうたった坂東眞砂子さんの作品です。「逢はなくもあやし」、2011.8発行。タイトルは持統天皇の歌からでしょうか。「燃ゆる火も取りて包みて袋には入るといはずや逢はなくもあやし」天武天皇への愛の歌。

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    2020年02月13日
  • くちぬい

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    瀬戸峻亮は「3.11」の放射能から遠ざかる目的で、定年後、妻の麻由子、テリア犬のロキシーとともに高知の田舎、白縫の集落に。二つ鎌神社とくちぬいさまを結ぶ道路(赤線)上に土地を購入しログハウスと陶芸窯を建設。集落は老人ばかり。瀬戸夫妻はちょっとした諍いから、姿の見えない住人からの嫌がらせを。猫の死骸、水道パイプの切断、ロキシーの死、包丁・釜、・・・。そして、この地域には「あの赤線で起きたことは誰にもいうちゃいかん。いうたら、くちぬいさまに口が縫われる」との言い伝えが。読み進むにつれて心底怖くなる物語です。

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    2019年11月21日
  • 桜雨

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    坂東眞砂子さん、読み応えがあります。「桜雨」、1995.10刊行、1999.6文庫。この作品は島清恋愛文学賞受賞作品です。一人の画家を巡る早夜と美紗江の数奇な人生を、一枚の絵に見せられた現代に生きる彩子が追いかけます。壮大な浪漫、戦争、特に東京大空襲による悲惨な時代、時空を超えて物語は進み行きます。物語も終焉に近づく頃、彩子と美紗江の出会いがクライマックスでしょう。著者の美意識と人情、そして、構成の巧みさに魅せられました。

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    2019年10月29日