あらすじ
めぐみは平凡な主婦として穏やかな日々を送っていた。ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。富士川のほとりで拾ったというその器には「常世蟲」と彫られていた。この時から彼女は奇怪な夢や超常現象に悩まされ始める。そしてある日、夫の体から巨大な緑色の虫が這い出るのを目撃してしまった! 深まる謎は、古代の俗信仰「常世神」へと遡ってゆく……。日本人の心の底に眠る恐怖を鮮烈なイメージで呼び起こす秀作。高橋克彦氏曰く「私にとって忘れられない作品」。
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Posted by ブクログ
体内に心に巣食う常世蟲に人間は勝てない。あれだけ心地好さそうな眠気に誘われて勝てるはずがない...
わたしだったら勝てない。
蟲に食われるなら純一のように自覚なしで食われたい...話の中には純一の仕事中の様子は最初しかでてこないから無気力になっていく自分を感じていたかもしれないけど...そんな純一視点も読んでみたい。
最後は救世主かと思われたカヤまでも常世蟲に食われてしまって...どうにもならず
めぐみは常世神を産み落とし火をつけられるというダイナミックかつバイオレンスな虫送りに...
Posted by ブクログ
これがホラー小説大賞佳作とは思えない文章力。自分は本当に巧いと思った。
男と女という性を強く意識させられる、繊細で丁寧にかつねっとりと描かれた心情や思考は著者独特の領域。妄想ではないかという疑いをうっすらと持たせられながらも進行していく描きっぷりは「ローズマリーの赤ちゃん」を連想した。振り返ると、大きな流れはホラーのお手本のような展開だけれど、主人公と夫との関係が見事に小説として面白くて、そこが読みどころかな。
作中にたびたび挿入される海外の戦争のニュースは、何となく意図がわかるようなわからないような。主人公の強迫観念的な恐怖と、社会という外部の終末的な(けれど現実感のともわない)恐怖が重なり合っている?
あと、「かまいたちの夜2」の「底虫村編」と使用しているモチーフがほとんど同じで、もしかしてかまいたちはこちらの影響を受けているのかと思った(笑)
Posted by ブクログ
虫、を背景において女性が陥りやすい心理状態を上手く映してるなぁ。という印象。人もその関係性も、その時の状態で色々と変化していくものだし、ごく自然な事でもあるのに、そこに猜疑が生まれてしまう。でもそんな変化なんてちっぽけなもので、大切な人が変わらず、健康に、生きていてくれる。そして、共に日々を営んでいく。そういう些細な幸せを見失ってしまうのが人間であり、特に女性は私も含めて、欲張りになっていく部分が大きくなってしまうのだろうな、と。
とはいえ、虫注意。
Posted by ブクログ
【サクサクサクサクサクサクサク】
蟲は蝕む。気持ち悪い。僕の手のひらにもベッドにも蟲は生きている。この世界は蟲が生きている世界だ。忘れてはいけないよ。
Posted by ブクログ
やっぱり二度目の本だった。
内容は著者特有のジメジメした日本の感じがあり、
更にオカルトなのか、
精神的に病んでいっているのかわからなく
なるないよう。
精神的にやむって確かにその人の世界にどっぷり浸かってしまって
周りが見えなくなっているてんでは、オカルトと同じだなと感じた。