坂東眞砂子のレビュー一覧
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とにかく面白かった。舞台といい、人物の描写、恐怖の演出、どこをとっても、実に丁寧に描かれていて、読み心地がいいです。特に人と人との関係を通した恐怖感がいい感じだと思います。出だしから前半部分にかけての怖さは、読んでいて鳥肌がたつくらいでした。
話の進め方も唐突ではないので、細かく読んでいけば、大体前半で物語のキーになっている人物の関係が薄々わかってきます。この辺りの伏線の張り方も無理が無く、気が利いていると思いました。後はページをめくる度に秘密が少しづつほぐれていくのが非常に心地良く感じました。後半に入ってからは、それほど怖くは無くなるが、ある種の気味悪さはずっとつきまといます。
テーマと -
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四国の民俗信仰を背景に描かれるホラー小説となります。
再読して気づいたのは、私の記憶と実際の読後感の差でした。文庫発刊当時に読んだ際には、遍路の「逆打ち」という土俗的な恐怖が中心にあるように思っていました。しかし改めて読み直すと、確かに死者が一瞬よみがえるような怪異は描かれるものの、物語の軸はむしろ男女の因縁、恋愛の不成就に大きく比重が置かれていると感じます。
遍路の逆打ちは現実に存在する習俗で、民間信仰では吉祥とされる一方、不吉な響きを持ちます。作者はこの土俗的なモチーフを巧みに用いて、人が決して取り戻せないものへの執着や、過去から逃れられない運命を象徴させています。
再読によって単なる -
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「四国」は「死国」すなわち死者の国に通じるという設定はとてもよい。八十八ケ所を逆打ちに遍路して歩くと死者が甦るとかね。でもどうもそれを生かしきれてないような気が……。残念なことに全然怖くなかったのである。どうしてだろうと考えたのだけれど、けっきょくのところそれはこの物語が生者の都合について語ることにウエイトを置いているからに他ならないのではないかな?主人公の比奈子の人生の都合、逆打ちを行う照子の後継者がほしいという都合、そういったもののほうにウエイトが置かれていて、しかもそれは読者に理解納得できる範囲のもの。莎代里が現世に残している怨みについてもなんだか論理的すぎるんじゃないだろうか?もう少し
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ネタバレ栗山千明様の表紙ではなく、皆川博子様「巫子」みたいな装画の版で読みました。
映画は観ました。栗山千明様は美しいし夏川結衣さんも美しいし根岸季衣さんは怖いし筒井道隆さんはフラフラしている……あんまり怖くない作品でした。
3人の三角関係が中心だったようで、小ぢんまりしていた印象でした。
原作は、3人が幼少期を暮らした矢狗村や神の谷、石鎚山すべてを巻き込む死者の蘇りで、大ごとになっていました。
復讐される人もいれば、「会いたかった…」と還ってくる人もいました。哀しい。
修験者は石鎚山の山頂で鎮めて、神の谷では再生した莎代里を死の国に戻すために、死の国から日浦康鷹がやってきて連れ帰る。照子さんを振り -
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基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
山あいの怪談が気分だったのかもしれない。
ーーーーー以下ネタバレーーーーー
三津田信三『集まった四人』
これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに -
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ネタバレ角川ホラー文庫ベストセレクションの第二弾。今回も8名の作家の8作品だった。特に印象に残ったのは以下の3作品。
「骨」小松左京
なにかに突き動かされるように庭を掘り続ける主人公の姿が最後に悲しみを誘った。何かを思い出しかけているという描写がよかった。
「或るはぐれ者の死」平山夢明
こんなにも悲しい話だとは思わなかった。自分だけでも死者を埋葬しようとしたその清らかな心は悪意に踏み躙られる。
「人獣細工」小林泰三
この作品が最も衝撃だった。自分と父の秘密を探らずにはいられない、そのはやる気持ちが痛いほど伝わってくる。凄まじいラストだった。