坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 旅涯ての地(上)

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    俺、この人のやったこと、それについての考え方、絶対に許せないし、納得できないんだよね。でも、別の作家の本読んだときに、この作品の方が面白いという声を聞いて、気になった。
    一体この人がどんな作品を書くのか?てことも含めて。
    で、読んでみて、、、、、ヤラレタナァ・・・。今年読んだ中では一番かも。。。
    うーん。。。おかしいなぁ・・・・・。途中からは『罪と罰』『赤と黒』なんかと比較したりもしてたけど、ぜんぜんこの作品のが共感できるんだよなぁ。
    なんか悔しいけれど、この作品はかなり
    いい・・・。

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    2009年10月04日
  • 蟲

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    男の俺にはいまいち実感わかなかったがそれなりに読める。
    妊娠した主婦が蟲によってどうのこうのという話。

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    2009年10月04日
  • 道祖土家の猿嫁

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    郷土の高知を舞台にした作品は多く、明治中期とか山村というのも別作品とイメージがだぶりました。しかし、旧家地主に嫁した女性の話は、民権運動、大正デモクラシー、第二次大戦、オリンピックまで続き、死後のエピソードを現代の曾孫が締める。
    都会や事件からでなく、昔からの因習を抱えた田舎村の視点で歴史を見ると、また違うものです。ただ、坂東さんらしく重い。こういう本を読むと、次は軽い恋愛短編はないかと探してしまいます(笑)

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    2009年10月07日
  • 死国

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    一気に読んでしまった〜!

    日本にいる際にどうしてもっと日本古来を知ろうとしなかったかなぁ、って思う。
    大変興味深かった。
    私、ちなみに四国には一度も行ったことないんです…。

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    2013年09月03日
  • 屍の聲

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    坂東先生は日本社会の閉鎖的かつ土着的、湿った雰囲気を描くのがとても上手だと思います。背筋がぞくりと震えあげるようなホラーは逸品です。

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    2009年10月04日
  • 蛇鏡

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    日本神話を土台に、人の心の移ろいを写し出す。「そのおかたやったら、絶対に変わらへん心で、あんたを愛してくれはる。」「誰やの、それは?」

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    2009年10月04日
  • 蛇鏡

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    日本古来の八百万の神への信仰に興味があるので、それだけでも楽しめた。でもそこに、結婚を控えた女性や、下半身不随の少女などの揺れる心境が見事に重ねて描かれていて、日常の中の心の迷いからふと、「あちら側」の世界に引き込まれてしまうこと、あるのかもしれないなぁ・・・と思ってしまう。

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    2009年10月04日
  • 狗神

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    とにかく面白かった。舞台といい、人物の描写、恐怖の演出、どこをとっても、実に丁寧に描かれていて、読み心地がいいです。特に人と人との関係を通した恐怖感がいい感じだと思います。出だしから前半部分にかけての怖さは、読んでいて鳥肌がたつくらいでした。

    話の進め方も唐突ではないので、細かく読んでいけば、大体前半で物語のキーになっている人物の関係が薄々わかってきます。この辺りの伏線の張り方も無理が無く、気が利いていると思いました。後はページをめくる度に秘密が少しづつほぐれていくのが非常に心地良く感じました。後半に入ってからは、それほど怖くは無くなるが、ある種の気味悪さはずっとつきまといます。

    テーマと

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    2011年02月27日
  • 旅涯ての地(上)

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    私は坂眞砂のホラー小説が大好きだから、歴史ロマン大作ということで、なかなか読むきにならなかったのだが・・・。父を宋人(中国)、母を倭人にもつ主人公・夏桂の数奇な運命の物語。マルコ・ポーロ一族の奴隷になり西の涯てへ。これってミステリ?なんて言わないで〜。人間、そのものがミステリ〜っていうことで・・・。

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    2009年10月04日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    ネタバレ

    とても豪華なアンソロジー集。
    ただ、傑作選ということもあり決まったテーマは特にないので、なんとなくとっ散らかったイメージがある。
    最もインパクトがある…というよりは厭な印象を受けたのは、鈴木光司さんの『浮遊する水』。再読のはずだけれど、やはり厭だ。

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    2025年09月30日
  • 狗神

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    善光寺に行ったら思い出したので再読。目の前も見えないくらいの暗闇って時間や空間の感覚も狂う。よくわからないものへの恐怖を感じる。

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    2025年09月22日
  • 死国

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    ネタバレ

    栗山千明様の表紙ではなく、皆川博子様「巫子」みたいな装画の版で読みました。
    映画は観ました。栗山千明様は美しいし夏川結衣さんも美しいし根岸季衣さんは怖いし筒井道隆さんはフラフラしている……あんまり怖くない作品でした。
    3人の三角関係が中心だったようで、小ぢんまりしていた印象でした。

    原作は、3人が幼少期を暮らした矢狗村や神の谷、石鎚山すべてを巻き込む死者の蘇りで、大ごとになっていました。
    復讐される人もいれば、「会いたかった…」と還ってくる人もいました。哀しい。
    修験者は石鎚山の山頂で鎮めて、神の谷では再生した莎代里を死の国に戻すために、死の国から日浦康鷹がやってきて連れ帰る。照子さんを振り

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    2025年09月11日
  • 死国

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    中学生くらいの頃に流行っていたけれど読んでこなかった。じっとりした不穏な空気がずっと続くところが良い。

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    2025年08月09日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
    アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
    今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
    山あいの怪談が気分だったのかもしれない。


    ーーーーー以下ネタバレーーーーー


    三津田信三『集まった四人』
    これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに

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    2025年06月14日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    ネタバレ

    角川ホラー文庫ベストセレクションの第二弾。今回も8名の作家の8作品だった。特に印象に残ったのは以下の3作品。
    「骨」小松左京
    なにかに突き動かされるように庭を掘り続ける主人公の姿が最後に悲しみを誘った。何かを思い出しかけているという描写がよかった。
    「或るはぐれ者の死」平山夢明
    こんなにも悲しい話だとは思わなかった。自分だけでも死者を埋葬しようとしたその清らかな心は悪意に踏み躙られる。
    「人獣細工」小林泰三
    この作品が最も衝撃だった。自分と父の秘密を探らずにはいられない、そのはやる気持ちが痛いほど伝わってくる。凄まじいラストだった。

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    2025年05月23日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    ホラー。短編集。
    なぜか読みたくなったので、異形コレクション以外のホラー短編集にも挑戦。
    なかなか面白かった。
    著者の顔ぶれが豪華なので当然か。

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    2025年04月30日
  • 蟲

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    虫、を背景において女性が陥りやすい心理状態を上手く映してるなぁ。という印象。人もその関係性も、その時の状態で色々と変化していくものだし、ごく自然な事でもあるのに、そこに猜疑が生まれてしまう。でもそんな変化なんてちっぽけなもので、大切な人が変わらず、健康に、生きていてくれる。そして、共に日々を営んでいく。そういう些細な幸せを見失ってしまうのが人間であり、特に女性は私も含めて、欲張りになっていく部分が大きくなってしまうのだろうな、と。

    とはいえ、虫注意。

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    2025年04月22日
  • 神祭

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    ネタバレ

    高知の山村、郊外の村を舞台にした短編集で、5編が収められている。

    まず表題作の「神祭」と「火鳥」と「隠れ山」の3編は嬉才野村を舞台にした作品。
    前者は老女由喜の回想譚。
    畑の物、海の物、山の物を氏神様に捧げて五穀豊穣を願う神祭。とはいえ、親戚一同が会して宴を行うだけの特にこれといって変わり映えのない祭りだったが40年前の神祭で由喜は今も忘れらない事件がある。それは当時男子に恵まれなかった由喜夫婦のために、精がつくと云われる鶏の生血を夫に飲ませようということになり、親戚一同、盛り上がっていた。夫が暴れる鶏を抱え込み、従兄の敬一が首を刎ねたのだが、首の無い鶏はそのまま裏山に飛び込んで消えてしまい

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    2024年10月23日
  • 死国

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    四国のお遍路さんを題材にした架空の民間伝承ホラー。
    設定は興味深い。本当にありそうな伝承だ。
    ただ、小説自体は日常のシーンが多く、純粋に恐怖を感じたい人には少し冗長かもしれない。
    スティーブンキングの描く恐怖と日常の対比みないな要素を大切にしている気がした。

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    2024年10月17日
  • 道祖土家の猿嫁

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    ネタバレ

    この小説は猿に似た風貌から猿嫁と呼ばれた蕗の一生を明治中頃から現代に至るまで日本の歴史の移ろいを重ねて語ったもの。そこには自由民権運動から始まり、日露戦争、太平洋戦争、東京オリンピックなどが蕗の人生に織り込まれ、彼女の人生に色んな影響を与えていく。

    また作者の緻密な筆致は健在で、吹きぼぼ小屋、若者の間で行われた和歌の会などの当時の風俗、火振村の伝統行事である七夕祭りに、その時に行われる女房担ぎなる駆け落ち、「女の家」という風習、道祖土家の先祖を讃える玄道踊りなどを交え、エピソードに事欠かない。

    火振村の大地主の長男の嫁として迎えられた蕗は、予想に反して大地主の嫁として村に一目置かれる存在と

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    2024年08月27日