坂東眞砂子のレビュー一覧
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★5なんて足りない。個人的に10以上付けたいくらい大好きです。
讃良の強烈な怖さに脱帽です。
ただ、この時代に全然興味がない人は(ある人でも難しい)、個人名称が大層難しく、巻き戻して読み直しても誰だったのか分からなくなること間違いないので、wikiとかまとめサイトなどで相関図や名前一覧を見たり、(この本にもあったかな?)とにかく、この人誰だっけ?と絶対になるので用意してから読んだ方が良いと思います。
元々、聖徳太子没後から壬申の乱までの時代が大好きで、大海と讃良が好きなので、ワクワクしながら読みました。
紙で購入しましたが、電子でも買おうかな。 -
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【本の内容】
<上>
13世紀、イタリア。
元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。
名は夏桂。
密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。
その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。
イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。
そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。
荘厳な歴史ロマン大作。
<下>
“山の彼方”に辿り着いたマッダレー -
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【本の内容】
<上>
13世紀、イタリア。
元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。
名は夏桂。
密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。
その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。
イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。
そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。
荘厳な歴史ロマン大作。
<下>
“山の彼方”に辿り着いたマッダレー -
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土俗的な風習や田舎の閉鎖性、憑き物、呪いという
ある種の和製ホラーの方向性を位置づけた記念碑的作品
なのだなあということを確認しながら読むような感じだった。
物語の舞台となる村落の描写を読むたびに
隣人・村人との不思議な距離感と村全体の閉鎖性と緊密性に覆われた
小野不由美『屍鬼』の舞台である外場村の雰囲気との酷似を感じたし
憑き物筋と呪いによる死は三津田信三の刀城言耶シリーズに
通じるものがあった。
影響を受けていないのかもしれないが、
なんとなくそういった後に作られた作品群に
影響を与えた傑作なのだろうなという思いを持った。
「血」と「土」を強烈に感じさせる傑作伝奇ホラーでした。 -
Posted by ブクログ
それは目を奪う絵だった。
薄墨の夜を背景にして紅蓮の炎が舞いあがる。燃えているのは木造の家屋だろうか、炎に照らされて二人の女の顔が浮かんでいる。何を考えているのかはわからない。苦しみを抱えているようでもあり、頬を緩めて、苦しみから解放された安堵の表情にも見える。火焔が起こす上昇気流に揉まれ乱れ舞う桜の花びらが女たちの体を包み込んでいて、見るものを幻想の世界へと誘う。※
全く無名の作家が書いた一枚の絵。凄味と妖艶さを併せ持つ傑作。
小さな出版社で幻想絵画集の発行を企画した彩子は、その取材過程でこの絵に出会う。そして心を奪われる。このを描いたのは誰なのか。
彩子は戦前の池袋に『池 -
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四国、それは『死国』へと通じる。
四十八カ所の霊場を死者の年の数だけ逆まわりすれば、すなわち「逆打ち」をすれば死者は甦るという。
東京で生活に疲れた主人公の比奈子は郷里である高知県の村に帰る。幼友達とも再会、初恋の相手、文也とも再会し淡い恋の記憶がよみがえる。しかしいつも一緒で一番仲の良かった莎代里は事故死していた。しかも比奈子が東京へ転校していったすぐあと。まだ中学生だった。
莎代里は口寄せ巫女の家系に生まれた。村人は何か困ったことがあると先祖の霊を呼び出し、そのお告げを解決への指標とした。その際に依り代となる役割を莎代里の家の女が代々担ってきた。しかし、莎代里が死んでしまっ -
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13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人(チャイナ)と倭人(ジパング)の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(カケイ)。彼が手に入れた一枚のイコン(神を描いた板絵)が、やがてカタリ派と呼ばれる異端信仰の村に大きな波紋を投げかけ、一つの村が、揺るぎないはずの信仰が音を立てて崩壊していくのだった……。
「傑作」の一言です。
綿密な心理描写はもちろんのこと、坂東さん独特の「空気を描く」手法が存分に発揮された作品です。
読むうちに13世紀のイタリアにタイムスリップしてしまったかのような錯覚に何度も襲われました。
信仰とは何か。
生き抜くと