坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 朱鳥の陵

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    ★5なんて足りない。個人的に10以上付けたいくらい大好きです。
    讃良の強烈な怖さに脱帽です。
    ただ、この時代に全然興味がない人は(ある人でも難しい)、個人名称が大層難しく、巻き戻して読み直しても誰だったのか分からなくなること間違いないので、wikiとかまとめサイトなどで相関図や名前一覧を見たり、(この本にもあったかな?)とにかく、この人誰だっけ?と絶対になるので用意してから読んだ方が良いと思います。
    元々、聖徳太子没後から壬申の乱までの時代が大好きで、大海と讃良が好きなので、ワクワクしながら読みました。
    紙で購入しましたが、電子でも買おうかな。

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    2019年02月26日
  • 狗神

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    引き込まれるような表現であっという間に読み終わってしまった。
    地方の古い因習や、近親相姦を扱ったディープな話ではあるが、美しい文体によりおどろおどろしさよりも妖しげな魅力を感じる傑作。

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    2018年11月17日
  • 朱鳥の陵

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    世にも恐ろしい物語。

    たしかに、大和言葉が多く、一部人名が教科書的な書かれ方をされていないため、最初はとっつきにくいが、徐々に物語のパワーに押され、数時間で読み切ってしまった笑。

    圧倒的な情報量と古代史の暗部を描いた内容は圧巻の一言!最後はものすごい無惨な結末だが、不思議とさわやかさが残った。


    とりあえず、
    天智天皇=中大兄皇子=葛城皇子=近江朝
    天武天皇=大海人皇子=飛鳥浄御原朝
    額田王=比売朝臣
    と、頭に入れてから読むとわかりやすい。 です。

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    2018年10月30日
  • ブギウギ 敗戦前

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    ただの田舎の話と思いきや、ナチや旧日本軍の計画に及んでいく意外な展開に、坂東さんは本当に素晴らしいストーリーテラーだったのだな、と尚更夭折が惜しまれます。

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    2017年11月03日
  • 朱鳥の陵

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    私の中で夭逝の惜しまれる作家ナンバーワンでした。本作はラストが衝撃的で、読み終わった後もしばらく現実に戻れませんでした。最初はふりがなだらけの文章と難しい名前の登場人物で読みにくいかと思ってましたが、すぐに話に引き込まれ、ほぼ一気に読んでしまいました。ふりがなの分、本の厚さのわりに文字量は少ないのですね。きっと。読みながら「もはや無用のゴミ扱い」の昔覚えた語呂合わせが頭の中にずっとありました。考えた人はすごいです。

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    2017年06月04日
  • 旅涯ての地(下)

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    【本の内容】
    <上>
    13世紀、イタリア。

    元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

    名は夏桂。

    密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

    その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。

    イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。

    そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。

    荘厳な歴史ロマン大作。

    <下>
    “山の彼方”に辿り着いたマッダレー

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    2014年10月05日
  • 旅涯ての地(上)

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    【本の内容】
    <上>
    13世紀、イタリア。

    元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

    名は夏桂。

    密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

    その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。

    イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。

    そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。

    荘厳な歴史ロマン大作。

    <下>
    “山の彼方”に辿り着いたマッダレー

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    2014年10月05日
  • 狗神

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    土俗的な風習や田舎の閉鎖性、憑き物、呪いという
    ある種の和製ホラーの方向性を位置づけた記念碑的作品
    なのだなあということを確認しながら読むような感じだった。

    物語の舞台となる村落の描写を読むたびに
    隣人・村人との不思議な距離感と村全体の閉鎖性と緊密性に覆われた
    小野不由美『屍鬼』の舞台である外場村の雰囲気との酷似を感じたし
    憑き物筋と呪いによる死は三津田信三の刀城言耶シリーズに
    通じるものがあった。

    影響を受けていないのかもしれないが、
    なんとなくそういった後に作られた作品群に
    影響を与えた傑作なのだろうなという思いを持った。

    「血」と「土」を強烈に感じさせる傑作伝奇ホラーでした。

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    2014年09月13日
  • 狗神

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    中学生のときに読んで衝撃を受けた作品。
    読み返してみようかな(*´ㅈ`*)
    犬神伝説とかオカルト系好きにはたまらない!

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    2014年04月22日
  • 狗神

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    和製ホラー。
    美希に降りかかる恐ろしい出来事たち。
    それでも幸せをつかもうとする彼女に、災厄は訪れてくる・・・。

    とりあえず、やっぱりこういう伝説とか怖いものが多いですね。この犬神伝説以外にも色々な怖い伝説は日本各地に残っていると思います。

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    2014年03月08日
  • 神祭

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    坂東さんの神髄、土着的な怖い話。日本てなんて素敵な国だったんだろうと思える。もうちょい昔に生まれてたかったな。

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    2012年06月29日
  • 死国

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    タイトルからして強烈で内容も未だに鮮明。読んだ当時は中学生かな?とにかく怖かった。けれどまた読み返すと抱く感想はまた異なり、魅力的。自分の中では名作です。

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    2012年01月02日
  • 旅涯ての地(上)

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    初めて読んだ時、いままでなかったぐらいに衝撃的で
    深く印象に残った。今でも、たまに夢に出てくるほど…

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    2011年10月16日
  • 屍の聲

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     こんなに怖いホラー小説は読んだことがない…

     各地の民話や伝承に着想を得た怪談ですが、文章が圧倒的にうまいから、どの短編も現実のように感じる。
     最近の、なにかゲームの世界のようなホラーとは一線を画する、本物のホラーです。

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    2017年08月15日
  • 桜雨

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     それは目を奪う絵だった。 
     薄墨の夜を背景にして紅蓮の炎が舞いあがる。燃えているのは木造の家屋だろうか、炎に照らされて二人の女の顔が浮かんでいる。何を考えているのかはわからない。苦しみを抱えているようでもあり、頬を緩めて、苦しみから解放された安堵の表情にも見える。火焔が起こす上昇気流に揉まれ乱れ舞う桜の花びらが女たちの体を包み込んでいて、見るものを幻想の世界へと誘う。※
     
     全く無名の作家が書いた一枚の絵。凄味と妖艶さを併せ持つ傑作。
    小さな出版社で幻想絵画集の発行を企画した彩子は、その取材過程でこの絵に出会う。そして心を奪われる。このを描いたのは誰なのか。


     彩子は戦前の池袋に『池

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    2017年08月15日
  • 狗神

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     表紙の智内兄助の絵がものすごくいいです。ゾクゾクします。

     狗神使いという特殊な家系の主人公が、土佐の土着的な伝承と閉鎖的な村社会の中で次第に追い詰められていく過程が怖いです。

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    2017年08月15日
  • 死国

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     四国、それは『死国』へと通じる。

     四十八カ所の霊場を死者の年の数だけ逆まわりすれば、すなわち「逆打ち」をすれば死者は甦るという。

     東京で生活に疲れた主人公の比奈子は郷里である高知県の村に帰る。幼友達とも再会、初恋の相手、文也とも再会し淡い恋の記憶がよみがえる。しかしいつも一緒で一番仲の良かった莎代里は事故死していた。しかも比奈子が東京へ転校していったすぐあと。まだ中学生だった。


     莎代里は口寄せ巫女の家系に生まれた。村人は何か困ったことがあると先祖の霊を呼び出し、そのお告げを解決への指標とした。その際に依り代となる役割を莎代里の家の女が代々担ってきた。しかし、莎代里が死んでしまっ

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    2017年08月15日
  • 旅涯ての地(下)

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    読むのに苦戦・・しかし、気づくと物語の中に自分がいるような錯覚を覚えるくらい細やかな描写は、時にはっとして読む手を止めるほど。

    死んで天の国に逝くことを渇望し、生き地獄のような現世で厳しい戒律の信仰に身を捧げ生きる人びとは・・・死ぬために生きるみたいで読んでて苦しかった。

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    2009年10月07日
  • 旅涯ての地(上)

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    13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人(チャイナ)と倭人(ジパング)の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(カケイ)。彼が手に入れた一枚のイコン(神を描いた板絵)が、やがてカタリ派と呼ばれる異端信仰の村に大きな波紋を投げかけ、一つの村が、揺るぎないはずの信仰が音を立てて崩壊していくのだった……。

    「傑作」の一言です。
    綿密な心理描写はもちろんのこと、坂東さん独特の「空気を描く」手法が存分に発揮された作品です。
    読むうちに13世紀のイタリアにタイムスリップしてしまったかのような錯覚に何度も襲われました。

    信仰とは何か。
    生き抜くと

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    2009年10月04日
  • 神祭

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    どれも 少し前まであった時代

    生活の中に 普通に神祭が執り行われていた頃
    黄金色に波打つ稲穂の海原を 一升瓶の包みを下げたり晴れ着を着て風呂敷包みを下げ年に一度の神祭の日にやってくる”お客さん”。。
    どれも 懐かしく 昔話のように近くて遠い世界のお話
    もちろん こんなことをしたら 罰が当たるのではないかという 後ろめたさと

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    2009年10月04日