【感想・ネタバレ】旅涯ての地(下)のレビュー

あらすじ

〈山の彼方〉に辿り着いたマッダレーナと夏桂は司教ベルナルドにイコンを差し出した。その中にはカタリ派が探し求めていた『マリアによる福音書』が隠されていた。イエスの真の言葉がヘブライ語で書き記されたこの書が、ローマ教会の手で闇に葬りさられる前に、司教はラテン語への翻訳を急がせる。しかし、衝撃的な内容を知った司教は倒れ、大子ジュリアーノまでが、異端審問官への密告で火刑に処される。夏桂がもたらしたイコンが、村を、揺るぎないはずの信仰を、崩壊させてゆく…。

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Posted by ブクログ

【本の内容】
<上>
13世紀、イタリア。

元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

名は夏桂。

密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。

イコンは当時、邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあったのだ。

そして夏桂は謎の女伝道師マッダレーナに導かれ、信者たちの隠れ住む“山の彼方”へと旅立つが…。

荘厳な歴史ロマン大作。

<下>
“山の彼方”に辿り着いたマッダレーナと夏桂は司教ベルナルドを訪れ、イコンを差し出した。

その中には、『マリアによる福音書』が隠されていた。

これこそ、カタリ派が探し求めていたものだった。

イエスの真の言葉がヘブライ語で書き記されているこの書が、ローマ教会の手に渡り、闇に葬りさられる前に、司教はラテン語への翻訳を急がせた。

しかし、その衝撃的な内容を知った司教は倒れ、大子ジュリアーノまでが、異端審問官への密告で火刑に処される。

夏桂がもたらしたイコンが、一つの村を、揺るぎないはずの信仰を、崩壊させてゆく…。

荘厳な歴史ロマン大作。

[ 目次 ]
<上>


<下>


[ POP ]
最近会社でいろんな事をしているせいか、外に出ていない。

もちろん旅行なんて行ってない。

その寂しさを少しは紛らわせてくれたのかなと思う。

マルコ・ポーロなんかがいる時代の、西の涯ての国に来てしまったなと、素直に感じてしまった。

オモシロイのが、当時の人々が居ると思っていた悪霊、悪魔、神様なんかが、当たり前のように出て来ちゃう所。

平気で手がある魚が捕れたり、バジリスクなんて化け物もいるし、しかも結構さらりと書いてたりもする。

そんな風に様々な生活様式、宗教、人種なんかをごっちゃごちゃと鍋で煮て、飲まされた感じがした。

しかも後味も不思議と良かった気がしている。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

0
2014年10月05日

Posted by ブクログ

読むのに苦戦・・しかし、気づくと物語の中に自分がいるような錯覚を覚えるくらい細やかな描写は、時にはっとして読む手を止めるほど。

死んで天の国に逝くことを渇望し、生き地獄のような現世で厳しい戒律の信仰に身を捧げ生きる人びとは・・・死ぬために生きるみたいで読んでて苦しかった。

0
2009年10月07日

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