坂東眞砂子のレビュー一覧
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読んでいる時、丁度気分が下がり気味の時だったので美希の気持ちがわかる部分もある気がした。美希の悲しみと苦しみを読んで何度も目が潤んだ。こんな苦労をする人はいるものなのだろうか。昂路の言うとおり晃が狗神に化けたのは錯覚で、生まれる子供も鵺だというのも思い込みだったのかもしれない。何食わぬ顔で読んでいた私は最後の昂路の考えで、確かにそうかもしれないとスッとした。
美希が交わる人がどれも近親相姦なのは、行き過ぎてるような気がして晃まで来ると面白いと思ってた気持ちが消えてしまった。面白いんだけど、もったいない気がして。そして、昂路が坊之宮の墓参りに来た時、あの終わり方は無理矢理感が否めないのだが。 -
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①屍の聲
ボケてしまったおばあちゃんと、その孫のお話。お年寄りの介護って本当に大変。よく、子供や孫が真摯に世話をする様子が描写されるけど、本当に、偉いなぁといつも感じる。介護って、それだけ大変なこと・・・まだ中学生の布由子の抱える負担感は相当なものだ。なんとなく、気持ちもわかってしまうのは、自分への言い訳なのか、単なる同情なのか。
②猿祈願
安産祈願のお猿さんの人形ってのは、さるぼぼとは違うのかしら・・・でも、奥秩父が舞台だし、岐阜のさるぼぼとは違うのかな?怖い姑がいなくて良かった良かった・・・
③残り火
奥さんは大事にしよう。こんな風に、昔の風習のなかに、時代感覚の違う人が混じっていると -
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かつて鹿島神宮の阿礼乎止売であった白妙は、夢解きの名手であった。兄で同じく阿礼乎止古であった黒妙が勤めを行っている新益京に、御名部皇女の夢解きの為に常陸国日枝郷から呼ばれる。
その夢を解くうちに、彼女は讃良皇女の心に滑り込んでしまい、やがて、夢に纏わる秘密を知ってしまうが、太上天皇となっている持統天皇に感づかれてしまい…。
坂東眞砂子作品らしい、仄暗い物語展開だったと思います。
散りばめられた夢のヒントと歴史的事象、宗教観、持統天皇の心の襞を織り交ぜ、ひとつの恐ろしいラストへ導く手腕はさすが。
春過ぎて 夏来たるらし 白妙の
衣干したり 天香山
この歌に、こんな顛末を付けてしまうとは… -
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自由民権運動が盛んだった明治時代、火振村の地主の道祖土家に嫁いだ蕗(ふき)の一代記。終章は、彼女の33回忌に曾孫の十緒子が道祖土家を再訪するところまでを描いています。
道祖土清重のもとに猿そっくりの顔をした蕗が嫁いでまもなく、義姉の蔦が私生児を産むという事件が起こります。家長の治之進は、秋英と名づけられたその子を、清重と蕗の子として育てることに決めます。若い頃は民権運動にかぶれていた清重も村長となり、秋英の下に春乃、俊介、保夫という子を授かります。しかし、秋英は家を飛び出し、俊介は若くして死に、三男の保夫が家を継ぐことになります。
終戦の日まで小国民だった保夫の子の篤は、洋子という妻を得て -
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地元で「みぃさんの祭り」がおこなわれる直前に、恋人の広樹をともなって実家に帰省した永尾玲は、蔵の中で蛇をかたどった鏡を発見します。この鏡は、三年前に自殺した玲の姉の綾が首吊り自殺をおこなった場所に置いてあったものでした。
斗根遺跡の発掘をしていた田辺一成は、玲から蛇鏡の話を聞き、興味を示します。広樹のつれない態度に、将来の幸せについて漠然とした不安を抱いていた玲は、しだいに一成に惹かれていきます。
その一方で玲は、父の前妻だった多黄子が、33年前にやはり蔵で首を吊って自殺し、その足元に蛇鏡があったこと、さらに姉の綾が自殺したとき、彼女は婚約していた男性ともう一人の男との間にはさまれて苦悩し