坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 死国

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    ネタバレ

    結局は三角関係の話。と思うと陳腐だけれど。
    四国の自然とか古事記の世界と合わせると、情景が豊かに浮かんでくる。
    ちょっと四国が怖くなった。四国の人はどう思ってるんだろう?
    結局男は死んだ女のもとに行ってしまうのだけど、そんな呪縛から逃げれないのは不幸なこと。主人公もせっかく帰省したのに踏んだり蹴ったり。東京の彼も終わってるし。

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    2022年02月01日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。

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    2021年09月26日
  • 狗神

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    「人間の心とは、なんと変容するものだろうか。」
    かつて穏やかだった人々が、狗神騒ぎによって坊之宮家に、恐れと憎しみの目を向けていく…。
    たとえ災厄が、狗神筋によって引き起こされたものであったとしても、美希には幸せになってほしかった。

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    2021年07月20日
  • くちぬい

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    村の人々の嫌がらせが日常を侵食して精神をすり減らしていく様子は嫌な感じだった(褒め言葉)
    神経質でヒステリックな妻と、興味のないことには無関心で変なところは頑固な夫。人間と人間の意思の疎通がきちんと取れず、すれ違いばかりで殺伐としたところに、村の老人たちの嫌がらせ。これ以上ないくらい嫌なシチュエーションでした。
    ラストは衝撃的で、この嫌なシチュエーションを突き詰めて煮詰めた結果が、妻のあの言動につながったのだろうと思いました。が、荒唐無稽なようにも感じました。

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    2021年07月14日
  • 桜雨

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    なんというか、、、
    終盤にきて、ハッとさせられる展開でした。
    最初はモヤモヤしながら読み進んでましたが、
    最後まで読んでよかったです。

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    2021年05月02日
  • 屍の聲

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    相変わらず不気味な小説を書く作家。舞台は四国か。土臭い闇の世界がよぎる坂東のホラーは他の者の追随を許さない。短編集だがテーマとして共通しているのは“迷信”“ことわざ”“いいつたえ”など。これもおどろおどろしい雰囲気をかもしている。中でも、猫が死者を跨ぐと死者が生き返る、何ていうのは本当にあるようで恐い。

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    2021年01月26日
  • 死国

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    坂東眞砂子の初期の長編。
    これをもって今をときめく坂東のホラーワールドが広がった先駈けとなった作品である。
    四国を“死国”に置き換え、石鎚山につながる土俗信仰をうまく絡み合わせて、壮大な物語へと展開させていく力はさすがというべきか。また、“吐息のような光を放つ蛍”なんていう表現は、思わず「うまいなぁ」と感じてしまう。

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    2021年02月05日
  • 恍惚

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    短編集。
    表紙のお尻がキレイ。

    正直これと言って印象に残ったものはなかったけれど、
    読みやすくさらりと読めた。

    『神の返杯』に出てくる「伝書鳩は〇〇〇〇〇」に度肝を抜かれた。
    すんごいパワーワード。笑った。

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    2020年10月26日
  • 葛橋

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    妖しい雰囲気が漂う、3篇からなる中編集。
    1番好きだったのは『一本樒』。
    またたび酒がメチャクチャ美味しそう。

    露骨なエロではなく、ほんのりと香るエロさが良かった。
    少し何か読みたい時に丁度良い長さ。

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    2020年07月21日
  • 恍惚

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    ネタバレ

    海は未知への扉であり、山々には精霊が宿っていた太古・弥生時代。突如海より現れた黒魔蜂に連れ去られた若菜は…(「緑の女の還る地は」)。室町時代、山城国の有力領主に嫁いだ誇り高き女・茶佐と、京の遊里で名をなした女・瑠璃王の儚き運命の交差とは…(「乱の徒花」)。性に翻弄され、果てしなき悦楽に呑まれてゆく女たち。弥生、鎌倉、室町、江戸、昭和、平成。異なる時代で描かれる、深遠なるエロティシズムの世界。

    異なる時代において恍惚つまり性に翻弄される女性たちが描かれる。あるときは象徴である神だったりある時は異人であったりと。

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    2019年12月19日
  • 死国

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    映像化したら怖そう。やっぱりこういうホラーって文章ではそうでもないのかな?(「ドグラマグラ」とか「リング」の前半とか、狂気の部分にコないとね)
    比奈子と文也の仲が進展していく過程の描写がなんか瑞々しかった。
    もう1作くらい読んでみるか? 

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    2018年10月15日
  • 死国

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    個人的にはものすごく好きなジャンル。
    四国八十八ヶ所の巡礼?をモチーフにして
    古代伝承をふんだんに練り込んだホラー…でいいのかな?
    民間伝承-宗教-信仰については個人個人で様々な解釈があるから、どうこう言うつもりはないけど、フィクションとはいえこのような形でこれまでの歴史が変遷されてきているのも事実。
    読み物として十分満足できるし、ちょっとした揶揄っぽくも感じる。

    ま、ロマンって謳ってるのででその描写もあるけど、その部分だけがちょっと浮いてるように感じた。

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    2018年05月22日
  • 眠る魚

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    未完なのでこの後どうなるのか気になります。イルミナティのくだりとか必要だったんでしょうかね。気になりますね。

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    2017年12月29日
  • くちぬい

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    「口縫い」と聞いてすぐに思い出すのは、私の棺桶に入れてほしいほど好きな、珠玉の小説『猫を抱いて象と泳ぐ』。しかしこの『くちぬい』は絶対に入れてほしくない(笑)。

    夫の強い希望で東京から高知の過疎村・白縫集落に移住した夫婦。定年まで美術教師を務めた夫・竣亮は、ここで趣味の陶芸に打ち込めると大喜び。最初は移住に反対していた妻・麻由子も、震災に遭って放射能汚染の不安を感じてからは賛成に転じる。老人ばかりの住民はみな善人に見えたが、竣亮が陶芸用の窯をつくった場所に文句をつけられる。自分の敷地内に何をつくろうが勝手だろうと竣亮は反発。以来、嫌がらせを受けるようになり……。

    著者自身が過疎村に移住して

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    2017年10月23日
  • 死国

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    四国八十八ヶ所を逆回りで巡礼すると
    死んだ娘が甦る
    死者と生者が入り混じった世界にあるのは
    永遠のモラトリアムである
    大人の自由は欲しいけれども、責任負うのはまっぴらごめん
    死国とはそういう願いの国である
    その到来が許されないのは、結局のところ生者の嫉妬かもしれないし
    頑迷さによるものかもしれない
    漠然としたホラー小説だ
    おそらく、バブル時代を人間性の死と捉える視点はあるだろう
    しかし死者の世が実在する世界観で、なぜ生と死が等価となりえないのか
    納得のいく説明はない
    ただはっきりしているのは
    生に執着する死者が、生者にとっての悪霊でしかないということだけだ

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    2017年04月23日
  • 狗神

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    読んでいる時、丁度気分が下がり気味の時だったので美希の気持ちがわかる部分もある気がした。美希の悲しみと苦しみを読んで何度も目が潤んだ。こんな苦労をする人はいるものなのだろうか。昂路の言うとおり晃が狗神に化けたのは錯覚で、生まれる子供も鵺だというのも思い込みだったのかもしれない。何食わぬ顔で読んでいた私は最後の昂路の考えで、確かにそうかもしれないとスッとした。
    美希が交わる人がどれも近親相姦なのは、行き過ぎてるような気がして晃まで来ると面白いと思ってた気持ちが消えてしまった。面白いんだけど、もったいない気がして。そして、昂路が坊之宮の墓参りに来た時、あの終わり方は無理矢理感が否めないのだが。

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    2017年04月10日
  • 狗神

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    ネタバレ

    再読。
    序章の善光寺のお戒壇廻りは実際行ったことがあるし、怖さと物悲しさが相まって期待が高まるのになぁ。一歩を踏み出せばもっと違う生き方ができるかもしれないのに、年齢と過去の傷を言い訳に後ろ向きで他人を羨む美希にイライラ。先祖だって子孫のこんな姿見てたらイライラしちゃうよ。
    自分じゃどうしようもできない血筋のせいで憎まれるのはかわいそうだったけど、最後はやっぱり自分本位過ぎた罰でもあるんだろう。
    坊之宮一族の忘れ形見=蘇った先祖が廻り巡って村に復讐する続きがあれば、その方がおもしろそう。

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    2022年08月19日
  • 屍の聲

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    ①屍の聲
    ボケてしまったおばあちゃんと、その孫のお話。お年寄りの介護って本当に大変。よく、子供や孫が真摯に世話をする様子が描写されるけど、本当に、偉いなぁといつも感じる。介護って、それだけ大変なこと・・・まだ中学生の布由子の抱える負担感は相当なものだ。なんとなく、気持ちもわかってしまうのは、自分への言い訳なのか、単なる同情なのか。

    ②猿祈願
    安産祈願のお猿さんの人形ってのは、さるぼぼとは違うのかしら・・・でも、奥秩父が舞台だし、岐阜のさるぼぼとは違うのかな?怖い姑がいなくて良かった良かった・・・

    ③残り火
    奥さんは大事にしよう。こんな風に、昔の風習のなかに、時代感覚の違う人が混じっていると

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    2016年01月18日
  • 朱鳥の陵

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    かつて鹿島神宮の阿礼乎止売であった白妙は、夢解きの名手であった。兄で同じく阿礼乎止古であった黒妙が勤めを行っている新益京に、御名部皇女の夢解きの為に常陸国日枝郷から呼ばれる。
    その夢を解くうちに、彼女は讃良皇女の心に滑り込んでしまい、やがて、夢に纏わる秘密を知ってしまうが、太上天皇となっている持統天皇に感づかれてしまい…。

    坂東眞砂子作品らしい、仄暗い物語展開だったと思います。

    散りばめられた夢のヒントと歴史的事象、宗教観、持統天皇の心の襞を織り交ぜ、ひとつの恐ろしいラストへ導く手腕はさすが。

    春過ぎて 夏来たるらし 白妙の
    衣干したり 天香山

    この歌に、こんな顛末を付けてしまうとは…

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    2015年06月10日
  • 身辺怪記

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    圧倒的な物語に心を動かされた作家さんの、エッセイを読んでがっかりしてしまうことは多い。
    勝手なものです。
    自覚しています。

    勤め先や親戚にこういうこじつけの好きなおじさん/おばさんがいるなあ…

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    2015年06月04日