あらすじ
ガイドや通訳をしながら南太平洋のバヌアツに暮らす彩実は、東日本大震災からしばらくの後、父の訃報を受けて故郷の北関東の町に一時帰国する。放射線被害についての危機感の相違や、保守的な家族たちの思考と言動に噛み合わない思いを抱くうち、「アオイロコ」という奇妙な風土病の噂を耳にする。そんな中、彩実の口中の腫瘍が悪性と診断され、入院することに――。坂東眞砂子、絶筆作品。
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Posted by ブクログ
坂東眞砂子 著「眠る魚」、2017.2発行(文庫)。著者、未完の絶筆小説です。バヌアツに住む伊都部彩実は父の死で帰国。福島の原発事故による放射能汚染での急死はアオイロコという病によるものか・・・。後半、彩実の舌の腫瘍が悪性の舌癌とわかり入院に。このあたりから著者自身に重なってきます。本作品は手術前の段階で絶筆となっています。著者は、実際は東京の病院に入院中の所、故郷に帰りたいとの希望が受け入れられ、高知の病院に転院し、亡くなられました。
坂東眞砂子さん、2014.1.27、故郷の高知でお亡くなりになりました。「眠る魚」(2014.5)は、未完の絶筆長編です。巻末に著者の著作が整理されています。作品を眼で追いながら、感動を思い起こしました。「山はは」「わたし」「善魂宿」「天唄歌い」「くちぬい」・・・。大作ですね!