あらすじ
時は平安。京に上った東国の長者が妻と荒れ果てた邸宅に宿を取った。数日たった夕方、男が縁にいると妻の叫び声が聞こえる。驚いた男が部屋に飛び込むと、暗闇から伸びた太い二本の腕が妻をつかんで奥の間に引きずりこむところだった。妻は鬼につかまっていたのだ……(「鬼に喰われた女」)。表題作ほか今昔物語からインスピレーションをえて人間に巣食う「闇」と「エロス」を大胆に描いた短編集。
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Posted by ブクログ
今昔物語を基に書いた作品。
元ネタを知っているもの、知らないものどちらもあり、知っているものについては、作者の手にかかればここまで話が膨らむのだなと。
自分的には好きな膨らませ方でした。
作者はもうお亡くなりになっていて、彼女の作品がなかなか手に入らない。
今回新品で購入することができてラッキーでした。
Posted by ブクログ
2017年、25冊目は主に隙間読書用にしていたヤツ❗
今昔物語を下敷きにした、短編を、10編収録。今回もタイトルだけ紹介。
鬼に喰われた女
死ぬも生きるも
空虚の板
生霊
月下の誓い
歌う女
蛇神祀り
稲荷詣
油壺の話
闇に招く手
正直、凄く好き、と、微妙、の狭間の一冊。
隙間読書用としては、1編、30p前後で、内容&分量的にはベスト。その点でも、★★★★☆評価。
ただし、コレは通し読みした方が良かったかも(?)とも思う。いわゆる、頭の中、平安の京の都へ送られちゃうから。現実との、切り替えが少なからず、必要なのよね。
いわゆる、古典(古文)の世界観、鬼、モノノケ、お稲荷さんの類いと、女性的官能。和ホラーと官能が、近似値と捉えられる方向き。
後は、個人的だが、尻すぼみに感じてしまう、並び順にもう一工夫欲しかったかな……。