五十嵐貴久のレビュー一覧
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リカ・クロニクル第7弾
時系列では「リバース」の後。
医師だった父を亡くし、母と妹・結花は新興宗教に入信。残されたリカは親戚に引き取られ、新たな高校生活が始まります。
リカを引き取った家の母親もなかなかの策士でしたが、それを上回るのがやはりリカ。彼女が現れた途端、連鎖的に自殺に見せかけた殺人が続発していきます。
引き取った家族は彼女を「結花」だと信じ込み、本人は「リカ」だと名乗る。そのねじれが物語に謎を残します。
タイトル「リセット」が何を指すのかは、まだ明確に回収されていない印象。作者自身が何かをリセットしようとしているのかもしれませんが、それはシリーズ全体を読まなければ見えてこないの -
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リカ・クロニクル第5弾。
過去と現在が交錯し、読者の視点さえ揺らすような構成となっています。物語は、誰の視点なのか、どの時点の出来事なのかが一瞬わからなくなる場面があり、登場人物たちと同じく読者もだまされる感覚です。ちょっとした叙述トリック。
やがてラストに明かされるのは、真犯人の哀しい過去——リカに誘拐され、リカに同化するかの運命となる出来事だった。この真犯人は、リカストーカー事件の被害者の娘。親子でその心の闇に、リカが入り込み、完全に支配される姿は、シリーズでも特に不気味で不幸。
「リメンバー」という言葉は、忘却を許さず、恐怖も悲しみも永遠に刻みつける。読後、心に居座るリカの存在は、物語を -
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リカ・クロニクル第4弾。
『リハーサル』は、あの事件の予行練習なのでしょうか
ある病院の看護師募集に現れたリカ。
するすると病院内に入り込み、気づけば誰もが彼女に巻き込まれていく。
ストーカーの異常性も、狂気に呑まれていく日常も、どこかで読んだ記憶が——
けれどこれは、まだ“本番”ではない。
すべては、あの“リカ”へと続くリハーサル。
……こわっつ。
「私、リカよ」
その一言に、ふと思い出したのはあの懐かしい“リカちゃん電話”。(現在もあるらしい)
あまりに対極な存在が、同じセリフを使っている。
もし偶然なら、なかなかのマッチング。
もし意図的なら——五十嵐さん、あなた天才です。
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『リバース』は、2016年に「PONTOON」での連載を経て、同年10月に加筆修正のうえ文庫化された作品。
前作『リターン』で描かれた事件の10年前、主人公たちの幼少期にさかのぼる前日譚。
物語は、双子の姉妹・梨花と結花の関係性から、父親の重すぎる愛情を一身に受ける梨花、そしてその梨花達に躾という体罰を続ける母親。歪んだ家族の中で少女たちは育ち、壊れていきます。
屋敷という閉鎖的な空間、家族の中に潜む狂気、そして双子という“もう一人の自分”の存在が生む不穏さ。その構図はどこかゴシック文学の趣があり、ホラーというよりも、病的な愛と憎しみの交錯の心理劇。
なお、この物語は、お手伝いの女性が差 -
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ホラーサスペンス大賞という、極めてアバウトなそして短命だった賞に見事に輝き、
以降はお涙頂戴映像化狙いの作品を頻発する作者の、めちゃ有名なデビュー作。
一気に読ませる力はデビュー作とは思えないし、
書籍化にあたり加筆したエピローグも悪くない。
だが、一冊を通して、トーンがパートパートで変わり過ぎではないかと。
キャラ造形と、ラストのレクター感が、知性として微妙にフィットしきらずで、結果作品としての色が濁る。
しかし作者はこの作品の後にしばらくホームドラマ的な作品を書き続けて、
そこから10年以上ぶりに続編書いてからの、数年で一気に大量にシリーズ化させ、完結。
映像化を意識しすぎてる感は否めな