五十嵐貴久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホラーサスペンス大賞という、極めてアバウトなそして短命だった賞に見事に輝き、
以降はお涙頂戴映像化狙いの作品を頻発する作者の、めちゃ有名なデビュー作。
一気に読ませる力はデビュー作とは思えないし、
書籍化にあたり加筆したエピローグも悪くない。
だが、一冊を通して、トーンがパートパートで変わり過ぎではないかと。
キャラ造形と、ラストのレクター感が、知性として微妙にフィットしきらずで、結果作品としての色が濁る。
しかし作者はこの作品の後にしばらくホームドラマ的な作品を書き続けて、
そこから10年以上ぶりに続編書いてからの、数年で一気に大量にシリーズ化させ、完結。
映像化を意識しすぎてる感は否めな -
Posted by ブクログ
長野県の教会で過ごしていた幸子は、勉強をするために東京へ向かう。東京で幸子は、クリニックを経営するお金持ちの雨宮家の家政婦として働くことになる。雨宮家にいるのは、クリニックで働く父親、美人で花を教える母親、そして美人な双子の姉妹。家政婦として働く中、幸子はそれまで過ごしていた教会の神父へ、出来事を事細かに書いた手紙を送っていた。最初は雨宮家で働くことを誇りに思っていた幸子であったが…というストーリー。
幸子が神父へ宛てた手紙がこの作品の主な文章になっているのが面白かった。
雨宮家の雰囲気は序盤から不穏であったが、世間知らずの幸子のキャラクターが上手く活きていて、後半やっと気づいて畳み掛けると -
Posted by ブクログ
ネタバレ出会い系で知り合った女がやべーやつでストーキングされる中年男の話。男がクズなのでひどい目に遭おうが自業自得、同情する気になれないのがいい。
2002年の刊行時にはまだ一般的ではなかったインターネットでの出会いについてチュートリアル的な序盤の100頁はマッチングアプリが浸透した現代に読むとまだるっこしい。
リカと出会い、異常性に気づき、粘着され、調査を依頼した探偵の死体が発見されるあたりまでは面白かった。そのあとはラストも含めて予想できる展開だった。リカには話が通じないイライラはあったが怖さは感じなかった。
薬を使うところが村上龍のオーディションを連想させる。粘着してくる女の話としてキング