五十嵐貴久のレビュー一覧
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岩手県釜崎市、市民スポーツ課職員の奥寺浩子は女子ラグビーのトップ選手だった経験を買われ、岩手県代表の女子ラグビーセブンズチーム「岩手ブロッサム」の監督に就任する。しかし、東日本大震災で失った希望を県民に取り戻すため、目前に迫った岩手国体で優勝することを目標に選手の育成に励んでいたが、チームはまとまらず選手は次々と辞めていった。浩子は、選手集めに奔走しながらも、残った選手たちにハードな練習を課す。あまりの過酷さに浩子に対する不満は募るばかりだった。そんな中、浩子の妹の泉がブロッサムに加入するが、これまでの泉のチームへの言動に対して選手たちから大きな反感を買う。浩子にとって、何としても国体優勝を勝
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ネタバレ評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
吉祥寺のコンビニでアルバイトをして暮らす“おれ”(バツイチ・息子あり)は、家事を終えると夜な夜なバーに繰り出す。ある日、オカマの京子ちゃんから、一年前に忽然と姿を消した少女の母親を紹介される。成り行きでその少女を捜すことになり、新聞記者や刑事から情報を得て捜索を進める。そして、一人の男に目をつけた…。東京・吉祥寺を舞台に描くミステリーは、著者初の文庫書き下ろし!
流石の私でも犯人の目星がついた(笑)筋読みよりおかまの京子ちゃんはじめ妙に大人びている息子など出演者がなかなか個性的で良かったわ。シリーズものなのね。 -
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ネタバレ児童虐待死の報がメディアを賑わす昨今、物語の入りには変にリアルさを感じてしまった。
そうした入りなのでDVから逃れた先でボクシングに出会うストーリー立ては十分に予想できました。
ただし予想としてはDVに打ち勝つ手段としてのボクシングであったので、その点は違っていましたね。
強くなりたくはあっても、それは暴力からでもDV夫からでもなく、何もなかった自分に勝つというものでした。
用意した題材とその先に見るモノが異なるな…と言うのは五十嵐先生の作品では自分にはよくあること。
その後の展開にもこのDV夫が障害になるのではないかと緊張しながら読み進めていたのですが思ったより障害にもならず、少なくともこ -
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五十嵐貴久って リカのイメージが強すぎてホラーのイメージしかなかったけど こんなハートフルな話も書けるんだねー。さすがプロ 笑。
最終章では ホロっと泣けた。気がついたら 涙が出てたって感じだった。適用間違ってるかもしれないけど まさに 情けは人のためならず と。
少子高齢化 共働きがフツーなりつつある現在 元気な高齢者には どんどん社会進出して いろんな役割を担ってもらえたらと思うけれど 現実問題としては難しいのか なかなかそういう方向には進んでいかないね。
がんばれば がんばるほど 息苦しくなりがちなのは 家庭も仕事も人間関係も同じだなぁ。頑張りすぎず 自然体というのが 1番難しい。 -
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警察側ではなく犯人側に寄り添いながら読み終えるという、珍しい一冊になった。
罪のない幼い3人もの子供達を殺害した人間を美化することも正当化することも許されるわけではないが、
誰も救われず報われることのない、心が痛むばかりの人生を選んだ犯人の心情は察するに余りある。
子供達は閉鎖的で小さな世界に生きている。
まだ幼い彼等は逃れる術を持たない。
ひとつの小さな命が消えた時、その周りには罪深い人間が多く存在した。
人は正しさだけでは生きていけない。
過ちも犯す。
そしてそれを赦すことも大事。
ただ、愛が深ければ深い程、誰かを憎まずにはいられない情がある。
この犯人は、息子をいじめ自殺に追いやっ -
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夫のDVから逃げて、娘と2人で新たな生活を始めた愛。
ひょんな事から通うことになったボクシングジムで、女子プロボクサーを目指すことになった。
女版ロッキーでした。(笑)
無理と言われようと戦うために辛い練習を積み上げ、タイトル戦に挑む。
ありえないという展開も、妙に納得し、最後は愛を応援していました。
真利男が現れないはずないとは思いながら、あのタイミングは嫌だーと悔しくて、悔しくて。
勝ち組負け組は嘘。それは結果だから。
勝てなくてもいい、リングに上がるのを怖がらないで。自分の足で立って戦えばそれでいい。
ママが教えて上げる。勝ち負けよりもっと素晴らしいものがあるってことを。
愛ちゃ -
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2014年から1981年にタイムスリップした男が、81年には発表されていない名曲たちを新曲として発表していく…。
昔、タイムスリップした日本人のバンドが、当時未発表だったビートルズの曲をリリースするという漫画があったが、基本ラインは同じ。多少の罪悪感はありつつも、新曲としてリリースし、昔の人たちに熱狂的に受け入れられていく。1981年の世界でリリースされる名曲がどんな売れ方をするのかがとにかく楽しい。選曲に関しては異論もあるだろうが、そんなに違和感はない。ドリカムが入っていないのが不思議だなと思う程度。
1981年当時のことを少しでも知っていて音楽に多少なりとも興味を持っている人は楽しめる小説 -
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ネタバレ息子が、同級生のいじめにより自殺し、それを防げなかったと悔いる父親。息子の復讐のためとはいえ、20年もの間、ここまで己を律し、ストイックに生き続けることができるのだろうか。
父親にその思いを遂げさせてあげたい。読み進むうちにその思いは募るが、しかし彼の犠牲になった子供たちに罪はない。
真相が明らかになるにつれ、題名の『贖い』が心に重くのしかかってくる。
追われるもの=犯人の心のありようと共に、追うもの=刑事たちのそれぞれが持つ心の闇を描くことによって、重厚な作品となっている。
それぞれの葛藤を抱えながらも、遂に犯人に辿り着く。
星野刑事と犯人との息詰まる心理戦は、どちらに心を寄せたらいいのかと -
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東京、埼玉、愛知で立て続けに殺人事件が起きる。
被害者は、それぞれ小六、中二、一歳の子供。
当初から、犯人らしき者が登場し、「WHAT」よりも「WHY」を主眼に置いた作品のようだ。
物語は、犯人を追及する警視庁や各県警の刑事たちの地道な捜査活動が、交互に詳述される(誰がどこの警察の所属なのかを確認するため、人物一覧表を作ってしまた)。
その刑事たちは、それぞれ何らかの過去を抱えており、行動に支障をきたす場面もあるが、捜査の過程でそれらが次第に明かされる。
星野警部が犯人を確信しているような行動を続けるが、動機が解明されるのは、次巻のようだ。 -
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将軍狙撃未遂事件の捜査のために普段は敵同士の2人が最強のタッグを組む。
例えるならナメック星で悟空とベジータが共に戦うあのワクワク感。
珍しいのは、それが坂本龍馬と土方歳三ってこと。
これまた王道ではあるが、ズボラで人たらしな龍馬と神経質で粗野な歳三の正反対っぷりが面白く共通点は2人とも現実主義者で実務家であるというところ。
捜査を進めていく中で現れる様々な登場人物も幕末オールスターズといった面々で、ファンならニヤニヤしながら読めますよ。
何にしても歴史物というよりバディ物って感じで読み易いです。
最後にちょっとした(?)サプライズもあり、最後までテンポよく読み進められます。 -
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ネタバレ37歳独身でついにマンションを購入した川村晶子。
会社でもそこそこの役職についている晶子だったが、新商品の発売にミスがあることがわかり
取引先の会社の男の子と徹夜で作業することになった。
それがきっかけになり、仕事でもプライベートでもやり取りすることになったのが14歳年下の児島くんだった。
ルックスもよく、聞き上手な青年の児島くんに想いを打ち明けられた晶子の
年齢差や社会的立場などの葛藤。
理屈じゃなくて、大切なのは自分の気持ちだと気付いた晶子。
別れておしまいかと思ったら、意外とハッピーエンドだった。
小川弥生の存在がもっとぐいぐい出てくるのかと思ったけど、そうでもなかった。
最後