五十嵐貴久のレビュー一覧
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三谷幸喜さんの「ラジオの時間」を思い起こさせた.限られた時間・環境で最善を尽くす男たちの想い.吉祥寺探偵シリーズの著者しか知らなかったが,他の方の感想の中で,吉祥寺シリーズは彼の本領を発揮できていないというようなコメントを見て,手にとった一冊.なるほど,とても面白い!!吉祥寺シリーズとはまったく違う一面を見れてとても得した気分.
以下あらすじ(巻末より)
「この番組が終わったら死のうと思います」深夜の人気ラジオ番組に一通のメールが届いた。ディレクターの安岡は自殺を止めるよう呼びかけたいと主張するが、周囲は大反対、番組は始まってしまう。ところがパーソナリティのカリスマ芸人・奥田が、突然メールの -
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ネタバレ川庄さん、今度はコンビニジャックか。
いろいろ大変だなあ。私の中では、彼は「ダイ・ハード」のジョン・マクレインのイメージ。ぶつぶつぼやきながら、それでもなんとか事態の改善を図ろうとする。でも熱血じゃないので、必死にがんばったりしない。その力の抜け具合を楽しむのがこのシリーズなんじゃないかと思っている。
緊迫感を出すためか、小学校に爆弾を仕掛けた、というのだが、これがまた最初っから現実味がない。でも川庄は息子のことが心配で、そのために必死になっているのだ。ただ読んでいてその切迫さに共感できないので、「なにやってんだよ」という気分になってしまうのが玉に瑕。
リアルな籠城物というよりは、ファンタジー -
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ネタバレ3〜4年前に買った本。自分で買ったにも関わらず、本が分厚いから、という理由で読むのを敬遠していた。が、いつものように、後半になるにつれて読むのが止まらなくなっていった。多少、「ん?いきなりこんなの出てきておかしくない?」と思うような所はあったけれど。私は、本を大体湯船に浸かりながら読むのだが、この本に熱中し過ぎて、本を読み終えた頃にはお湯がお湯でなくなっており、風邪を引いたくらいだった。
特に冬子さんの日記が面白かった。一途に誰かを思うことって、素敵なことだなと思った。あとは、素直になれない辛さも共感。あのように正確な日記なんてなか絶対ないと思うけれども、あんな風に細かく日記を書いていると、 -
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吉祥寺で探偵の傍らコンビニでバイトする川庄を主人公にした書き下ろしシリーズの第三弾。今回は探偵よりもコンビニのアルバイト店員として川庄が活躍する。
川庄がバイトするコンビニに突然、フルフェイスのヘルメットを被った6人が押し入り、客と店員を人質にして籠城する。6人が警察に出した奇妙な要求…6人の正体は…6人の目的は…そして、事件の結末は…
『TVJ』、『交渉人・籠城』、『誰でもよかった』に続き、本作も籠城物であることに驚いた。一体、五十嵐貴久はどれだけ籠城フリークなんだろうか。『誰でもよかった』はイマイチの結末だったが、本作は少し苦しいながらも、納得のいく結末だった。 -
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吉祥寺にあるコンビニのアルバイト店員,川庄38歳.妻は男に走り,息子には育児怠慢だと責められ,バイト先では後輩の学生店員に注意を受ける始末.そんなある日,オカマの京子ちゃんから,一年前に忽然と姿を消した少女の母親を紹介される.成り行きでその少女を探すことになるのだが・・・.面白い!!ここまで情けない探偵というのも例をみないんじゃないかな.そして何より情けないのが,この主人公と僕自身がかぶって見えること.僕も情けない男なのだと写し鏡をみるようで,ちょっと嫌だった(笑).シリーズ化されるようで,早くも次作が待ち遠しい.情けなくも情に厚い男,川庄に幸あれ♪
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不運が重なり全く志望していなかった工業高校に通うことになってしまった高校生男子「カジシン」と、ゆかいな仲間たちの青春小説。
キャラクターがとってもいい!
長所よりも短所の方が多いかも?な高校生達(と大人達)が自分の持っている武器(ある人は頭脳、ある人は話術、ある人は腕力、ある人は人脈)を最大限に活かして「キューブサット」作りに挑戦。
「キューブサット」とはなんぞや?でしたが、いつの間にか一緒に成功を祈っている自分がいました。
何かに夢中になっている時間のなんて眩しいことか…。
気力ってなんだろう?と最近考えていて、
あれもしたい。これもしたい。と思う「欲」なんじゃないかと思い始めていたけど、