五十嵐貴久のレビュー一覧
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五十嵐貴久版ダイハード!
しかし、その主人公は女性!
筆者の幻のデビュー作とのこと。
エンターテイメント作品として楽しめました。
お台場のテレビ局がテレビジャック!
犯人たちの目的は?
アラサーの経理部女子社員が人質になった恋人を救うため、一人で犯人たちに立ち向かうという展開。
いや、この女性、すごすぎる。
ブルース・ウィリスの女性版でしょ(笑)
犯人たちに立ち向かうといっても、拳銃バンバンっということではなく、あの手、この手でかく乱するというのが近い。
いろいろ突っ込みどころはありますが、その辺はあまり気にしないで、ストーリ展開を楽しんだ方がよいでしょう。
映像化されたら見てみたい -
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ネタバレリカクロニクル最終巻。
本来なら「生まれ変わり」「再生」と救いを連想させるはずの〈リボーン〉は、このシリーズでは恐怖の再生でしかありません。
そして驚いたのは、「リカ」が五十嵐貴久さんのデビュー作だったということ。あまりに強烈なキャラクターを、最初から世に放ってしまった。その後、時間をおいた時期もありましたが、20年をかけてついに“次世代のリカ”まで描ききっての終幕です。
作者が薦めるように刊行順で読んだあと、時系列順で読み直せば、より鮮明にリカクロニクルの全貌が見えてきます。
というより、読み直さないとすでに忘れがちですわ。
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ネタバレ「リベンジ」はリカシリーズ第8弾にあたり、物語の時系列では『リターン』の続きとなる。
本作では、リカに銃弾を放った元女性刑事が再び彼女と対峙する。前半にはこれまでのシリーズを振り返るような要約的な文章が含まれ、読者をこれまでの軌跡を思い出させながら物語はラストへと収束していくようです。
シリーズを読み続ける中、「この物語はどこに帰着するのか」とは思っていました。この『リベンジ』で描かれる展開は、その問いの一つの答えかと。リベンジするのは、誰なのか?
そして、この後に続く最終巻『リボーン』というタイトルが、よりいっそう意味深くなりますね。
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リカ・クロニクル第7弾
時系列では「リバース」の後。
医師だった父を亡くし、母と妹・結花は新興宗教に入信。残されたリカは親戚に引き取られ、新たな高校生活が始まります。
リカを引き取った家の母親もなかなかの策士でしたが、それを上回るのがやはりリカ。彼女が現れた途端、連鎖的に自殺に見せかけた殺人が続発していきます。
引き取った家族は彼女を「結花」だと信じ込み、本人は「リカ」だと名乗る。そのねじれが物語に謎を残します。
タイトル「リセット」が何を指すのかは、まだ明確に回収されていない印象。作者自身が何かをリセットしようとしているのかもしれませんが、それはシリーズ全体を読まなければ見えてこないの -
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リカ・クロニクル第5弾。
過去と現在が交錯し、読者の視点さえ揺らすような構成となっています。物語は、誰の視点なのか、どの時点の出来事なのかが一瞬わからなくなる場面があり、登場人物たちと同じく読者もだまされる感覚です。ちょっとした叙述トリック。
やがてラストに明かされるのは、真犯人の哀しい過去——リカに誘拐され、リカに同化するかの運命となる出来事だった。この真犯人は、リカストーカー事件の被害者の娘。親子でその心の闇に、リカが入り込み、完全に支配される姿は、シリーズでも特に不気味で不幸。
「リメンバー」という言葉は、忘却を許さず、恐怖も悲しみも永遠に刻みつける。読後、心に居座るリカの存在は、物語を -
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リカ・クロニクル第4弾。
『リハーサル』は、あの事件の予行練習なのでしょうか
ある病院の看護師募集に現れたリカ。
するすると病院内に入り込み、気づけば誰もが彼女に巻き込まれていく。
ストーカーの異常性も、狂気に呑まれていく日常も、どこかで読んだ記憶が——
けれどこれは、まだ“本番”ではない。
すべては、あの“リカ”へと続くリハーサル。
……こわっつ。
「私、リカよ」
その一言に、ふと思い出したのはあの懐かしい“リカちゃん電話”。(現在もあるらしい)
あまりに対極な存在が、同じセリフを使っている。
もし偶然なら、なかなかのマッチング。
もし意図的なら——五十嵐さん、あなた天才です。
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『リバース』は、2016年に「PONTOON」での連載を経て、同年10月に加筆修正のうえ文庫化された作品。
前作『リターン』で描かれた事件の10年前、主人公たちの幼少期にさかのぼる前日譚。
物語は、双子の姉妹・梨花と結花の関係性から、父親の重すぎる愛情を一身に受ける梨花、そしてその梨花達に躾という体罰を続ける母親。歪んだ家族の中で少女たちは育ち、壊れていきます。
屋敷という閉鎖的な空間、家族の中に潜む狂気、そして双子という“もう一人の自分”の存在が生む不穏さ。その構図はどこかゴシック文学の趣があり、ホラーというよりも、病的な愛と憎しみの交錯の心理劇。
なお、この物語は、お手伝いの女性が差