辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ最初から最後まで重苦しい空気がまとわりついている。
女同士の嫉妬や値踏み、暗黙の了解。
子供の頃から女の子は、その世界に生き、育っていくリアル。
ましてや母娘は、最も距離が近い同性だ。
母を見て育つ娘。同性だから分かること、許せないこと。その深く沈んだ心理が、本作にはリアルに、繊細に描かれていて、読んでいて苦しくなる。
ゼロ、ハチ
ゼロ、ナナ
タイトルにもなっているこの数字。
文章に出てきたのは1度だけ。
文字を認めたとき、衝撃が走ったのは否めない。
この数字をタイトルにしたことにも。
女、女の子、女性。
彼女らは生きている。必死に。
どれが正解かは人によるけれど、同じ女性として、自 -
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上下巻で1200ページ弱というボリュームなのに、読み終えた瞬間、この先の物語をもっと読みたいと思うほど没入しました。
8人それぞれのエピソードが丁寧に描かれていて、誰の物語も“脇役”で終わらないのが本当にすごい。特に第14章は、単独で一冊の短編として成立するレベルで、傷ついた友人のためにそこまでできる理由が腑に落ちた瞬間、胸がぎゅっとなりました。
読み進めるうちに「ん?人数が合わない…?」と違和感が生まれるのですが、真相に辿り着いた時の衝撃はこれまで読んだ作品の中でもトップクラス。思わずページを戻って「ここか!」と声が出るほどの見事な伏線回収でした。
ラストは静かで美しく、彼らにとっては -
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ネタバレ人間の感情の根底を覗き込んだ気分。
留利絵が蘭花に見返りを求めた上での親切心は、幼少期から遠回しにされていた自分自身を見捨てないで欲しくなかった気持ちの表れだと感じた。
きっと留利絵は物語の主人公みたいに(この物語の第二のヒロインではあるが)、「自分は皆んなとは違う特別な存在」になりたかったのだろうと思った。だからこそ、留利絵自身には持ち合わせていない、自分自身を貫き通す性格の稲葉先輩や圧倒的な美貌を持ち、聡明で、憧れの存在であるような蘭花に傾倒していったのだと思う。そんな人と一緒にいる自分は特別で、皆んなからちやほやされるに違いないと思う留利絵の認識。幼少期のトラウマを埋めるための蘭花だった -
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辻村美月による家族をテーマにした短編集。
天才作家×家族 は外さないとは思っていましたが、予想以上に良かったです。
家族というものに対して、万人が、家族って良いもんだよなって思っているなんてことはないと思っています。いろんな事情があると思いますし。
それでも、これを読んだ後は、久しぶりに両親に電話してみよっかなという気にさせる力がある本だと思います。
どの短編も甲乙付け難いのですが、「タマシイム・マシンの永遠」がコンパクトながら、グッとくる内容でした。
愛が不足してるなーって時に読んでみてください。最高のサプリメントですよ笑
◾︎「妹」という祝福
p36「どうして、広瀬先輩とケンカし -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白すぎた…
かなり序盤で時代違うとか、喜多嶋先生キーパーソンとか色々勘付いたけど、まだまだたくさんたくさん伏線あって面白かった〜倉庫から取り出したテレビと現役で使ってるゲームの端子違う時点で、設定ミス?って思ったよね?大人が読むとみんなそんなもん?
さすがに国内同地域だとしても時代によって文化とか話し方違いすぎるだろうから無理がある設定だと思ったけど、それでも面白かった〜
でもやっぱ記憶ないんだし、みんなの更生の描写もちょっと無理あるよな、まあそこは本筋じゃないけど!あと、理音、お姉ちゃんって気づいてたら鍵の場所すぐわかるでしょ!
最初は、小学生のときに読んでた本みたいな文体で、懐かしい〜 -
Posted by ブクログ
雪の静けさから始まる物語に、中高生の自殺という重いテーマ、そして主人公が仲の良いグループという設定が重なって、読み始めてすぐに『ソロモンの偽証』を思い出した。「これは絶対おもしろい」と期待が一気に高まった。
8人の高校生のうち、どうしても気になってしまう“名前”。ただの設定ではなく、物語全体に意味を投げかける仕掛けのようで、上巻ではその意味は明かされなかったので下巻に期待です。
最初は状況を深刻に受け止めきれなかった彼らが、少しずつ「思い出せない何か」と向き合わざるを得なくなる過程は本当に苦しい。閉ざされた校舎の寒さが、そのまま心の温度にも影響してくるようだった。
読みながら何度も思った