伊坂幸太郎のレビュー一覧

  • ペッパーズ・ゴースト

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    ・「ペッパーズ・ゴースト」の暗喩する存在。幾度もの不条理に巻き込まれながらも最後は希望を託して世間から姿を消すことを選択した有志たち。彼らへ思いを馳せるラストのフレーズは、どんな困難が続いたとしても、一筋の希望を見出す後押しをしてくれる。

    ・随所に引用されたニーチェの言葉とそれに添えられた著者の解釈が登場人物の心情描写と絶妙にマッチング。

    ー一つでも魂の震えるほどの幸福があれば!
    人生で魂が震えるほどの幸福があったなら、それだけで、そのために永遠の人生が必要だったんだと感じることができる。
    これが生きるってことだったのか?よし!じゃあ、もう一度!

    ーこの世の嘆きは深い
    喜びのほうが、深い

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    2026年02月03日
  • 陽気なギャングは三つ数えろ

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    ミステリー好きなのにハラハラするシーンが苦手で(だからこそ結末が気になってめちゃ読み進められるんだけど)今回の成瀬はすごく落ち着いていてあまりドキドキせずに読めてよかった。ハッピーエンドが決まってる話はなんて安心して読めるんだろうか〜

    ところどころのセリフにギュンっと救われる
    「鬱と心の強さは関係がない」

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    2026年02月04日
  • マリアビートル

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    ネタバレ

    結構な物騒なお話なのに、前回のグラスホッパー同様、軽妙な会話が楽しい。

    蜜柑&檸檬の殺し屋コンビが大好き。
    殺し屋なのに応援してしまうのはなんなのか。
    さすが伊坂さん!
    トーマス大好きな檸檬が特に好き。
    檸檬のジャケットに文庫があったという。
    蜜柑おすすめの本だよね。
    泣けてくる。

    グラスホッパーの鈴木や槿(あさがお)がまた登場して嬉しかった。

    中学生の王子だけは許せない。
    伊坂さんの作品は登場人物みんな憎めなくなってしまうのに、こんなにも嫌いなキャラが出てくるのも珍しいかも。

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    2026年02月02日
  • ホワイトラビット(新潮文庫)

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    黒澤が登場する話は結論だけ言えば大抵は面白い、ことが多い。レ・ミゼラブルを知ってる人が読めばより面白いのか、駄作だと思うのかは知らないが、ホワイトラビットを読んだ後に触れても面白いのかという一点においては安易に想像できるかと思うのでその想像力の果てに乞うご期待してほしい

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    2026年02月02日
  • 重力ピエロ

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    ネタバレ

    エンタメ的な面白さでスラスラ読めると同時に深く考えさせられる、アンバランスな魅力のある小説でした。母親がレイプされた末に生まれた春の掴みどころのない言動は、彼が実の父親へずっと抱いていたとてつもない憎しみを隠すための道化であったのかと思うと辛くなります。育ての父親が春のしたことを察しながらも、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」とあっさり家族としての繋がりを説いたシーンは、血の繋がりではない真の親子愛に心動かされました。家族の繋がりとはどのように証明されるのか、そんな問いを投げかけてくる物語でした。

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    2026年02月02日
  • AX アックス

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    裏では淡々と人を殺す殺し屋、その表では恐妻家であることのギャップが新しい感覚で非常に面白かった。所々クスリと笑える表現があり、楽しめた。

    最後の克己と兜のシーンが交互に表現されている所が緊張感があり面白かった。

    蜂のくだりは面白かったが、最後、兜の様子を見た親子が天国に行ったペットと結びつけているのはなんとなく違和感があった。

    知らなかったのだが、殺し屋シリーズとやらの三部にあたるらしい。また気が向けば他の作品も読もうかな。

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    2026年02月02日
  • 死神の精度

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    短編シリーズでありながら、一話一話の完成度が非常に高く、とても引き込まれる作品だった。淡々とした語り口の中にユーモアと温かさがあり、読み進めるほどに物語の世界観に惹かれていった。

    特に死神・千葉のキャラクターが印象的で、感情を持たない存在でありながら、音楽を好むという人間的な一面に強く共感した。その少しズレた感性が、かえって人間社会を鋭く映し出しているように感じられた。最後の話では、「生きること」や「運命とは何か」を静かに問いかけられ、読後もしばらく考えさせられる余韻が残った。短編でここまで深いテーマを描ける点に感心し、次は長編作品も読んでみたいです。

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    2026年02月02日
  • ホワイトラビット(新潮文庫)

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    そわそわするけどスッキリした。伊坂さんが嫌な結末にはしないと信じてたし全部を回収してスッキリ、もしくは最初から読み直したくなる最後になると思ってたけど裏切られなくて良かった。モヤモヤは苦手なので助かる。

    最後まで読まなくても途中でページを戻ってばかりだったけどね。

    黒澤さんは人気みたいだけどすごくわかる。スマートでちょっと面倒ごとに巻き込まれてて可哀想だけど何とか切り抜けるところ。

    ろくな死に方をしない、って言うの良かった。

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    2026年02月01日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの合作の小説です。2人で思ったよりきちんと文書や話を推敲しあって作った長編小説のようです。

    相葉時之はかつて少年野球のピッチャーを務めていた男でした。性格は行動力がある反面、あまり深くものごとを考えないため、いつも失敗してしまいます。後輩の女性を助けようとした結果、代わりに多額の借金を背負うことになります。この借金返済のため、心の拠り所だった実家を母から売却されてしまい、相葉は家を買い戻すための資金を必死で探していました。

    井ノ原悠は、相葉とバッテリーを組んでいたキャッチャーで、常識な社会人です。小さい子供がいますが、原因不明の皮膚病院を患い治療費が嵩み、借金

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    2026年02月01日
  • 砂漠

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    伊坂小説トップ3みたいなYoutubeで、大学生活を描いた青春群像劇、と紹介があった

    内容には触れないながらも、あまりにも褒め称えるので、読んでみたのだった

    確かにそのまま青春群像劇

    砂漠に旅に出たりするのかなと思いきや、砂漠は全く出てこず笑

    大学生活がオアシスで、社会人生活が砂漠、という比喩のようだ

    別にそういうわけでもないと思うし、もはや青春時代をとっくに過ぎた自分からすると、より若い10代や20代には刺さる物語なんだろうと思う

    速読で2日間で一気読みできた

    多分消化率は通常読みと比べてそれほど大差ない

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    2026年01月31日
  • アイネクライネナハトムジーク

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    すごい久々の伊坂幸太郎作品。
    もともと斉藤和義さんの曲聞いてたから、思ってた以上に歌詞通りでびっくり笑

    ラッシュライフを初めて読んだ時のような、登場人物たちの意外な関係性への驚きや、登場人物総活躍の感動を味わいました。
    ラッシュライフ、中学の時にめちゃくちゃ好きで何回も読み返したなぁ。

    ナハトムジーク、オチのところで泣いちゃった。
    めっちゃ大好きなポテチ。を思い出した笑

    ゴールデンスランバーまでは全部読んだから、(今となっては初期作品?)久々に他の作品も読んでみようかな!

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    2026年01月31日
  • 重力ピエロ

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    初めての伊坂作品。
    冷笑?論破?じみた台詞回しは少し苦手だな、と思いつつも、ストーリーの面白さと、とにかく最初の一文の衝撃のまますらすら読めた。
    伏線も多く、読みながら「もしや、、?」と思う部分と、さっぱりわからず答え合わせを大人しく待とうと思う部分のバランスが良く、最後の数十ページはページを捲る手がとまらなかった!
    他の作品も読んでみたい。

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    2026年01月31日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    伊坂幸太郎25周年特別版のカバーに惹かれて購入
    合作ということでどうかなって思ったけど、買って正解だった。

    勢いだけ良くていつも肝心なところで選択を間違える相葉と、真面目っぽいけどなんだかんだと相葉に付き合う井ノ原のコンビがとても良かった。
    特に相葉の、自分のせいで他人を不幸にしてしまったことを内心では悔やみながらも強がりが出て、また自己嫌悪するという人間臭いところがかなり好きだった。ちょこちょこ「ちゃんと考えて動きなよ…」って思うところもあったけど、そこも含めて相葉っていう人間って感じで、最終的には好きになってた。

    話的には、テロの話は片付いた実感がない感じで呆気なく終わるし、借金もなん

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    2026年01月30日
  • AX アックス

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    ネタバレ

    シリアスとコミカルのバランスが上手い、ズイズイ読み進めてしまう。後半のパズルのピースがはまっていくスピード感が好き。

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    2026年01月30日
  • シーソーモンスター

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    知らなかったが、8作家による螺旋プロジェクトなるものが生まれていて、その一冊がこの伊坂幸太郎の「シーソーモンスター」だった。
    昭和後期と近未来を舞台に、海族と山族の対立を扱う。対立がなければ人類は進化しないとAIが対立を企むくだりは背筋が凍る思いだった。
    やはり伊坂幸太郎らしく、話の中に現代の行き過ぎたデジタル化への警鐘が見え隠れしていて、大いに共感した。

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    2026年01月30日
  • ペッパーズ・ゴースト

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    現実が誰かの書いた小説…
    そうかもね…。

    同じ人生が永遠に繰り返される…
    私の場合、そうであっても楽しめる。

    未来がわかると危険を回避できたりして、いいかもだけど。やっぱり、未来はわからないからいいのかも。

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    2026年01月29日
  • 終末のフール

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    8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡する。そう予告されてから5年が過ぎたころ。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地に住む人々を中心に余命3年という時間の中で人生を見つめなおし、いかに普通の生活を生きようとするのかがテーマの本作。
    自分だったらどう生きるかと考えながら読むのが心に響いた。(多分冬眠のガールに近い生き方をしそう)
    日々つらいことがあっても、それでも生きていかないといけないんだ。を考えるいいきっかけになる。

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    2026年01月29日
  • 重力ピエロ

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    先に『死神の精度』を読み、作中で春らしき登場人物が出てきたので気になって本作を読みました。
    “春が二階から落ちてきた。”
    季節が巡ることの詩的な表現かと思いきや物理的に春が落ちてきて一気に魅了されました。(笑)

    伊坂さんの作品は個性強めのキャラクターと軽快な会話が見どころの一つなので本作も春という少し?結構?変わった人物と春と比べたら比較的まとも枠の兄泉水との哲学的な会話がテンポよく描かれていて良かったです。
    様々な分野での偉人の引用や普通に生活してたら一生知らなかったであろう雑学を知れるのも魅力の一つですね!

    遺伝子と放火とグラフィティアート、この三つが繋がった時の真実は重く苦しいもの

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    2026年01月28日
  • フーガはユーガ

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    兄の優雅と弟の風雅が、誕生日に2時間に1度身体ごと入れ替わるという不思議な力をもって、様々な困難に挑む物語。
    伊坂幸太郎さん特有の「痛快さ」を堪能できる小説。

    幼い頃から受け続ける父親からの虐待を中心に、中学生、高校生と成長する兄弟の身に起きた出来事を回想形式で辿っていく。

    兄弟が中学生の時に起きた小学生女児虐殺事件、風雅の就職後に起きた女子高生の事件、大学生の優雅のハルコさんとハルタくんとの出会い、父親との直接対決、最後に暴かれるテレビ記者の高杉の正体…。

    それらの出来事が最後に繋がった時、見えた景色は壮絶で過酷なものだった。結末も決してハッピーエンドとはいかない。

    しかし、彼らは自

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    2026年01月28日
  • 死神の精度

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    ⭐︎3.8
    千葉と調査対象の人間の判定までの数日間を描いている連作短編。共通の設定のなかでも、ミステリーだったり、恋愛だったり、ヤクザだったりと色んなジャンルが読めて楽しい。
    淡々と仕事をこなし、興味がないと言いながらも人間達となんだかいい関係を築いてしまう千葉のキャラクターが魅力的だった。人間独特の考え方や感覚がまったく理解できないのも面白くて、死神という立場の活かし方がいいなぁと。最後のエピソードではサプライズもあってほっこり。
    新装版の特別インタビューにて、判定が「可」なのか「見送り」なのか、結果を楽しみにする作品にはしたくないという言葉があって、伊坂さんらしい考え方でいいなと思ったし、

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    2026年01月28日