伊坂幸太郎のレビュー一覧
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■殺し屋シリーズ第4作(2023年9月)書き下ろし
マリアビートルと同じく、天道虫こと七尾が主人公。今回はホテル空間内で起きる殺人事件。
表紙はキーになってるエレベーターの内部かな?
驚異的な記憶力の女性(紙野)を巡って、殺し屋がホテルに探しにくる。vsそれを守る業者。
七尾は今回もまた早とちりで業者を殺めている。
殺し屋シリーズにしては初めて女性ペアの業者(マクラとモウフ)が出てくる。悪者かと思っていた乾の落とし所も良かった。
次回作があるなら、
前作までに亡くなってしまっている、過去の業者(檸檬、蜜柑、兜の結婚前)などの生前の活躍っぷりや、女性業者が主人公なのを読んでみたい。
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登場人物たちはいかにも伊坂さんらしさ満開の仙台の人々。ちょっと変だけどユーラスな人たちで一捻りある感じ。この世界では3年後には今近づいている宇宙からの天体によって人類滅亡が確定的な世の中。だからそれがわかった2年前からは大変な騒ぎになってかなりディストピア化したのだが、どうやらその騒ぎも収まりつつある、それでも結構治安の悪い日常という設定。
最初はまぁゆったり読んでいたんですけど、出てくる登場人物の友達設定の家族が自分にはとても印象的だった。その友人には不治の病の娘がいる。親が何かの関係で亡くなったらとか、先に死ぬ娘を思うと辛い状況だったのだが、人類がいっぺんに滅ぶのなら、家族全員で同時に死ね -
Posted by ブクログ
グラスホッパーに続く伊坂幸太郎殺し屋シリーズ。映画化されることを狙ったというだけあって、頭からハリウッド的にストーリーが急展開するといえばいいのか、その狙い通りにブラッドピット主演で映画化されたとは大したものだ。
しかし殺し屋たちは手際良く仕事が出来ずにいろいろ混乱する。これでいいのか檸檬と蜜柑。腹立つ中学生も全くなんだ。ついてないやつを見守るスラップコメディーか。作者の思惑にまんまと嵌められて新幹線の進行と共にストーリーを追いかける。新幹線に追われる感じすらある。結局は人は死ぬけどそれほど酷い話でもないと思わせてしまうとは罪な作家だ。終わりのオチもまあちょっと洒落がある。
出張の途中では読み -
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久しぶり、10数年ぶりに読む伊坂作品。。中学生のときめちゃくちゃ読んでたのに、本を読む習慣がなくなり、ブランクが空いてしまった。これから過去作も追っていこうと思えた、こういう雰囲気が好きなんだったなと懐かしい感覚。
本著はフェスのために毎年1編ずつ書かれたものをまとめたという経緯がある少し特殊な作品。登場人物が多くなくて助かる。"ナノ"世界と"こっち"の世界が、互いに関わることはないが不思議に交わっていく。こういう辻褄が合って妙に気持ちよくなるストーリー性が伊坂さんの小説だよなあ、とここでも懐かしくなる。
門倉課長のエピソードだったり、松嶋くんの物語 -
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ネタバレ2007年くらいにグラスホッパーを読んだきり、
時を経てなんとなくマリアビートルを買った。
木村→果物→七尾と展開が始まるわけですが、
冒頭から木村が出てきてこれが主人公(?)と思いきや、ここで提示していたのは完全巨悪の王子の存在、そのあと七尾のコミカルさを認識して初めてこっちが主役かと気付く。
王子に関しては一から十まで不快さを覚えさせてくれた。
特に暴発拳銃や檸檬の合言葉など、前半で仕掛けた伏線を王子が全て、見事にかわしてしまう、読者からみれば不快で仕方がない。
「思惑が外れて苛立ちを感じる読者を王子というキャラクターが嘲笑っている」という意味合いもあるんだろうか。そうだとしたらうまい -
Posted by ブクログ
ネタバレ春が二階から落ちてきた。
本書はこの1文にサンドイッチされている。さすがは伊坂幸太郎、洒脱なセンスだ。
さて、この「重力ピエロ」という話は、語り手である「私」だけの物語ではない、と自分は思う。
この物語の主人公にはあと2人「春」と「父」がいる。あくまで本書は、三者の視点の中の一つの「私」の視点に限定されている。それはなぜなのかは、本書は一応ミステリー小説であるから、説明するまでもないだろう。
重力。それは誰もが知る概念である。
そんな当たり前に、唯一逆らう存在。
それはサーカスで、空中ブランコに平然と飛び乗るなどの凄技を披露し、観客を夢中にさせ、挙句の果てには重力の存在などといったものを忘れ