伊坂幸太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主人公の主婦が夫を殺してしまったところから始まる物語。
そのような衝撃的な冒頭から繰り広げられる展開、そして登場人物達が語る世界観や台詞にどんどんと引き込まれていった。と、同時に、どんどんと混乱、というか整理できない状況のまま進んでいくストーリーに、ページをめくる手が止まらなかった。
そして最後まで読んでいくと明かされる事実、伏線回収に、
「ああ!確かに!」
「だからか!」
となる。その答え合わせの感覚がたまらなく面白かった。
しかし、終盤、ページ数でいうと300ページあたりからの、作品として一番盛り上がる場面はもっとページを割いたほうが良かった。あまりにも短かったので、話が盛り上がりきらないまま終わった印象が強い。
いや、十分面白いんだけどね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ有名な作家さんとは知っていたけど、初めて伊坂幸太郎作品を読んだ。
こんなに読みやすいとは。
最初のガチサスペンスな不穏なシーンから、すぐにどんどんSFチックになっていくのが面白い。
なんか夫を殺したことが全然重大じゃない扱いになってるけど、量子は最終的にどうなってしまうんだろう……とずっと気になりながら、怒涛の追跡劇を見守った。
ジャバウォックという未知なるものが登場したけど、ヒトの凶暴性と温厚さとか、現実にあるものがベースにあるから自然と受け入れられた。
こごろうの正義感が強すぎるがあまり過激になってしまってるキャラが結構リアル。
こういう人、現代にも多そう。
破魔矢と絵馬はその名前から、最初神社の精霊か何かかと予想したけど、普通に人だった。
そのニックネームが生まれたエピソードとか、2人の関係性が素敵。
斗真と北斎の関係もよかった。
応援する者が批判する者に変わり、最後には支える者になるってぐっとくる。
世間の北斎への態度を見て、大衆は物事の一部だけを見て一瞬で攻撃したり讃えたりするものなんだな……と思った。
でもまた歌えるようになってくれてよかった!
随所で量子が現実世界に違和感を感じる場面には引っ掛かりを感じていた。
いくら世間から離れてる専業主婦でもさすがに買い物くらいは行くだろうし、こんなにわからなくなってるはずないよなーって。
そしたら、20年経ってた。
タイムリープとかじゃなくて、乗っ取られてる間の記憶が抜けてたというのが斬新。
食事とかどうしてたんだろう。
ラストの数ページでどんどん謎が解き明かされていくのが気持ちいい。
あれはなんだったの?に、ほぼ全部きちんと答え合わせしてくれて親切。
息子がいい子に育ってくれててよかった!!
お母さんどんな思いで待っていてくれたんだろう。
家族がまた会えて本当に良かった。
20年ぶりに社会復帰して、色々大変なこともあるだろうけど、モラハラ夫はもう初めからいなかったものとして幸せに生きていけるといいな。
結局事件そのものは防げなかったけど、収めることはできたし、ハッピーエンドなのかな。
あんな騒ぎを起こして、何も悪くない人達まで犠牲にして、こごろうよ、それはお前の主義に反してるんじゃないのか?とは思うけど、面白かったからよし。