伊坂幸太郎のレビュー一覧
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⭐︎3.8
ミステリーというよりは青柳雅春を取り巻く色んな人物たちとその人間模様を描いている作品だと感じた。
私自身、普段なら事件の真相や背景はしっかりと描写してほしいと思うのに、この作品に関してはなぜかそれがあまりなかった。解説を読むと、伊坂さんはむしろその曖昧さを大事にしていると分かったし、何よりも青柳とその家族や友人、元恋人や元同僚たちとの関係性が心地よく、彼らと一緒に純粋に青柳を応援してしまう感覚になった。ちょっとしたやり取りにクスッと笑えたり、誰かの言葉にグッときたり。伊坂さんらしさがたくさん楽しめる作品だった。
「迫害されたものを、命がけで救っちゃう派と、救わない派に分ければ、救 -
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ネタバレ伊坂幸太郎さんの『ホワイト・ラビット』です。
デビュー25周年を記念したリミテッドエディションのカバーをつけた文庫本が出ていたのでそれを読んでみました。2026年の最初の本でした。
兎田孝則は、誘拐をビジネスとする犯罪組織に所属する末端の構成員として働いていました。ある日、孝則の新妻・綿子が何者かに誘拐されてしまいます。組織のボスである稲葉は、綿子を無事に取り戻すための条件として、組織の金を奪って逃げた折尾豊生け捕りにするよう孝則に命じます。孝則は妻を助けるため、その任務を受けます。
孝則は折尾が中学時代を過ごしたという宮城県仙台市へ向かい、仙台駅で折尾と鉢合わせしますが、折尾に反撃さ -
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ネタバレ伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』です。本屋大賞を取得した小説ですが、伊坂幸太郎さんのデビュー25周年を記念したリミテッドエディションのカバーをつけた文庫本が出ていたので読んでみました。2025年の年末を捧げちゃったな。
主人公は、青柳雅春です。青柳はかつて仙台で宅配便のドライバーをしていました。数年前、仕事中に暴漢に襲われていたトップアイドルの凛香を偶然助けたことで一躍話題になり、地元では顔を知られた存在となっていました。
物語は、仙台での金田貞義首相の凱旋パレードが開催される場面から始まります。首相は人気のある政治家であり、町は祝祭ムードに包まれていました。
その日、青柳は