伊坂幸太郎のレビュー一覧
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逆ソクラテス。
ソクラテスはこう言った。
「何も知らないことを知っている」
無知の知と言われる哲学的な概念は、自分の無知を自覚することによって、真の知識への第一歩であるとソクラテスは説いているのだが、
逆とは一体なんなのだろうかと気になって大好きな伊坂さんの作品を読み始めた。
子供の時、特に小学生中学生にある小さな隔離された社会によくある「いじめ」を風刺として、
大人(先生)がルールとして凝り固まった正解(自分の中での)を押し付け、半ば子供の成長を阻害させるような標的にする久留米先生を
安齋くんが「逆ソクラテス」と位置付け、うまく解決していくストーリーが見てて痛快で心地よかった。そして自分にも -
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未来のことがわかるけど何もできないカカシ
未来のことはわからないけど何でもしてしまう人間たち
何もできないカカシが何でもできてしまう人間たちを操って守ったものは、未来のことも信じることもわからない、何もしてくれないし何もしてこないリョコウバトだった。
リョコウバトは未来と似てる。
わたしたちはこの瞬間瞬間の立ち会った未来に対してどう対応するかだけで生きている。壊すのも、守るのも、変えるのも、受け入れるのも、何もかも自分たち次第だ。人はいつだって明日が来ると信じてる。まだ見ぬ明日が美しいからだ。今日も最悪、昨日も最悪、ずっと最悪な今があって、明日もきっと最悪だと思っていても1パーセントの何が -
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ああ、自分なんてヒトという分類のなかのちっぽけな存在なんだ
頭ではわかってるつもりのこの考えが、この本で文章化されてる感じがした。
〜のつもり、〜のため、ヒトが自然に影響を与えたからこれからの向こう100年ほどで世界はもっとめちゃくちゃに...なんて大それたことゆっちゃってんなーわたしたちって思った。
ヒトはヒトが世界の全てだと思ってるけど、世界からしたらヒトはヒトっていうちょい役。
自分たちのせいで世界が滅びるなんて間違えても言っちゃダメだな。ただひたすら人間は自滅するだけ。
そう思うと自分の人生とかどうでもいいよな。
世界からしたらね?わたし自身はそりゃヒトとして生命を与えてもらってるので -
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☆3.8
猪苗代湖を舞台に現実ともう一つの世界がリンクする、御伽噺のような寓話のような作品。
軽妙でファンタジックながら、よくある人間の拙さ・幼さ・みっともなさみたいなものがこちらの世界の方の主人公である松嶋君を通して描かれていたのが印象的だった。こうして振り返って自己嫌悪しながらも、歳を重ねるに連れ『口に出さずにグッとこらえる』ことを覚え成長していくところが良い。
作品の経緯が経緯なのでかなり軽めの短編をまとめたものになっていて、読み終わって振り返ってみてもやはり読み応えには欠ける。しかも最後の一編(本編から25年後)は文庫本で追加されたもののようなので、読むからには文庫版を読むべきだろう -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったです!
小説ならではのトリック、えっそこからなの!?と最後まで楽しめました。
これも映像化不可能作品のひとつでは。
伊坂幸太郎作品というだけでリスインしていたので、泥棒の黒澤さんが出てくるとは知らずに読み始められてお得感を味わいました。
これまで以上にピンチだけれど、ふわっと上手く着地できるのも黒澤さんさすがだなぁと思いました。
罪を犯しても、更生できるかそのままズルズルと犯罪のプロになっていくかは本人の素質も出会いもあるんだろうな。
「人は簡単に白黒つけられない」「善人も悪人も見方のひとつでしかない」を底にいつも感じつつ、読んでいてわくわくできるバランスがすごい。
そうか、「