伊坂幸太郎のレビュー一覧

  • 死神の精度

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    初めての伊坂幸太郎作品。
    変な文体の癖もなく読みやすい。
    この作品は、主人公の置かれた状況の切迫感、そして、主人公は死神である以上決して死なないという安心感の矛盾が興味深い。他の作品ではなかなか味わえないアンビバレンスがある。
    私はミステリー小説が苦手なのだが、それは読み進めるほど結末に期待を膨らませしまい、その期待を超えるオチに出会えることが少ないからである。しかし、この作品はストーリーが短いため、適度な期待とそれ相応の結末があり、自分にとって心地よい読後感となった。

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    2026年02月04日
  • グラスホッパー

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    殺し屋のストーリーなので痛みを想像できてしまう描写は少々辛かったが、登場人物みな人間味があってとても良かった。シリーズで読もう。

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    2026年02月04日
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)

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    平凡な主人公が、首相暗殺という身に覚えのない罪を着せられ、暴力も辞さない追手から必死に逃げ続ける物語である。

    主人公の逃走を助けるのは、昔の友人や恋人、職場の人たちだ。彼らは主人公が犯人ではないと信じ、自分の身の危険を顧みずに手を差し伸べる。もし自分が主人公と同じ立場に立たされたとき、果たしてどれほどの人が信じて助けてくれるだろうか、と考えさせられた。助けることが難しい立場であったとしても、せめて「信じてもらえる人間性」でありたいと思った。

    主人公には、日常的に連絡を取り合う友人や恋人がいるわけではない。それでも多くの人が彼を助ける。その姿を見て、たとえ孤独を感じる瞬間があったとしても、信

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    2026年02月04日
  • 陽気なギャングの日常と襲撃

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    10年ぶりに読んだ
    印象的なシーンは変わらずで、久遠の「犬派か猫派か」の問いはやっぱりかっこいい
    響野と雪子ではなく、響野と久遠ではなく響野と成瀬が長年の付き合いなのが読んでいてよくわかる
    いつか自分が強盗に遭っても恐怖に怯えてる中、この本を思い出して一瞬だけ愉快な気持ちになれるかもしれない

    サブマリンで出てきたお店の「天々」が今回も出てきて嬉しかった

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    2026年02月04日
  • 死神の浮力

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    オーディブルで。前作を読んでから間が
    空きすぎたのも良くなかった。
    伊坂さんは、淡々とふざけている感じがしますね。
    ゴールデンスランバー、グラスホッパーやマリアビートルの方が好き。
    ドラマになればと、思ったら、前作は映画化された。

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    2026年02月03日
  • マイクロスパイ・アンサンブル

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    ネタバレ

    久しぶりの伊坂作品。

    2人のスパイと人生がうまくいかない松嶋くん。
    3人の世界が交わる瞬間に起きる小さな奇跡の連続にほっこりする。

    大きな出来事が起こるわけではないけど、伊坂作品らしい不思議な空気感と最終章での伏線回収が心地いい。

    松嶋くんが徐々に成長していく姿を見られるのも楽しかった。

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    2026年02月03日
  • オーデュボンの祈り

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    ネタバレ

    物語の場面である島ののどかさと異様な不穏さ(不気味さ)の両側面をもった雰囲気が好きだった。序中盤は謎が多く回りくどく感じたが、最後にすべてが分かったときには清々しい気持ちになれた。
    確かに、「夜景」ってなんで夜に光る明かりのことを指すんだろう。夜の静けさ・暗さを楽しむという島の住人の考えの方に納得してしまった。
    あと、タイトルの意味は読み進めるとわかるが、とてもおしゃれだと思った。

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    2026年02月03日
  • グラスホッパー

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    ネタバレ

    3つの人が絡み合う物語。それが1つになって1つずつ消えていく。
    私の知らない世界が妙に気味悪くそして楽しめた。

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    2026年02月03日
  • ペッパーズ・ゴースト

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    ・「ペッパーズ・ゴースト」の暗喩する存在。幾度もの不条理に巻き込まれながらも最後は希望を託して世間から姿を消すことを選択した有志たち。彼らへ思いを馳せるラストのフレーズは、どんな困難が続いたとしても、一筋の希望を見出す後押しをしてくれる。

    ・随所に引用されたニーチェの言葉とそれに添えられた著者の解釈が登場人物の心情描写と絶妙にマッチング。

    ー一つでも魂の震えるほどの幸福があれば!
    人生で魂が震えるほどの幸福があったなら、それだけで、そのために永遠の人生が必要だったんだと感じることができる。
    これが生きるってことだったのか?よし!じゃあ、もう一度!

    ーこの世の嘆きは深い
    喜びのほうが、深い

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    2026年02月03日
  • 陽気なギャングは三つ数えろ

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    ミステリー好きなのにハラハラするシーンが苦手で(だからこそ結末が気になってめちゃ読み進められるんだけど)今回の成瀬はすごく落ち着いていてあまりドキドキせずに読めてよかった。ハッピーエンドが決まってる話はなんて安心して読めるんだろうか〜

    ところどころのセリフにギュンっと救われる
    「鬱と心の強さは関係がない」

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    2026年02月04日
  • マリアビートル

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    ネタバレ

    結構な物騒なお話なのに、前回のグラスホッパー同様、軽妙な会話が楽しい。

    蜜柑&檸檬の殺し屋コンビが大好き。
    殺し屋なのに応援してしまうのはなんなのか。
    さすが伊坂さん!
    トーマス大好きな檸檬が特に好き。
    檸檬のジャケットに文庫があったという。
    蜜柑おすすめの本だよね。
    泣けてくる。

    グラスホッパーの鈴木や槿(あさがお)がまた登場して嬉しかった。

    中学生の王子だけは許せない。
    伊坂さんの作品は登場人物みんな憎めなくなってしまうのに、こんなにも嫌いなキャラが出てくるのも珍しいかも。

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    2026年02月02日
  • ホワイトラビット(新潮文庫)

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    黒澤が登場する話は結論だけ言えば大抵は面白い、ことが多い。レ・ミゼラブルを知ってる人が読めばより面白いのか、駄作だと思うのかは知らないが、ホワイトラビットを読んだ後に触れても面白いのかという一点においては安易に想像できるかと思うのでその想像力の果てに乞うご期待してほしい

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    2026年02月02日
  • 重力ピエロ

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    ネタバレ

    エンタメ的な面白さでスラスラ読めると同時に深く考えさせられる、アンバランスな魅力のある小説でした。母親がレイプされた末に生まれた春の掴みどころのない言動は、彼が実の父親へずっと抱いていたとてつもない憎しみを隠すための道化であったのかと思うと辛くなります。育ての父親が春のしたことを察しながらも、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」とあっさり家族としての繋がりを説いたシーンは、血の繋がりではない真の親子愛に心動かされました。家族の繋がりとはどのように証明されるのか、そんな問いを投げかけてくる物語でした。

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    2026年02月02日
  • AX アックス

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    裏では淡々と人を殺す殺し屋、その表では恐妻家であることのギャップが新しい感覚で非常に面白かった。所々クスリと笑える表現があり、楽しめた。

    最後の克己と兜のシーンが交互に表現されている所が緊張感があり面白かった。

    蜂のくだりは面白かったが、最後、兜の様子を見た親子が天国に行ったペットと結びつけているのはなんとなく違和感があった。

    知らなかったのだが、殺し屋シリーズとやらの三部にあたるらしい。また気が向けば他の作品も読もうかな。

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    2026年02月02日
  • アヒルと鴨のコインロッカー

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    初めての伊坂作品。文章の表現がすごく好み。どんでん返しモノというより優しい気持ちになれる小説だった。それぞれの人物の哲学が心に響く。

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    2026年02月08日
  • 死神の精度

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    短編シリーズでありながら、一話一話の完成度が非常に高く、とても引き込まれる作品だった。淡々とした語り口の中にユーモアと温かさがあり、読み進めるほどに物語の世界観に惹かれていった。

    特に死神・千葉のキャラクターが印象的で、感情を持たない存在でありながら、音楽を好むという人間的な一面に強く共感した。その少しズレた感性が、かえって人間社会を鋭く映し出しているように感じられた。最後の話では、「生きること」や「運命とは何か」を静かに問いかけられ、読後もしばらく考えさせられる余韻が残った。短編でここまで深いテーマを描ける点に感心し、次は長編作品も読んでみたいです。

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    2026年02月02日
  • マイクロスパイ・アンサンブル

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    ネタバレ

    あちらの世界の青年とこちらの世界の松嶋くんが、リンクしているところが良い。
    エージェント・ハルトが、円形の機械のことをちゃんと覚えてたのも良かった。
    ほっこりです。

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    2026年02月02日
  • ホワイトラビット(新潮文庫)

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    そわそわするけどスッキリした。伊坂さんが嫌な結末にはしないと信じてたし全部を回収してスッキリ、もしくは最初から読み直したくなる最後になると思ってたけど裏切られなくて良かった。モヤモヤは苦手なので助かる。

    最後まで読まなくても途中でページを戻ってばかりだったけどね。

    黒澤さんは人気みたいだけどすごくわかる。スマートでちょっと面倒ごとに巻き込まれてて可哀想だけど何とか切り抜けるところ。

    ろくな死に方をしない、って言うの良かった。

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    2026年02月01日
  • アヒルと鴨のコインロッカー

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    85点。


    まあ良かったね。けれど、ぼくはあまりここからいつもの伊坂を感じなかった。たまに、あ、伊坂らしい書きぶりだなと思うことがあっても、伊坂の傑作で良くある一貫したユーモラスな部分がなかったように感じる。途中までは、伊坂の書く純文学というような印象を受けた。あまり純文は読まないから、的外れで怒られるかもしれないけど。
    けれど終盤の伏線回収具合はやっぱり伊坂だなと。あの時のあれー!ってなる。それが「すっごい緻密な伏線で完成度が高くて!」という調子ではなくて、「あ、あの時のやつね笑 うわーいいねー」のノリで読んでいけるのが伊坂だと思っている。それが今作でも遺憾なく発揮されていた。
    ミステリと

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    2026年02月01日
  • キャプテンサンダーボルト 新装版(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの合作の小説です。2人で思ったよりきちんと文書や話を推敲しあって作った長編小説のようです。

    相葉時之はかつて少年野球のピッチャーを務めていた男でした。性格は行動力がある反面、あまり深くものごとを考えないため、いつも失敗してしまいます。後輩の女性を助けようとした結果、代わりに多額の借金を背負うことになります。この借金返済のため、心の拠り所だった実家を母から売却されてしまい、相葉は家を買い戻すための資金を必死で探していました。

    井ノ原悠は、相葉とバッテリーを組んでいたキャッチャーで、常識な社会人です。小さい子供がいますが、原因不明の皮膚病院を患い治療費が嵩み、借金

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    2026年02月01日