あらすじ
星野一彦の最後の願いは、何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気「上品」──これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。ふたりのなんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー 。<特別収録>伊坂幸太郎ロングインタビュー。
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Posted by ブクログ
繭美がとにかく最高
主人公はどっちなんだってくらい、繭美のキャラが面白い。
見た目はブッチャー、口は悪い、でもいいヤツ。
様々な彼女に別れを告げる設定もいいけど、繭美の会話のやり取りで何度も笑ってしまった。
伊坂作品は散りばめられた細かい伏線の回収が面白い。
姉妹がいないからとか、散々濁して比喩していたのに、繭美がキャッツアイみたいな女って簡単に言ってしまうのが一番面白かった。
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5股をしていた主人公が付き合っていた女性たちと1人ずつ別れ話をしに行くお話。(ブッチャーみたいな女性と一緒に)
出会う頃のエピソード、別れ話のあと少しストーリーが展開される。
読書目線では繭美といる時間が長かったので、彼がどのように女性の心を開くのかという部分を見せられたように感じました。
5話の女優女編がお気に入りです。
Posted by ブクログ
洒落で、純で、笑える、そんな感じが良い。こんな別れがあるなら、ある意味素敵だね。五話目の、子供の頃パンになる夢の伏線回収には、うるっときた。伊坂幸太郎はクセになるね!
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テンポが良い。
星野さんの気持ちが常に真っ直ぐであることに真摯さを感じるが、繭美が5股を思い出させてくれる。憎めない無自覚の悪人と、自分のルールを曲げない悪人が、5人の女性に見え見えの嘘で別れを告げていくコミカルながらも切ない話。
乳癌の結果はきっと良かったんだろうな、バイクにきっとエンジンがかかっただろうな。かからなかったら繭美は自分のルールの範囲ギリギリで他の方法を探してくれるだろうな。
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とにかく繭美がすきすぎる!!
何度読んでも飽きないし、全てのエピソードを残さず好きになれる今までで1番好きな本!!
個人的に1番好きなのはエピ1とエピ4とエピ5。
出だしでラーメン出てくるの衝撃すぎるし、星野さんクズだなって思っても嫌いになれない。
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星野のような性格の人は自分の身の回りにはおらず、星野という人物に興味を持ちながら読むことができた。別れを告げるという同じ目的の話が続のに読み飽きない!
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本屋さんで買ってもらった1冊!
本当は別の読みたかったけど、予算オーバーしそうだったから文庫本で我慢、、、
伊坂幸太郎作品にしては今まで読んだものよりちょっと違った感覚だったなΣ('◉⌓◉’)
今まではミステリーでこことここが繋がるんだ!って発見が面白かったけど今回はちょっと不思議なお話だったな\(//∇//)\
不思議な感覚もだけど星野くん、、、
五股ってすごいな( ゚д゚)
一度に五人の全然タイプも性格も違う女性と付き合うとは( ・∇・)
確かにそういう人もいるけれど、、、
そして自分がいなくなるからってちゃんと五人の女性とお別れする誠実さがあるならちゃんと一人の人と付き合わんかい(ㆀ˘・з・˘)
って思ってしまった笑
星野くんも星野くんだけど、そんな星野くんと付き合ってた女性達もまあまあ個性的だったな⊂((・x・))⊃
そして最後にやっぱり気になるな、、、
あのバスってどこに向かうんだろう(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
金銭問題で乗る羽目になったみたいだけど、あのバスが気になる!
そして繭美も最初と最後で心入れ替えた?ってくらい変わったね( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
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主人公のどうしようもなさが良い
各章ごとに同じ流れをなぞるけれども、それぞれ面白いのが良い
終わり方やあのバスについて明記せずこちらに想像の余地を与えてくれるところが私は好き
Posted by ブクログ
連作短編
5股していたおとこが各編で女性に別れを告げて最後を迎えるストーリー
伊坂幸太郎先生は浮気男をかいても嫌悪感が出てこないのが不思議
繭美が強くて魅力的
豪快なキャラクターだが、これまでの人生で不要だと思ってきたことを名の通り辞書から消してきた、その言葉の中には他の人を助ける言葉のほとんどが消せられていて人生の過酷さを感じさせた。
(具体的なストーリーとしては幼いころに強姦?されていたことを匂わせといた)
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎作品の中でもかなり上位に入る作品。
それぞれの女性との別れのエピソードも爽やかで良いけど、なによりラストが凄く良い。
個人的にはロープで侵入女が面白くて好きです。
な〜にやってんだおめえ!!ってツッコミたくなる。
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「やだな、怖いなって腰が引けてると、やっぱりやられちゃう、って。かかってこいってぐらいに真正面から受け止めるほうが、ダメージはすくないんだ。喧嘩も病気も、何もかも、へっぴり腰じゃ絶対に負ける」
ドッチボールが思い浮かんだ
そんなこと言える状況!?みたいな切迫した状況かつ、意味わからない設定のところで言う発言だからこそいつも響く、伊坂さんの描くキャラクターの言葉。
しかもそのキャラも毎回変な人で、でも芯があって大好きになってしまう
Posted by ブクログ
もうすぐどこかへ連れ去られる運命の男性が、五股している女性たちに、一人一人と丁寧に別れを伝えに行くショートストーリーです。
とにかくキャラクターが魅力的。
ブッチャーに例えられている女性も何故か魅力的に見えてくる。
楽しんでいるうちに一気読みしてしまいました。
Posted by ブクログ
五人の女性との別れ話と、それにまつわる出来事。
五人目の女性との別れの際、「パンになりたかった」の話を回収する流れ、サイボーグのマネージャーも涙したこと、それを表現ではなく繭美の会話から伝わるのもよかった。
繭美も最初は怪物扱いで最後まで怪物だったが、最後に救おうとする姿もよかった。
Posted by ブクログ
すっごい昔に微かに読んだ気がするから、再読か?
主人公が『あのバス』で連れて行かれる前に、監視役の繭美と共に、五股をかけている彼女たちにさよならを告げにいく。
一人目はいちご狩りで出会ったあかり。ジャンボラーメンを一彦が食べ切ったら別れる事に。しかし、一彦は隣でジャンボラーメンに苦戦してる男を助太刀したため、自分は食べれない。でも、あかりは一彦の優しさを再認識し、一彦の幸福のために別れる。
二人目はシングルマザーのりさ子。当て逃げ犯を見つけようとしたり、クリスマスプレゼントをあげたり、りさ子の幸せを考える一彦。
三人目はロープで泥棒みたいな事が好きなユミ。ユミの友達の家が強盗に襲われた時に一緒にいた、繭美と一彦。ユミとその友達を救い、綺麗に別れる。
4人目は耳鼻科で出会った那美子。乳がんかもしれないと言われ、心のこりのないよう、なんとか那美子の検査結果を知ろうとして、那美子のニセモノまで用意するが、うまく行かず。でも、本人が前向きなら、知らなくてもいいこともあるんね。
5人目は有名女優の睦子。別れることをきっぱり拒否する睦子。最後まで拒否する。
最後は繭美がバスに乗らなくても良い方法を伝授するが、結局バスに乗る一彦。
誰かに迷惑をかけるより潔く。
5股をかけるというとクズ男に思えるが、優しさに溢れた一彦と、破天荒だが、情のある繭美。とてもいいコンビ。伊坂らしい疾走感に溢れた一冊。
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バイバイブラックバード
五股した青年星野の元へ繭美が現れ「あのバス」へ乗せようとする。ここだけ見ればチャラ男に罰を与える物語だ。この作品の面白い所はこんな設定なのに星野が全然憎めないこと、そして繭美と五人の女性の強烈なキャラクターである。星野は「あのバス」に載せられる前に五人の女性に別れを告げに行く。決して湿っぽくなく時にクスリと笑えるような珍道中。
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最期まで読んでも結末は見えない、けれども読み終わった後にモヤモヤ感が残らない、爽快な読後感がまさに伊坂氏らしい作品だと感じました。
私が読んだ文庫版には伊坂氏のロングインタビューも同梱されておりました。伊坂氏の執筆のスタンスを覗くことができ、そちらもぜひおすすめしたいです。
Posted by ブクログ
巻末に伊坂さんのロングインタビューが掲載されていて興味深かった。
本作は「ゆうびん小説」という珍しい方法で発表された作品であり、太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」を完結させないか?という編集の提案から始まったという。
結局はオマージュとして伊坂幸太郎の新作となったらしいが、伊坂作風が好きなので良かったと思う。
伊坂さんの自己分析も的確すぎた。
「ちょっと変わったキャラクターとそれに振り回される人がいて、登場人物たちのやりとりが楽しくて、いろんなところに張ってある伏線が少しずつ繋がっていき、要所要所で「ああ、そうなんだ」とはっとする感じ」
正に!これが全部好き!
本作は主人公の星野が『あのバス』に連れて行かれるまでに5股をかけた彼女たちにお別れを言いに行く話なのだが、各話に伊坂風味が散りばめられていて非常に面白かった。
『あのバス』への案内人(悪役)として描かれる繭美のキャラも抜群にいい。
巨漢不美人。
「私の辞書に◯◯の文字はない」という言い回しがあるが、実際に辞書を持ち歩き自分の人生にない言葉は取消線を引いている。
星野の憎めない性格に段々と情が移っていく様などもいい。
物語の終わり方も含みがあって良かった。
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最後にどんでん返しがあるのかと思いきやそうではなく…
スッキリしない結末で個人的には好みではなかったかな
ただストーリーを読み進めていくなかでの星野と繭美の関係性の変化を感じることができた
完走したけどモヤモヤ
Posted by ブクログ
5股をかけていた一彦が、出所不明の狂暴な女、繭美に付き添われ、相手の女性一人一人に別れの挨拶をしてまわる現実離れしたストーリー。
はじめから終わりまで、繭美の凄まじい破壊力が風通しよく、一彦の憎めない幼稚さが心地よく、伊坂幸太郎ならではの世界観でした。
軽快なテンポとユーモラスな言い回しはさすがです。謎が謎のままというのが、やっぱり物足りなさを感じてしまいますが、そういう作品の楽しみ方もあると思います。
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いきなり終わってびっくり。彼が「ざんねんなスパイ」を絶賛したのがよく分かる作品。
ただあちらよりルートを外れないで話は進んでゆく。
主人公がどうして連れて行かれるのか、どこへ連れて行かれるのか分からずじまいだったけど最後に繭美ちゃんを危うく好きになりそうになった。
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伊坂幸太郎らしく物語が交錯するところが爽快でした。
読み終わった時には、「あれ?終わったのか」と思ったものの、あの終わり方こそこの小説らしさがあるのかもしれません。
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主人公 星野一彦が〈あるバス〉にの 乗り得体の知れない場所に連れて行かれるまで5股をかけていた女性たちに別れの挨拶に行く話。
それぞれの女性毎に新鮮味のある出会いと別れがあり、監視役として巨漢女性の繭美が監視役に就く。
内容としてはいたってシンプル。
最終的に〈あるバス〉がなんなのか、どこに連れて行かれるのかは読者の判断に委ねられる。
最初に出てきた「似合わないけど高価なもので着飾るか、似合うけど安価なもので着飾るか」のくだり通り、身の丈に合わない生活は身を滅ぼすことをかなりポップに伝えてくれる。
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繭美の辞書に人助け、救い、助っ人の文字はなかったけど、何とかその言葉を探そうとして必死になってる姿はかっこよかった。
有須睦子の話は感動した。なんだかんだで星野くんは5人の恋人の利益となっていて、過小評価している星野くんに皆にとって大事な存在だということを繭美は気づかせてあげたかったんだと解釈した。
Posted by ブクログ
男が女性に別れを告げにいくパターンが5回も続くのに全く飽きない。むしろ回をこなすほど面白い。
ラストが曖昧にぼかされていて、自分の中であの"バス"が何なのかを想像するのが面白い。
主人公は星野さんのようで、実は繭美だったのかも。
Posted by ブクログ
なんとも憎めないけど、
5股とかしちゃう星野くんの謎のお別れと
繭美さんとの不思議な話。
繭美さん、頭の中じゃランニングでムキムキなんだけど、、
話が進むたびに姿形かわるわ
謎が多すぎてまったくすっきりしないけど
伊坂幸太郎のこの余白が好きで、
読み終わったあとしばし、ふーーってなる
でもはっきりしないところは気になるなあ
Posted by ブクログ
どこかで明かされるであろう「あのバス」の正体と星野のやらかしを楽しみに読み進めたのに、結局そこは明かされず終わってしまったのが残念に感じてしまった...
私はスッキリ終わる本が好きだな〜と思ったけど、読後の解説とか伊坂さんのインタビューを読んで、そういう小説もある、自分で想像する楽しみ方を学んだ気がする。
登場人物が泣いている理由は読者しか知らない、って展開素敵だな〜!
Posted by ブクログ
内容を把握せず、伊坂作品で装丁とネーミングだけで選んだ作品。
、、まさか5股男が1人ずつ別れを切り出す内容だとは。
ラーメン大食いのシーンもロープ女もまゆみの性格も、〈あのバス〉の存在も、掴みどころのないしかし強烈な設定が醸し出す空気感がなんだか村上春樹のような世界観に感じた。
しかしこれは太宰治の「グッドバイ」というオマージュ作品だと解説で知ってなんだか納得。
伊坂ワールドとレジェンドの合わさった作品というわけか。