伊坂幸太郎のレビュー一覧
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兄の優雅と弟の風雅が、誕生日に2時間に1度身体ごと入れ替わるという不思議な力をもって、様々な困難に挑む物語。
伊坂幸太郎さん特有の「痛快さ」を堪能できる小説。
幼い頃から受け続ける父親からの虐待を中心に、中学生、高校生と成長する兄弟の身に起きた出来事を回想形式で辿っていく。
兄弟が中学生の時に起きた小学生女児虐殺事件、風雅の就職後に起きた女子高生の事件、大学生の優雅のハルコさんとハルタくんとの出会い、父親との直接対決、最後に暴かれるテレビ記者の高杉の正体…。
それらの出来事が最後に繋がった時、見えた景色は壮絶で過酷なものだった。結末も決してハッピーエンドとはいかない。
しかし、彼らは自 -
Posted by ブクログ
⭐︎3.8
千葉と調査対象の人間の判定までの数日間を描いている連作短編。共通の設定のなかでも、ミステリーだったり、恋愛だったり、ヤクザだったりと色んなジャンルが読めて楽しい。
淡々と仕事をこなし、興味がないと言いながらも人間達となんだかいい関係を築いてしまう千葉のキャラクターが魅力的だった。人間独特の考え方や感覚がまったく理解できないのも面白くて、死神という立場の活かし方がいいなぁと。最後のエピソードではサプライズもあってほっこり。
新装版の特別インタビューにて、判定が「可」なのか「見送り」なのか、結果を楽しみにする作品にはしたくないという言葉があって、伊坂さんらしい考え方でいいなと思ったし、 -
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タイトルに騙された!SFじゃないのか、、、
いや、デストピアものの近未来的なSFだった。
舞台は、平和警察という公安と特高を混ぜて、そこから倫理観や道徳観を差し引いた様な組織が跋扈する世界。彼らにかかれば、どんな無実な人間も危険人物にされてしまう。そして、あるのは処刑という未来のみ。そんな世界で唯一の対抗するツナギのヒーローと平和警察の攻防を描いた話。
いやー、これは伊坂作品のなかでも異色じゃない?
いつものユーモラスな感じは身を潜め、漂う暗鬱な空気感。平和警察に睨まれたら本当に終わってしまうという恐怖感が、もし自分や周りの人がそうなってしまったらどうしようと怯えながら読む事ができた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回は長編、たった1週間の話なのに、意外にぶ厚い…
冒頭は辛い事件のせいか、読むのがしんどく、千葉が出てくるまでは、なかなか進まなかった。
ただ前回未消化だった部分もあったので、放り出さず読み進んだ。
千葉が登場すると、お馴染みのボケのようで、なんだか笑ってしまう。
まるでコメディの冒頭シーンを見ているようだ。
山野辺夫妻は復讐心に燃え、煮え繰り返っているのに、ただ仕事をしているだけと言う千葉に、ぼんやりと癒されていったと思う。
山野辺夫妻は元が善人なのだろう、全く復讐には向いていなく、千葉がいなければ、全ての罠に引っかかり、まんまと返り討ちにあっていただろう。
それにしても、千葉が参勤交代に