伊坂幸太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表紙をみて(勢いで)購入した、伊坂幸太郎さんの作品。
アートっぽい世界観だったので、どんな話だったのかが見えず読んでみました。
大まかな物語は『シーソーモンスター』は嫁姑問題、『スピンモンスター』は暴走するAIを食い止めようする。
物語を読み進めると気づくのが、『シーソー』を釣り合いや裏表の顔。そして『スピン』を回転、そして脚色・改作していく主人公たちの心理状態や行動を緻密に表現していることだった。
特に印象深い、直人が不正に行われた事件があると気づいた時の天使と悪魔のささやき。「いうべきか、言わないべきか」と迷う部分は誰もが経験をしていることで、それが自分の人生を左右するだろうという緊 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死神の千葉、彼が仕事の時は必ず雨が降る。今回担当するのは小説家の山野辺遼。彼を「可」か「見送り」か判断するための1週間。その1週間+αが書かれた長編。
前作「死神の精度」と違い、山野辺遼、山野辺美樹夫婦の復讐劇をまるまる1冊におさめた1冊だった。
山野辺夫婦が娘の菜摘を殺した犯人・本城崇に復讐するために動こうとしている。そこにたまたま現れた千葉。そして、ナチュラルに同行する千葉。大事件を起こそうとしている時に、あまり記憶にもない、自分も復讐したかったと嘘っぽいことを言う千葉を連れて行く夫婦のなんと人の良いことか。
ピリピリした気持ちの中に突如ポっと出現した千葉に、何かを感じたのか、救いを求めた -
Posted by ブクログ
ネタバレ三人の個性的な主人公がとても癖になって面白かったです。会話や行動の表現のテンポがかなり良くてあっという間に読んでしまいました。特に蝉と岩西のやりとりのテンポはかなり好みでした。それぞれの主人公にそれぞれの物語の進み方や思考があるのもとてもよかったです。
また、全て鈴木が見ていた幻覚なのではないかという考察が生まれるラスト(点滅の終わらない赤信号と通り過ぎない回想列車が幻覚の始終を描いている)や押し屋の仕掛けた緻密な作戦、スズメバチの正体など巧妙に散りばめられた伏線やトリックにも驚かされました。
あと個人的に好きなのは感情の表現の数々で、直喩も隠喩も頻繁に出るのですが、全て納得できる感覚でし -
Posted by ブクログ
4人の銀行強盗が出てきて、わいわいがやがやと喋りながら、騒動に巻き込まれていく話。というのが作者のあとがき。90分くらいで終わる映画、あまり頭を使わないで楽しめるという作者狙い通りのエンタメ。うまいもんだなぁ。
銀行強盗はそうやってやるのか解説付き。秒単位の時間計測が成功の決め手、確かにズレたら失敗するというのは何にでもあること。犯罪にだってロマンがなければいけない、そういえば殺伐とした世の中で陽気なギャングはお目にかからない。こういう奴らがちょっと頭に来る社会や集団を小気味良くやっつけてくれたりするとスカッとする。本当に頭のいい奴らは悪いことばかりはしない。という世の中であってほしい。