伊坂幸太郎のレビュー一覧
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死神シリーズ2冊め。
好きなものはミュージック、嫌いなものは渋滞。
死神・千葉がやってくるとターゲットが亡くなる(かもしれない)時まで雨が振り続ける。
前作と違うのはその人とその人が人生を全うするまでを追いかけた短編だったけど
今回は娘を亡くした山野辺夫婦がサイコパスな犯人・本城を追いかけるまでの7日間の長編。
本城の『支配ゲーム』は、山野辺夫妻周辺の人たちを巻き込む思惑がなんなのか、夫妻の気持ちを弄び最終的には夫婦を懲らしめるという悪質っぷりは異常。
また山野辺が愛する著者、パスカルや渡辺一夫の言葉がこの物語のキーワードになっているのかな…死に対する真理が書かれていて、山野辺がその言葉を -
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ネタバレ内容は割と物騒なはずなのに何故かほっこりできる伊坂ワールド全開の作品。星4つにしたものの伊坂幸太郎作品の中で飛び抜けて面白い話ではなかった気もするが魅力的な登場人物が多かった。それから車たちがとても可愛い。
主に車たちの視点で書かれている構成によって犯人が分かった状態で読み進める倒叙ミステリーを読んでいるような神視点で楽しむことができる。(逆に言うと予想できないような大どんでん返しはなかったかもしれない)
大きな謎はスッキリ解決して終わるが、部分的に100%結論を書き切らずに読者に想像の余地を残す書き方になっていて、私はそれが良いと思ったが賛否両論ありそう。 -
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1.登場人物
岸(きし)…中堅のお菓子メーカーに勤めるサラリーマン。宣伝広報局所属。度々、奇妙な夢を見ることがある。
池野内征爾(いけのうち せいじ)…四十代半ばの議員。奇妙な夢を見る。
小沢ヒジリ(おざわ ひじり)…ダンスグループのメンバー。奇妙な夢で繋がっている一人。
栩木(とちぎ)…岸の会社の広報係長で一児の母。
2.物語の始まり
中堅の菓子メーカーに勤める岸は、妊婦の妻と平和に暮らしていたが、ある日、自社が手がける菓子に画鋲が混入していたというニュースが流れる。クレーム処理に長けている岸は、サポート要員として駆り出された。
マスコミの過剰報道とネット炎上で消耗しながらも、なんとか事態 -
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【2025年23冊目】
今から8年後に小惑星が地球に衝突します――突如突きつけられた終末論に、多くの人々は混乱し、絶望し、自暴自棄になった。それから5年後、小惑星の衝突まで残り3年。絶縁状態だった父娘、決断できない男、終わる前に終わらせようとした人々、目標に向かって動く女、変わらないボクサー、天体マニア、擬似家族、天高くなっていく櫓と父と息子。人々の思いを描いた連作短編集。
伊坂幸太郎さんの連作短編集はいくつか読んだことがあるので、「あっ、この人がここと繋がってる」みたいなさりげない仕掛けにニッコリできるのは当然のことだな、と読み進めました。いやー、一番好きな連作短編集かも。
定められた死 -
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ネタバレ溝口という先輩と共に、恐喝や当たり屋など犯罪の下請け仕事をしている岡田は、人を悲しい顔にさせる仕事が嫌になりそろそろ足を洗おうと考えていた。
そのことを溝口に打ち明けると、適当な番号宛に「友達になろうよ」とメールを打って返事がくることを条件とされた。
奇跡的にメールが返ってきたその相手は40代の男で、彼自身の浮気が原因でまさに今日一家解散をすることになっているその妻と娘とドライブに行くことに。
実の父に暴力を振るわれている少年。国会議員が刺された事件の裏側で誘拐された女性。スパイの仕事をしているという父親から担任の先生の危険を知らされたクラスメイト。岡田、溝口が関わった出来事は時間を超えて結