伊坂幸太郎のレビュー一覧
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伊坂幸太郎の小説『魔王』を、キャラクターを学生に変更して大胆に再構築したコミカライズ作品。さらに同作者の小説『グラスホッパー』の世界観を融合させることで、原作ファンにも予想外の化学反応を見せてくれる意欲作です。
物語の軸は、『魔王』でも中心となる犬養と安藤の対立ですが、この漫画ではそこに『グラスホッパー』の主要キャラクター――暗殺者として高い人気を誇る蝉や槿が登場します。これにより、作品の熱量が一気に引き上げられ、「少年誌的な熱さ」のあるドラマとアクションが展開されます。蝉と安藤が直接ぶつかるなど、原作ではあり得ないクロスオーバーが実現している点も、ファンにはたまらない魅力です。
一方で、 -
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面白かったけど伊坂幸太郎にしては珍しくイヤミスだったかな
ペット殺しの若者3人の残忍さとか浅はかさがかなり全面的に押し出されていてかなり読み進めるのがしんどかった。倫理観が欠落していて人に平気で残忍なことができる人間を心の底から軽蔑しているので不快感が凄かった。伊坂幸太郎はこの残忍さと浅はかさが目立つ不快な人間を書くのがうまい気がする。というか毎回このタイプの人間が出てきてないか?
ネタバレのため詳細は省くけど最後がすごく泣きそうになった。綺麗な畳まれ方だった。
伊坂幸太郎節のつまった台詞回しは今作も確かに出てきてはいるんだけど内容のショッキングさが強くてあんまり目立っていなかった気がする。
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読書備忘録951号。
★★★★。
伊坂さんの初期作品で連作短編(長編)。
巻末の解説で香山さんが仰っていますが、今では普通になっている連作長編の手法はこの作品が最初じゃないか?と。
それぞれの短編に登場する面々がそれぞれ主人公になったりして繰り広げられる小説世界。
【バンク】
舞台は仙台の銀行。
閉店間際ギリギリの銀行に大学生の鴨居と陣内が訪れる。
銀行からしたらはた迷惑な客。
ただ、彼らは今日中にバイト代から学費を振り込まないとダメだと。もうちょっと言えば陣内が。カスハラまがいの屁理屈を捏ねる。捏ね捏ね。
もっと早く振り込んでおけよ!と言いたくなる。
そして銀行強盗に巻き込まれる2人。
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Posted by ブクログ
陽気なギャングシリーズの2作目
前作とは違い4人の銀行強盗各々の短編かは始まり最後は一つの物語に収束する長編物語!
個性あふれる4人の日常を覗き見しているようで大満足でした!!響野さんの深そうで深くない話や雑学に何度も笑わされツッコみたくなりました。
序盤の些細な会話に出てくる物や小ネタが終盤に意味を持ってくるところが読んでいて気持ちいいです!
次の作品が今の所最新作ということでこの世界観を堪能できなくなると考えると悲しいですが3作目噛み締めながら読みたいと思います!
p.s. 記憶が無くなりそうなほどお酒を飲む時はパエリアがマストアイテムらしいですよ(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ幼い娘を殺した犯人への復讐を誓う夫婦と、音楽を愛する死神・千葉との7日間の犯人追跡劇。
相変わらずピントのズレている千葉(本人は至って真面目なつもり)と極限の精神状態の夫妻との会話は絶妙に噛み合わず、その様子が微笑ましくもあり、シリアスな場面が続く作中の重さを軽減してくれる。
読みながらどうしても夫妻に肩入れしてしまっていたので、犯人の『見送り』には落胆と絶望を感じてしまったけど、ある意味『可』の方が救いがなかったというか…落とし所としては納得のいく結末で安心。
人間はいずれ死ぬわけだけど、自分はどう生きたいか、どうやって生きてどう死んでいくのか…死生観について考えさせられる深い内容の作品