伊坂幸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『豊かな人生』とは?がテーマとなっている作品。
父に自殺され神に憧れる青年、不倫相手と再婚を企む女性カウンセラー、職を失い家族に見捨てられた男。
思想や恋愛、仕事に捉われている登場人物たちのピリピリした人生が描かれる中、諦観している黒澤の視点がとても印象的です。黒澤の「人生については誰もがアマチュアなんだよ」というセリフが、失敗してあたりまえなんだと、間接的に人生の教訓を教えてもらえた気がしました。中でも、豊田という職を失い老犬を拾う男がこの物語の肝で、ラストに描かれる『豊かな人生』とは?の答えが、この人物のセリフにつまっています。個人的には、佐々岡がサイドボードの趣味が悪いと一言放つ場面と、豊田が老犬を抱いてタクシーに乗る場面が好きです。『オーデュボンの祈り』の主人公・伊藤のその後も描かれており、ファンとしてはとても嬉しいおまけでした。 -
Posted by ブクログ
文庫化したのをきっかけに父に誕生日プレゼントとして買ってもらって読み始めた。
やっぱり伊坂幸太郎先生のワードセンスや、人間のやり取りが面白くて大好き。
「人生で魂が震えるほどの幸福があったなら、それだけで、そのために永遠の人生が必要だったんだと感じることができる」というニーチェの言葉がすごく心に残って、そんな幸福が私にはいま訪れているかも知れないと思うと人生って素晴らしいかもと浸る時間も多かった。
ロシアンブルとアメショーの凸凹コンビというか相性がいいような悪いようなタッグが好きだった。
本の中の世界と現実の世界が交わるような、いや、全部本の中だけど、なんというか不思議な感覚になったりした。
事件後の壇先生の解釈が人間の心を上手に使っている感じがして好きだった。納得した。
最後はまるっとおさまりつつ、微笑ましくなるようなエンディングでよかった。 -
Posted by ブクログ
2026.40
伊坂幸太郎新潮文庫25周年の特別カバーがすごく可愛くて買ったのだけど、元々のデザインだったら手に取ってないのでデザインの偉大さを感じた。
この会話の感じ、脳内で映画になる感じ、伊坂幸太郎さんの小説が大好きだった学生時代を思い出す。そして久しぶりに読んでもやっぱり好きだ。。。面白かった。そして時折出てくる現実世界への批判的な台詞が大好き。
阿部和重さんの作品は読んだことがないのだけど、これを機に読んでみたい。
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P191 「昔からのインフルエンザで、年間、千人の死者が出たとニュースになっても誰も注目しないが、新型インフルエンザが出て、一人でも亡くなれば、大騒ぎになる」人々の関心や恐怖は、ニュースの見出しの大きさに影響を受け、ニュースの見出しは、新奇さ、稀有さに影響を受けるわけだ。
P327 「マーフィーの法則にもある。人生で楽しいものは、違法か、反道徳的か、もしくは太りやすい」
P526 「当時はオーストラリアの植民者たちが、我が物顔で振る舞って、先住民たちに厳しかった。どこかの国と一緒だな。あとから来た奴らが偉そうに、だ」
P532 「戦争ってのは、クソだな」アンソニー・D・レイノルドが不意に吐露した。「なぜか知ってるか?」「さあ」「戦争をやりたがるのはたいてい、戦争でひどい目に遭ったことのない奴らだからだ」
P541 「野球には逆転がある」「井ノ原、あのな」分かってる、とうなずく。野球には逆転があるが、俺たちの生きている社会にはなかなかない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ人は必ずしも善人ではなく誰しも悪意を持っていて善悪のコントロールをしながら生きている。ブレーキが効くか効かなくなるか、みたいな話って伊坂作品にずっと共通するような。
うまく噛み合わない描写が少しずつずっとあってそれが最後にかけて綺麗につながっていく瞬間が気持ちいい。騙された!とかではなくてそうだったのか!と思える清々しさ。量子が犯した罪のことを償ったことにしてもいいって思わせる力がある。重力ピエロの春みたいに。やっぱり最後に信じるのは愛や善だって伊坂幸太郎を読むと思う。思える。
他人と過去は変えられない。
自分と未来は変えられる。
翔のことを一番に考えていた量子にとって破魔矢の正体はとてもサプライズ的で読んでて嬉しくなった。