伊坂幸太郎のレビュー一覧
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望月家の愛車、緑のデミオ目線で語られる物語
車同士のやり取りやユーモア溢れる描写に思わずくすっと笑ったりほっこりしたり、
「あれがそこに繋がるんか!!」と伏線回収に思わずニヤニヤしたり
20日かけて少しずつじっくり読んだのも個人的にはよかった
読後感がじんわりと心地のよい作品で、読んでる間は自分の車はどんな事考えてるんだろうな?なんて、読む前には思いつかなかったような事を運転中にふと考えたりして、見えてる世界がなんだか優しくなった。
お気に入りの登場人物ならぬ登場車は宅配トラックの黒ニコ
久しぶりの伊坂作品だったが、伊坂作品ならではのウィットに富んだ会話の言い回しや伏線回収がやっぱり面白いなぁと感じて、普段4〜5冊を併読して読んでるが、そのなかの1冊は常に伊坂作品枠にしたいなと思った。
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表紙をみて(勢いで)購入した、伊坂幸太郎さんの作品。
アートっぽい世界観だったので、どんな話だったのかが見えず読んでみました。
大まかな物語は『シーソーモンスター』は嫁姑問題、『スピンモンスター』は暴走するAIを食い止めようする。
物語を読み進めると気づくのが、『シーソー』を釣り合いや裏表の顔。そして『スピン』を回転、そして脚色・改作していく主人公たちの心理状態や行動を緻密に表現していることだった。
特に印象深い、直人が不正に行われた事件があると気づいた時の天使と悪魔のささやき。「いうべきか、言わないべきか」と迷う部分は誰もが経験をしていることで、それが自分の人生を左右するだろうという緊張感。
また親を殺す(=寺島テラオ)生成AIの判断。「自分が殺される(リセット)」と認識した時の生成AI判断。
ある程度の余裕、危機感のない平和な時間を作りたいのが人間にとっての理想郷。
恐怖や緊張感を人間の体に回り始めると判断に迷いが生じる。迷いがあるのは「この先、自分の人生にどれだけ影響が出てしまうのか」と恐怖に慄く事なんだと思う。
大まかな軸から彼ら彼女らの本質的な部分へと分解していくと、結構奥が深い物語かもしれない。
この物語は、『螺旋プロジェクト』他の作家さんも参加されている一環の企画。
伊坂幸太郎さんの作品は現代よりだけど、他の作品の時系列が幅広い。
(時系列が変わるけど)、次はどの作品を読んでみようかなと楽しみが増えそうです。 -
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ネタバレ死神の千葉、彼が仕事の時は必ず雨が降る。今回担当するのは小説家の山野辺遼。彼を「可」か「見送り」か判断するための1週間。その1週間+αが書かれた長編。
前作「死神の精度」と違い、山野辺遼、山野辺美樹夫婦の復讐劇をまるまる1冊におさめた1冊だった。
山野辺夫婦が娘の菜摘を殺した犯人・本城崇に復讐するために動こうとしている。そこにたまたま現れた千葉。そして、ナチュラルに同行する千葉。大事件を起こそうとしている時に、あまり記憶にもない、自分も復讐したかったと嘘っぽいことを言う千葉を連れて行く夫婦のなんと人の良いことか。
ピリピリした気持ちの中に突如ポっと出現した千葉に、何かを感じたのか、救いを求めたのか、やけくそだったのか、それとも死神パワーなのかは分からない。
でも、自身も知らないうちに、山野辺遼は自身の死と引き換えに復讐を100%実行できるという究極の力を手に入れた。それが幸運なのか不幸なのかは分からない。
ただ、千葉がいなければ山野辺夫婦は復讐をとげることはできず、無駄ボーンで本城の20年後に確定された可の形も違っていたかもしれない。人と人との出会いも、人と死神の出会いも縁は異なもの味なものだ。
今作は前作と違い、まるまる1冊を山野辺遼にかけた。これは好みの問題だが、私は前作の短編のほうが好みだった。
約500ページほどあるが、最後まで疑問が残るところもあったし、少し都合がよすぎるように感じるところもあった。
主人公の千葉だけは、短編だろうが長編だろうが、変わらない。雨男で音楽が好きで、人間とは違う視点を持ってる。それがこの作品の素敵なところだ。 -
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伊坂幸太郎・阿部和重『キャプテンサンダーボルト』
借金返済のため、一攫千金を狙う相葉時之。山形のホテルで手違いから、テロリストから追われる身となる。
絶対絶命の中、旧友・井ノ原悠と出会う。
蔵王の御釜を発生源とする『村上病』。
第二次世界大戦中、東京大空襲の日に蔵王に墜落したとされるB29。
御釜でのロケを敢行し、公開直前に公開中止となった『劇場版 鳴神戦隊サンダーボルト』。
そして、御釜の『五色沼の水』を狙うテロリスト。
テロリストからの逃走を続ける相葉と井ノ原。
それぞれがつながり始める…
真相が明らかに…
伊坂幸太郎と阿部和重の合作。
伊坂幸太郎らしいといえば、伊坂幸太郎らしい作品で…
合作らしさはどこに…
阿部和重作品を読んだことがないので、阿部和重らしさがわからないのだが…
しかし、国は怖い…
国の機密事項を隠すため、病気をでっち上げ、国民にワクチンを打つなんて…
『村上病はあるけど、ない』
新型コロナのワクチン接種も正しかったのだろうか…
でもハッピーエンドに終わってよかった。
相葉も井ノ原もこのままじゃ、大金は掴めないな…と思ってたところ、思わぬ救世主が…
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今後サスペンス小説のおすすめを聞かれたら自信を持ってモダンタイムスと答えるだろう。
それくらい終始ハラハラドキドキの連続だった。
上下巻合わせて700ページ超という長編小説だったが退屈することなく最後まで読むことができた。
上巻で散りばめられた安藤商会や株式会社ゴッシユの正体、播磨崎中学校事件の真相や検索の仕組みなどありとあらゆる伏線がどんどんと回収されていき、読み進める手が止まらなかった。
中でもホテルで緒方と兎の男と対峙する場面がドキドキした。
もうダメかと思う度に超能力が解放したり思わぬ人物が助けに来たりと胸熱な展開に何度歓喜したことか。
SEとしてPC上のシステムを制作する渡辺達が社会のシステムに立ち向かうという設定はよく出来ていた。
大きすぎる何かに立ち向かおうとすると無力感に襲われることは自分にも経験があったので五反田や佳代子が目の前のシステムを破壊しようとしたように自分の手の届く範囲では全力で立ち向かえるようになりたい。
その点、自分は大きなシステムの1つだと自覚しながらも渡辺達を匿った永嶋は自分の手の届く範囲でできることを全力でやったと言えるだろう。
繰り返しにはなるが作中で何度も出てきた「そういうことになっているんだ」と手の届かない範囲は諦めつつも、手の届く範囲では永嶋のように全力で立ち向かいたい。
ラストのシーンではこれまでの不穏な空気が嘘のように拓海と佳代子がのどかな暮らしを送っていたのでほっこりした。
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Posted by ブクログ
動物園のエンジン、サクリファイス、フィッシュストーリー、ポテチの4篇を収録。いつもながら、タイトルからは全く内容がわからない。読んだ後でも何だこれ。そういうところも伊坂幸太郎ワールド。人を喰ったような話の展開、とぼけているのか、天然なのか、意味不明な行動をする登場人物も他編と繋がりがあるのも、もうすっかり伊坂ワールドにハマっている自分には楽しい。
煙に巻かれたような、翻弄されているような、登場人物たちだけでなく、読者も一緒にフワフワできるのが楽しいのか。黒澤は今回も活躍するけど。ロックバンドでメジャーで夢見る話、作家で賞を取れたらいいなとか思って書いたのかしら。仙台の野球チームはどう思っているのかな、とか、作家伊坂幸太郎の心中を探りたくなるような展開も魅力的。