大学生活は「人生の夏休み」と形容されるように、あまり責任を伴うこともなく、それぞれがあまり意味のないことに時間を費やし、無駄な時間を過ごしているように思える。傍から見れば、馬鹿馬鹿しいし、なぜそんなことに熱中しているのだ、と鼻で笑われるようなことをしているかもしれない。でも、意味のないことに無駄な時間を費やせるって最高じゃないか、と思う。
本書の中では、東北の国立大学に通う苗字に方位がついている4人+1が恋愛や麻雀、ボウリング、「プレシデントマン」探し、空き巣犯探し、超能力対決などやはりあまり将来に活きるわけでもない、意味のないことに興じている様子が描かれる。でも彼らはすごく生き生きしている。
私は鳩麦さんの発言がすごく印象的だった。
「賢くて、偉そうな人に限って、物事を要約したがるんだよ」
「と言うと」
「超能力はこうだ、とか、信じる人はどうだ、とかね。たとえば、映画を観ても、この映画のテーマは煮干しである、とかね、なんでも要約しちゃうの。みんな一緒くたにして、本質を見抜こうとしちゃうわけ。実際は本質なんてさ、みんなばらばらで、ケースバイケースだと思うのに、要約して、分類したがる。そうすると自分の賢いことをアピールできるから、かも」
大学生は社会人から見れば、無責任だし世間知らず。でもだからこそ社会という“砂漠”に出る前の“オアシス”だから「砂漠に雪を降らせる」ことができてしまうし、目の前のことに熱中できるエネルギーがある。だからある種、大学生は最強かもしれない。西嶋のように純情にまっすぐ生きていればこそ。
自分も大学生だからこそ、この本に出会えてよかったと思う。大学で過ごす時間は別に将来に活きなくてもいい。そう思うと肩肘張らずに、目の前のことに熱中してもいいかな、と思える。折り返しに入ってしまった大学生活だが、まだまだ希望をもって楽しく充実して「意味のない無駄なこと」に熱中していたい。