伊坂幸太郎のレビュー一覧
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「ロマンはどこだ」
4人の男女が銀行強盗を繰り広げるお話。
普通に犯罪ですが、なんとも楽しそうでまったく重さを感じさせず、なんなら応援しちゃうくらい。
エンタメ小説です。
相手の嘘が分かる成瀬。公務員。37才。リーダー。
離婚歴あり。自閉症の息子がいる。
喫茶店の店主、響野。演説の達人。
成瀬とは高校の同級生。
スリの天才、久遠。20才。
動物と自然を愛する。
秒単位の正確な体内時計を持つ、雪子。
シングルマザー。中学生の息子がいる。
4人の視点で切り替わり、お話が進んでいきます。
あらすじは紹介にある通りですが、ピンチに陥っても深刻さがあまり感じられないというか、まぁ大丈夫だろうといった安心感。
会話が面白くてテンポもいいのでスラスラ読み進められました。
後半は気持ちよく伏線回収。
だいたい展開は読めてしまうのですが、それを上回る楽しさがありました。
続編も楽しみです♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊坂幸太郎さんの短編集。
書き下ろしの「後ろの声がうるさい」はラストに掲載されているが、ここに本書短編の一つ「浜田青年ホントスカ」に出てくる稲垣という人物が登場する。
他の短編でも稲垣は相談屋を営んでいるのだが、他の短編で起きたバスジャック事件の発生に間接的に絡んでおり、思わず“お前が原因かよ”と呟いてしまった。
しかしながら、何事も発想の転換が必要である。
短編「if」の主人公的存在である山本は、二十年前に発生したバスジャック事件において勇敢な行動を取れなかったことを悔やみ続けていた。
稲垣の間接的後押し(?)によって再び発生したバスジャック事件において、山本は他の乗客と共に犯人を取り押さえることに成功。
もしかしたら稲垣は山本が抱え続けていたモヤモヤを晴らすために、バスジャック犯を唆したのしかもしれないと考えてしまった。 -
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎のデビュー作であると聞いて読んだが、既に著者の世界観が確立されていて驚いた。閉ざされた島で「未来が見える」カカシを中心に物語が展開される。あらすじのこの部分だけを切り取ると子供向けの物語のように感じる。しかし、これこそが伊坂幸太郎の独自の世界観であり、このシュール(超現実感)は他の作家では感じることのないものだった。
物語に散りばめられた伏線(伏線に感じられないものも)が終盤にしっかりと回収される。一見、関係性の見つからない大小様々な出来事がラストに繋がっていき、とても気持ちよかった。
物語を読みながら、あれこれ自分で推理してみたのだが、ラストの展開は当てられなかった。構成が綺麗で文も読みやすく、あらすじで好き嫌いせずに様々な人に読んでもらいたい。お勧めしてくれた友人に感謝。 -
Posted by ブクログ
「その気になれば砂漠に雪を降らせることができる」
仙台の国立大の法学部に集まった5人の学生たち。麻雀、恋愛、学祭といった楽しい時間を仲間たちと過ごしているかと思いきや、まさか事件にまで遭遇する。とんでもない引き寄せ体質のグループ。
全く違う考え方や、個性を持つ5人がお互いに刺激しながら、成長をしていく。仲間でも「人の心の乾いた砂漠」を潤すことが難しい。何でもできるようで何もできない。それでも仲間がいる。それが原動力になる。
人生とは、計算やチェックポイントの確認通りに進むものではなく、悶えながら「わかんねえよ、どうなってるんだよ」と髪の毛をくしゃくしゃにして進んでいくこと。
社会という「砂漠」に出る前の準備期間に、人間にとって最大の贅沢を手に入れた5人の学生。その中で手に入れたものこそが「人間関係における贅沢」なのだと胸に刻まれました。
読後、きっと私はサン=テグジュペリの『人間の土地』を読んでしまうだろう。 -
Posted by ブクログ
車、マツダデミオ緑と望月ファミリーを中心とした物語。トイストーリーの車バージョンみたいなノリで全体的に明るく物語が進んでいく…
ジャイロスコープの巻末の作者対談でガソリン生活は魔王などの作品は読者の事を考えず好き勝手に書いたがガソリン生活は読者が楽しめる物語として書いたものらしい…
元女優、荒木翠のトンネル内での事故死をメインとして事故前に翠を乗せた望月良夫、亮らが事件の謎を解こうと物語が進む…
今回は亮がクセものキャラ設定で頭のよい可愛げのない子供が話を盛り上げていく…
全体的には伏線、回収もしっかりあり楽しめたのだがやや車同士の会話くだりが長くダラダラした感じになってしまったのは残念
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Posted by ブクログ
恥ずかしながら伊坂幸太郎さんのデビュー作とは知らずに、25周年限定カバーの装丁(by坂内拓さん)が素敵で購入。
序盤は外界から遮断された島、という設定の上で個性しかない登場人物とイベントに遭遇する。
奇抜だけど淡々としている、そこに田園や星空風景が加わり、なんともシュールで不思議な小説という印象。
後半はおとぎ話じゃなくてミステリーだったと、ハッとさせられる。ロマンティックとも言えるラスト。
主人公伊藤と当時の伊坂さんは
同年代、システムエンジニア、仙台と共通項がある。
伊藤はご自身のイメージで書かれたのでしょうか。
そして
論理的で極めて現実的な世界で仕事をしている伊藤がなぜコンビニ強盗をしたのか。この事実だけ解せない。
かすかにジャズが流れる空間で珈琲を飲みながら読みたい小説。
私はペンキ屋日比野さんが人間味があって好き。