【感想・ネタバレ】終末のフールのレビュー

あらすじ

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

私の好きな作家ベスト3に必ず入るであろう
伊坂幸太郎さんの作品。
ほぼ全部読んでると思っていたが、思わぬ穴。
何が好きかって、伏線が張り巡らされているのが全て回収されるところ。
人物が沢山でてくるけど、絡まるところ。
小さな言葉や小さなポイントが
後になって、ここででてくるんかー。ってなるところ。
秘密の扉がいっぱいあって、あちこち開いて
どーしよー,迷子になると思っても
どこから入ったとしても最後にちゃんと
出口にたどりつけられるところ。 

病の中、病室で夢中になって読みました。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

「生」とはなにか。残された時間でどう生きるかを考えさせられた1冊。自分なりにもしあと3年で世界が終わるとなった時どのように日々を送るか考えながら読んでみたけど答えは出ず。自分は今、特に日々を一生懸命に生きてるわけではなく、流れに任せてのうのうと生きてる。けどこの本を読んで印象に残っているのが「懸命に生きるのは権利ではなく、義務」という言葉。この言葉を読んで何事も出来なくても良い。とにかくがむしゃらに泥臭くやってみようと思えた。まだ本を読み始めて日が浅く解釈がしっかりできていないがこの言葉だけが常に頭に残っている。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

世界があと3年で終わることが決まっているとき、果たして自分は生き方を変えるだろうか。自分は今、あと何年生きられると思って生きているのだろうか。「滅びの前のシャングリラ」と設定こそ似通っているが、また別の感想が得られて面白かった。締め切りがあった方が仕事が捗るように、たとえ短くても残りの寿命を知っていた方が太い人生を生きられるのかもしれない。あと3年しかなくても、穏やかに着々と自分の食べたいものを食べて、会いたい人に会って、行きたいところに行って、高いところに登って最後を迎えることができれば、割と良い走馬灯が見られそう。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

あと3年で小惑星が衝突する、そういった中、仙台の「ヒルズタウン」という団地に住む人間を主人公にした短編集。
パニックに陥り自殺してしまったり、暴漢たちに殺されたりして家族を失い残された人々や、
これから命を育む者、いつも通りの毎日を過ごす者。。。
実に色々な人々がいて、ああ、本当にこういうことが起こったら私はどうするだろうか、と考えたり。
(きっと儚んで自殺してしまうかな)

各章のタイトルも韻を踏んでてさすが。

平穏無事な今に感謝。

そしてこういう事態に陥ったら人間って本当にこうなりそうで怖い。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

あと8年後に小惑星の衝突により地球が終わる。そんなニュースが世界を駆け巡ってから5年後、残りの人生が後3年になった人たちの様々なストーリーを紡ぐ連作短編集。「どうせ世界は終わるけど」と同じような設定だが、こちらは後3年とかなり切羽詰まっている。

それぞれの登場人物が思い思いに過ごす終末世界。絶望的な状況でも、なぜか飄々と生きている登場人物が伊坂さんっぽくて良い。個人的には天体のヨールが一番好きな話だった。

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2025年12月09日

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明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?
胸に響いた一文。一日一日を大切にとよく言うけれど、日々の生活に忙しくて忘れがちになる。でも、明日命がなくなっても後悔しない、今幸せだと言える、そういう日々を送っていきたい、そう強く感じた。一つ一つの物語がおもしろかった。伊坂さんのほんのり温かくなる世界観も伝わる好きな作品だった。

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2025年11月27日

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小惑星が衝突して世界が滅亡する。死を目の前にした極限状態の中で、人はどう生きるのか。人はただ生きるだけだと、方向性を見失い、生きる意味がわからなくなる。でも、目の前の死を意識すると、過去を思い返し、今あるものに感謝し、その中でどう生きるかを考えるようになる。設定自体は現実的ではないが、人が追い込まれた時に共通する考え方であるように感じる。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

3年後に小惑星の衝突により世界が滅亡する。
事前に国民が知らされていたらどんなに混乱するだろう。パニック映画のように暴徒化した国民が暴れたりわかりやすくはちゃめちゃになるんだろうか。
自分は絶望したあとどうするだろう。
滅亡を前に日常生活をおくる人々の話を読みながらしんみり考えてしまった。

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2025年11月17日

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終わりが見えてしまった時の人間の残酷さともろさ。同時に本当に大切なものに向き合うそれぞれの物語はどれも読んだ後温かい気持ちになりました。
明日があるのは当たり前じゃない、という当たり前のことに改めて気付かされました!

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2025年11月15日

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八つの短編が交わったり、すれ違いざまにちらりと見えたりしながら進んでいく構成が好きでした。
世界の終末までの残りの時間を生きる人々を描いたこの作品は、生きる意味を死ぬ意味を、真正面から真面目くさく語るのではないところが良かったです。日常の生活の中にそのテーマを落とし込んでいるから、納得する描写がたくさんあったような気がします。

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2025年10月21日

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地球が滅亡するまで、わずか2年。
世界が終末に近づいていく中での、ある人々がそれぞれの残り時間を思いのままに過ごそうとする。

8つの短編集に分けられていて、それぞれが少しずつ絡み合うところも見どころ。
どんでん返し!というものがあるわけではないけどユーモアな終末の日常に見入ってしまう。

自分なら、どう過ごすかなぁ、と考えながら読んだ。

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2025年09月12日

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死を目前とすると生について意識しはじめる。
生について意識し始めた人たちのそれぞれの生き方が描かれていて、ところどころいいセリフがあるのが刺さる。

特に二ノ宮くんのみんなが信じたから惑星が落ちることになったんだよって言うところ。世間のみんなが一つの事柄を信じたらそれは事実になるって、確かにそうだなと、

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

人々が一通りパニックになりきった後の落ち着いた時間を過ごす人達それぞれの想いと生き方、周りとの接し方。
小惑星が降ってくるまであと3年、続く日々と小惑星へのカウントダウン、降ってこないかもしれないの期待を抱きながら生きるのはどんな気持ちか。


自分は終末どんな感じになるだろうと想像しつつ、なんて事ない今が大事なんだなと思えた

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2025年08月28日

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8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡する。そんな絶望の世界を生きる人々の8つの物語。最期が決まっている世界で人は何を考え、何を望むのか。

どんでん返しや意外な展開はないけれど、読み飽きないストーリー。パニックが治まってから隕石衝突まで2年という期間が舞台だから、殺伐とはしておらず、むしろ日常系に近いと感じた。8つの物語が少しだけ交錯するのが心地よい。もし世界が終わるのならば、私は何に価値を見出すのだろうか、と考えながら読んだ。

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2025年08月26日

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8年後に小惑星が衝突すると言われたら、ぼくならどうするだろうか。どうにかこうにか5年を生きながらえて残り3年になったときのぼくはどうなっているのだろうか。生きることとは。幸せとは。その答えを見つけられただろうか。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

8年後に小惑星が衝突して地球が滅亡する。
発表当初は掠奪や暴動が起こったが5年が経ち、
少し落ち着いた状況とこの微妙な設定がさすがです。
各登場人物はみんな何かしらの理由で家族の一部が無くなった人ばかりで、そんな中、残りの人生を諦める者、新たな目標を見つける者など様々な人々が描かれ、どのお話もとても良かったですね。

一番はキックボクサー苗場と会長!
この状況でもひたすら練習に打ち込む姿は個人的には憧れであり目標ですね。
恐らく私はいの一番に諦めると思います。



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2025年08月17日

Posted by ブクログ

8年後に惑星突撃で全員死ぬ、その5年目のいろんな人の短編集。8年後に死ぬからといって自殺するのはよく分からないな。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

【2025年23冊目】
今から8年後に小惑星が地球に衝突します――突如突きつけられた終末論に、多くの人々は混乱し、絶望し、自暴自棄になった。それから5年後、小惑星の衝突まで残り3年。絶縁状態だった父娘、決断できない男、終わる前に終わらせようとした人々、目標に向かって動く女、変わらないボクサー、天体マニア、擬似家族、天高くなっていく櫓と父と息子。人々の思いを描いた連作短編集。

伊坂幸太郎さんの連作短編集はいくつか読んだことがあるので、「あっ、この人がここと繋がってる」みたいなさりげない仕掛けにニッコリできるのは当然のことだな、と読み進めました。いやー、一番好きな連作短編集かも。

定められた死。誰しもに訪れるであろう平等な死。その中でいろいろな思いを持って生きる人々。ありとあらゆる絶望を見た上で、生き残ってきた彼ら。自分だったら早々に離脱してる組かもと想像しました。

結末で小惑星が本当に衝突したのかどうかは描かれません。軌道がズレて、大丈夫だったのかもしれないし、計算通り残念ながらぶつかったのかもしれない。この物語は最後の絶望を描くのではなく、過程で繰り広げられる人間模様を描いた作品なので、そこを期待してると肩透かしを食らうかもしれませんが、人の感情を追いかけるのが好きな人にはめちゃくちゃ刺さる一作だと思います。私はめちゃくちゃ刺さりました。

別の本(アンソロジー)で「太陽のシール」は読んだことがあったので、一度読まずに飛ばしたのですが、やっぱり読もうと思って読んで、電車の中だったのに涙を滲ませたりしてました。オセロのくだりはずるいよ。

好きな話だと思う話があったなら、イコール、予定された死を突きつけられた時に、こう在りたいなという願望を描いたものなのかもしれません。

物語の設定は厳しいのに、なんだか心がふわりと軽くなるものばかりでした。

初読:2015年9月17日

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

実際に地球に隕石が落ちるとわかったら、どんな世の中になるのだろうか、自分はどんな行動をするだろうと考えさせられた。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終末ものは過去何冊か読んできた、だいたい荒れ狂う人々の中、日常を過ごす人たちが描かれているものだった
こちらもそういったもので、仙台の同じマンションに住む住人たちのそれぞれが、たまに交錯しながら残り3年を過ごす短編集になっていた

もし本当に数年後世界が終わるとわかったら?
そんなタイムリミット、絶対知りたくないよな

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

読書録「終末のフール」3

著者 伊坂幸太郎
出版 集英社文庫

p249より引用
“「あのさ、地球の環境もコントロールでき
ない人間が、どうして火星の環境を維持でき
るわけ?」”

目次より引用
“終末のフール
 太陽のシール
 籠城のビール
 冬眠のガール
 鋼鉄のフール”

 終わりゆく世界に生きる人々を描いた、短
編連作群像劇。同社刊行作文庫版。
 小惑星の衝突の予測によって、8年後の滅亡
が予告されてしまった地球。予告後の世界の
混乱から5年が経過し、少し落ち着きを見せる
世の中で、人々はそれぞれ残りの時間を過ご
す…。

 上記の引用は、地球が駄目なら火星に住め
ばいいじゃない、といったアントワネット構
文で意見を述べる登場人物に対する、返答。
自分一人の体調を思い通りに整えることも、
完全には行えないものではないでしょうか。
眼の前の事をこなしながらも、出来ればより
良い方向へ歩き続ける事を、目指したいもの
です。
 作品全体に哀愁というか、寂寥感が漂う作
品。絶望が待っているとしても、日々を生き
る人達の姿に、読む人ごとに考えさせされる
何かが頭に浮かぶ作品ではないでしょうか。
 楽しい、気分が盛り上がるような作品を求
める人には、向かない一冊でしょう。
静かに落ち着いた気持ちになれる、良い作品
でした。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?

・明日死ぬとしても、3年後死ぬとしても、結局今日の生き方って変わらないんだろうな。

短編集!

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

終末、世界の終わり、つまり死というのに繋がる。いつか必ず訪れるいつかが分かってしまうと、自分ならどうするかなんて事考えながら読んでしまいますよね。苗場さんの「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」が印象的。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

世界が滅亡する時に人はどうなるんだろう?と思ったお話たち。

短編集があまり得意じゃないので
1つ1つの話は好きなんだけど
なかなか読み進められなかった。

色々な価値観、生き方があって
全て肯定も否定も難しい。
特に子供の話はすごく考えさせられた。
8年という時をどう捉えるのか。

短編集ながらも繋がりを感じることが出来て
あ、あの人か!となるのは楽しかった。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

短編小説になっているが、それぞれ話が少し繋がっていて面白かった。ただ全体的に話が暗く短編ごとに一喜一憂してしまうので読み終える頃には疲れきってしまった。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

八年後に地球は滅亡する世界でのお話。
現実でよく何月何日に滅亡するらしいよーが実際に起こり始めている世界で、何を考え、どのように生きるのかが描かれた短編集。
高みの見物をして最後に死ぬ。復讐を果たす。新たな命と共に生きる。恋をする。寄り添い合い家族を演じる。強くなるためジムに通う。
などなど、人それぞれの生き方があるなと感じるとともに、自分だったらどんな生き方をするのだろうとも思った。
生きる意味を見つめ直しながら楽しめる作品でした。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

本当に小惑星が落ちてくることになったら、自分はどうやって過ごしてるんだろうと考えてしまった。無いとは思うけど少し有り得そうで、色々想像できて生きることについて考える良いきっかけになった。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

3年後に地球滅亡することな分かっていて
殺人、強奪、自殺で混沌とする世の中で
両親や妻、息子や孫が殺されたり亡くなって
しまい、残りをどう生きるのか。
そんな中でも黙々とトレーニングを続ける
ボクサー苗場さんの
「やれることをやるだけ」
「あなたの生き方はどれだけ生きるつもりの生き方なのか」(鋼鉄ウール)
がかっこよかった。
終末のフールと
各章タイトルが韻を踏んでて面白い。
(ヨールはちょっと無理があるのでは笑)

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂幸太郎この作品で初めてよんだ。
来るべき終末に向けみんな淡々と過ごしながらも、根っこの所では底力が見えて良かった。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

8年後に小惑星が地球に衝突し、地球が滅亡すると予告されて5年が過ぎたころを舞台にした連作短編集。この5年が過ぎたという設定がさすが伊坂先生。各登場人物は一様に喪失感を味わいながらも、それなりに平常心を取り戻しています。3年間という限られた時間の中でどう生きるかを問うた作品。

自分ならどうするでしょう? 長らく会っていない友人にかたっぱしから会いに行ったり、溜まっている本とブルーレイを消化したり。でも、3年あったら、仕事は辞めないかな。

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2025年12月01日

購入済み

手軽に読めて高い満足を得られる

短編になっているため、気軽にサクサクと読み進められます。それぞれの話がちょうど良い具合に絡み合っており、いつの間にかそんな関連を探すのを楽しみにしている自分がいました。先の見えないこんな世の中に不安になることもありますが、先が見えてしまう、未来が決まってしまうこともまた、人間には耐えられないのだと思いました。

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2021年08月14日

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