あらすじ
「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの天才「蝉」も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに──。
「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだけど、楽しさ変わらず。
なかなかの長編ですが中弛みしないです。
一人一人のキャラクターが本当に素敵で、死んでしまうのが勿体ない登場人物が多数。
遡って「マリアビートル」も読みたくなりました。
Posted by ブクログ
主人公が亡き妻の仇を打つことに夢中になって闇の世界に首を突っ込む中で、様々な種類の殺し屋が登場し、その非現実的に思える世界も、どこかにもしかしたら存在するのかもしれないと思いながら、先の展開が気になって一気に読み進めてしまった。
亡き妻との結婚指輪を常に意識する主人公の姿から、そこまでおもってくれる旦那に出会えた妻は幸せ者だろうなと思った。
殺し屋のセリフの中で、「人は誰しも死にたがっている」というフレーズが、なんだか理解できないようでできるような気がした。
主人公の亡き妻の、バイキングで食べきれないくらいの量を取って、最後はお腹がはち切れそうになっている様子が自分と重なり、私にも同じような出会いがあるかもしれないと思い、少し笑えた。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎のグラスホッパーを読んだ、全然関係ない(であろう)世界を読むのは、現実を生きる上での息抜きになる。マリアビートルを読んだときにも思ったけど、岩西と蝉、檸檬と蜜柑みたいな一見仲が悪そうだけど、実は絆が結構深い二人組は素敵だな。
Posted by ブクログ
各々が別の依頼をこなしていたはずが、いつの間にか「押し屋」争奪デスマッチへ。
主人公だと思ったら他人の劇の小道具。
捕食者が獲物。
壮絶な死闘の末、「生きるために食べる」と決めた男に言いたい。
「バカジャナイノー」
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎らしいテンポの良さで最後まで一気に読めた。複数の殺し屋や裏社会の人物たちの物語が少しずつ交差し、終盤でつながっていく展開が見事。軽妙な会話の一方で、人間の罪悪感や復讐、生き方についても考えさせられる作品だった。読後に考察を読むと新たな発見も多く、続編を読みたくなる一冊。
ハードボイルドって
伊坂幸太郎さんのワールドをしっかり堪能できる作品です!登場するキャラ(特に殺し屋の面々)が、皆個性的・魅力的でクール。ハードボイルドってこういうこと!楽しめた方には「マリアビートル」もオススメです。
面白い
電子書籍で小説を読み漁ってますが、遅ればせながらこの本に出会い、はまりました。
続編のマリアビートルも読了。
現在、シリーズ3作目を堪能しています。
各登場人物の視点で構成される作風も良いです。
三人の視点が交互に語られ物語が進んでいくスピード感が最高。
比与子が孝次郎から住所を聞き出し、これから非合法な連中が槿の家に押し寄せてくる、という場面にハラハラした。
最後に寺原が死んだとなって、どうしてだろうと思ったら最初の若者が伏線だったとか、その正体もしっかり示唆されていたとかさすがと驚いた。
Posted by ブクログ
初めての伊坂幸太朗さん
三人の主観で物語が進んでいく感じで
描写を頭に繰り広げながら読めたので案外
すらすらと読み進められた。
鈴木の亡き妻の人柄がとても素敵で
言葉一つ一つが好きだった。
バイキングは1対1の勝負。
いい考え!最高!
Posted by ブクログ
メインキャラである鈴木、鯨、蝉の3人が、ハードボイルドな世界観の中でそれぞれの「正義」を貫いて突き抜け、一瞬交差してはまた別の場所へと飛び去っていく展開が面白い。 登場人物は皆いわゆる「悪人」ばかりだけど、どこか憎めない魅力がある。冷酷に任務を遂行するかと思えばふっと情を見せる場面もあり、その人間臭さに強く惹きつけられた。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の殺し屋シリーズの原点。
冷酷無情の殺し屋たち、なんだけど
みんなどことなく抜けていて憎めない。
最後の最後は「情」であるというところも読んでいて爽快。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ。
鈴木、蝉、鯨の3人の視点を変えながら物語が進む。
最後の犬がご飯をバクバク品なく食べるのを見て「さあ働かないと」と鈴木がなる描写が印象に残る。
Posted by ブクログ
ラッシュライフで伊坂幸太郎にハマってしまった。
積読してあった伊坂幸太郎作品を読み進めている。面白かったな。伊坂幸太郎作品のキャラクター同士の会話で急にボケ?を挟んでくるところが大好き。
鯨はでかいし、蝉は憎めない。鈴木のお人好し加減も好き。
Posted by ブクログ
伊坂作品の中でもtop3に入るくらい好きな作品。刊行されてすぐに読んで、キラキラした表紙に惹かれて今回再読。
何度読んでもおもしろーい!緊迫した空気なのにふっと息をつける瞬間がたくさんあって読みやすく、登場するキャラクターが全員魅力的。描写が細かくて印象深い表現がたくさんあるところもいい。読みやすいハードボイルドをお探しの方にはピッタリかと。
Posted by ブクログ
777が面白かったので殺し屋シリーズ、他にも読みたいっと限定キラキラカバーが出ているうちに3冊一気にゲット。色々なヤバい殺し屋が出まくるが、1番ヤバいの鈴木なのでは?!と思っていたところにラストが!!やはり鈴木はヤバかった!タガが外れた人、そしてそこから罪悪感らしきものに飲み込まれる様子が何か淡々と描写され、ちょっと怖かった…しかし面白かった!
Posted by ブクログ
妻を殺され、復讐を胸に秘めている元教師の鈴木。
「自殺屋」と呼ばれる殺し屋、鯨。
ナイフ使いの殺し屋、蝉。
それぞれの視点で語る群像劇です。
現実はもちろん、小説の中の殺し屋業界に詳しくないので、殺し屋とは、銃や刃物を使い、暴力的に仕事をするものだと思っていました。ところが、この小説には押すだけの「押し屋」、自殺専門の「自殺屋」といった殺し屋も登場します。
殺し屋小説なので、ハードボイルドな場面ありますが、シニカルで哲学的でユニークな会話やストーリー展開が魅力的な作品だと思います。殺しのターゲットを自殺に追い込んでいる緊迫の場面で「自殺屋」は、愛読書の文庫本を読んでいます。それを見たターゲットは「その本って題名を逆さに読むと『唾と蜜』になるんですよ」なんて言っています。
また、「押し屋」ではないかとの疑いがある男の家を訪ねると、妻子がいて、殺し屋のような物騒な雰囲気はありません。ただ、不穏な空気感と違和感が漂っています。押し屋の疑いがある男の名前は槿(むくげと書いてあさがおと読む)。槿は人間をグラスホッパー(飛びバッタ)に例えます。密集して暮らすうちに種類が変わり、凶暴な飛びバッタに化した都会の人間の絶対数を減らして元にもどすのが殺し屋の仕事で、存在意義というようにもとれます。
殺される側は、普段は自分が凶暴な飛びバッタになっている自覚がないけれど、死に対峙した時、罪悪感等の負の感情が溢れ、直接手をくだすまでもなく「自殺屋」によって追い込まれ、自ら死を選んでしまいます。
心の闇、希死念慮は、人間だけが持っていて、でも、自分自身でも気づきづらい感情かと思いました。
ハードボイルドな犯罪小説というよりは、ユニークなキャラクターたちが舞台上で会話劇を繰り広げるイメージが頭の中に立ち上がりました。
印象的だった会話があります。
「おまえさ、人としじみのどっちが偉いか知ってるか?」
「人に決まってんだろうが」
「馬鹿か。いいか、人間の知恵だとか科学は、人間のためにしか役にたたねえんだよ。分かってんのか? 人間がいてくれて良かった、なんて誰も思ってねえよ、人間以外はな」
Posted by ブクログ
初めての殺し屋シリーズ。
自殺屋、ナイフ使い、押し屋など色んな種類の殺し屋が登場し、残酷なシーンも多い。とにかく物騒ではあるんだけど、登場人物のふとしたセリフにほっこりしたり、クスッとしたり、そういう心地良さもあるのが伊坂作品らしくて良かった。ストーリーに反して、なぜか穏やかな気持ちにもさせられる不思議な読後感。
Posted by ブクログ
あとがきによるとハードボイルドらしい。
ハードボイルドといえば銃撃戦のイメージがあったが、体を張った戦いの方が多かった。こういうのもハードボイルドと言うんだなぁと思った。
裏社会側の人間は押し屋以外死んじゃって、あぁ無情といったところか。
最後、復讐はうまくいかなかったけれど、前を向いて生活している鈴木が見られて良かったかも。
とは言え、薬物と理解しながらその販売をしていたから、この世界観だといずれ報いを受けそうな…?
妻を亡くしたのが先払いの報いかもしれないね。
Posted by ブクログ
シリーズ1作目で、まず読みました。伊坂さん作品は15年ぶりくらいでどんな内容か楽しみでしたが、読めばユーモアあふれるエンターテイメント作品でちょっと意外でした。好きだったのは、鈴木が必死にあさがお/押し屋に食らいついて、擬似家族だと分かったことや、セミのキャラクターでした。フロウライン解体とか、何だかこの作品で完結しても問題のなさそうな内容だったのに、この続編を高いクオリティで執筆された伊坂さんの凄さが2作目のマリアビートルを読むとよくわかる、そんな気がしました。
Posted by ブクログ
以前にゴールデンスランバーを読んだことがあるのですが、その時と同じように終始緊張するような展開で、だれるタイミングは全くなく読めました。
主人公は全く悪に加担していないということはないですが、もし同じ立場ならと考えると極めて人間的な行動だと納得できました。途中途中で「そんな行動するか?」となる場面もありましたが、失うものがなくかつ目的(復讐相手)がいなくなったなら、損得や恐怖を度外視した行動をとることができるのかなと思いながら読んでいました。
大変面白かったです。
Posted by ブクログ
深層心理の中で現実世界と幻覚が織りなし、何が正しく何が誤りなのか、登場人物の葛藤がひしひしと伝わりました。
ハラハラとする鈴木の過酷な状況下での「トーキョートブンキョーク」には癒されました。
Posted by ブクログ
皆が最後は悲壮感無く死んでいく世界観は嫌いでは無い
一体誰が生き残るのか何となく想像できたけど、この作品はそこを楽しむものでは無いのかもしれない
殺し屋シリーズの始まり
正直2.3.4作目の方が好きだけど、、。
まさにハードボイルド、殺し屋シリーズ大好きです。
人がどんどん死んでいくし結構表現もグロめだけど、淡々と描かれていく。最後にきっちり助けてくれる押し屋流石です。蝉が1番好き、どの殺し屋も死ぬ時に悲壮感が無くてかっこいい。
Posted by ブクログ
王道の復讐劇を予想して読み始めたため、なんとも言えない苦みの残るラストにちょっとモヤモヤ。主人公の鈴木、そして殺し屋の蝉と鯨という3人の視点が交錯するなかで、どのような結末へと結びつくのか期待していましたが、彼らが劇的に協力したり対決したりすることもなく。
分かりやすい爽快感を期待して読むと不完全燃焼に感じる、一筋縄ではいかないビターな作品だった。
Posted by ブクログ
【ネタバレあり】伊坂幸太郎『グラスホッパー』レビュー|殺し屋たちが交錯する物語の結末と魅力を徹底解説
この記事には、伊坂幸太郎『グラスホッパー』の重大なネタバレが含まれています。
未読の方は、できれば本編を読んでからこの記事をご覧ください。
伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』を読みました。
一言で感想を言うなら、
「殺し屋の話なのに、どこかユーモラス。そして最後には人間の善悪について考えさせられる小説」
でした。
『グラスホッパー』には、一般的なミステリー小説のような「犯人は誰だ?」という謎解きだけではありません。
登場するのは、
* 妻を殺された元教師
* 自殺させ屋「鯨」
* ナイフ使い「蝉」
* 自動車事故に見せかけて人を殺す「押し屋」
という、かなり癖の強い人物たち。
それぞれが別々の目的で動いているのに、少しずつ物語が交差していきます。
そして面白いのが、
「一体この人たちは、どこでつながっているんだ?」
と思いながら読み進めているうちに、いつの間にか全員が同じ物語の中に集約されていくこと。
伊坂幸太郎作品らしい、軽妙な会話と独特の世界観も健在です。
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『グラスホッパー』はどんな小説?
『グラスホッパー』は伊坂幸太郎さんによる長編小説です。
物語の中心になるのは「鈴木」「鯨」「蝉」という3人。
主人公の鈴木は、もともと中学校教師でした。
しかし、ある事件をきっかけに教師を辞めることになります。
その事件とは、
最愛の妻を殺されたこと。
妻を殺した人物に復讐するため、鈴木は裏社会へと足を踏み入れていきます。
そこで出会うのが、さまざまな「殺し屋」たちです。
中でも重要なのが、
「押し屋」
と呼ばれる殺し屋。
彼は人を車道へ押し出し、自動車事故に見せかけて殺害するという特殊な方法を使います。
この押し屋を追う鈴木。
一方で、別の殺し屋である鯨と蝉も、それぞれの事情で動き始めます。
3人の視点を行き来しながら物語が進んでいくのが本作の特徴です。
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『グラスホッパー』のあらすじ
主人公の鈴木は、妻を交通事故で失います。
しかし、それは偶然の事故ではありませんでした。
妻を殺したのは、裏社会の人間である寺原の息子。
鈴木は復讐のため、寺原が経営する会社に入り込みます。
そこで寺原の息子に復讐しようとした瞬間――。
彼は「押し屋」と呼ばれる殺し屋によって車道へ押し出され、轢き殺されます。
目の前で起きた不可解な殺人。
鈴木は、その現場にいた「押し屋」を追いかけることになります。
一方、別の場所では「鯨」という殺し屋が仕事をしています。
鯨の能力は、
人間を自殺させること。
彼が近くにいるだけで、人間は自分自身の罪や恐怖に耐えられなくなり、自殺へと追い込まれてしまいます。
さらに「蝉」という若い殺し屋も登場します。
蝉はナイフを使った殺人を得意とし、非常に短気で攻撃的。
そんな3人の物語が少しずつ交差していきます。
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【ネタバレ】押し屋の正体は?
本作最大の謎の一つが、
「押し屋とは何者なのか?」
ということです。
鈴木は押し屋を追跡します。
そして最終的にたどり着くのが、
槿(あさがお)
という人物です。
槿は、一般的な「殺し屋」のイメージとは大きく異なります。
妻や子どもと暮らし、普通の家庭を持っているように見える人物。
しかし、実は彼こそが「押し屋」でした。
ここが本作の面白いところです。
殺し屋なのに、普通の家庭を持っている。
殺人を職業にしている人間が、家庭では父親として生活している。
そのギャップが非常に印象的です。
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槿は本当に「悪人」なのか?
『グラスホッパー』を読んでいて面白いのが、
「誰が善人で、誰が悪人なのか」が簡単には判断できない
ことです。
例えば鈴木。
妻を殺された被害者であり、復讐をしようとしている人物です。
普通に考えれば、読者は鈴木に感情移入します。
しかし、鈴木自身も裏社会に入り、人を殺そうとしています。
一方の槿は殺し屋。
当然、善人ではありません。
ところが、彼には家族がいて、家族を大切にしています。
「殺し屋」という一面だけを見れば悪人。
しかし家庭では普通の父親。
この矛盾が本作の面白さです。
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「鯨」という殺し屋が怖すぎる
個人的に『グラスホッパー』で最も印象に残ったキャラクターは、鯨です。
鯨の能力は、
人間を自殺へ追い込むこと。
ただし、直接手を下すわけではありません。
相手の心の中にある罪悪感や恐怖を刺激し、
「自分は生きていてはいけない」
と思わせる。
そして相手自身に死を選ばせる。
この設定が非常に怖い。
ナイフで人を殺す蝉よりも、むしろ鯨のほうが怖く感じます。
なぜなら、
人間の精神そのものを武器にしているから。
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「蝉」は物語にユーモアを与える存在
蝉は非常に攻撃的な殺し屋です。
ナイフを使って人を殺すことを仕事にしています。
しかし、意外と人間臭い。
特に鯨とは対照的なキャラクターとして描かれています。
鯨が静かで不気味なのに対して、蝉はよく喋り、感情的。
この二人の対比が非常に面白いです。
殺し屋同士の会話なのに、どこか漫才のように感じる場面もあります。
この、
「物騒なのに、なぜか笑ってしまう」
という伊坂幸太郎作品独特の空気感が、『グラスホッパー』の魅力だと思います。
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【ネタバレ】物語の結末
ここからラストについて詳しく書きます。
物語の終盤、鈴木は押し屋を追いながら、裏社会の人間たちと関わっていきます。
そして最終的には、鈴木自身も殺し屋たちの世界に巻き込まれていきます。
しかし、物語は単純な復讐劇では終わりません。
鈴木は妻を殺した男への復讐を目的に動いていました。
ところが、物語が進むにつれて、
「復讐することに何の意味があるのか」
という問題に直面します。
復讐を果たしたところで、妻が戻ってくるわけではない。
むしろ、自分自身が犯罪者の世界へ近づいていく。
そのことに鈴木自身が気づいていきます。
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『グラスホッパー』で印象的なテーマ
この作品のテーマとして強く感じるのが、
「人間は環境によってどこまで変わるのか」
ということです。
鈴木はもともと普通の教師でした。
それが妻を殺されたことで復讐を決意し、裏社会へ入っていきます。
つまり、
普通の人間だった鈴木が、殺し屋たちの世界へ入っていく。
この変化が物語の重要な部分です。
一方で、殺し屋たちも単純な「悪人」ではありません。
それぞれに価値観があり、人生があり、弱さがあります。
だからこそ、
「悪人だから悪い」
という単純な構図になっていません。
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『グラスホッパー』というタイトルの意味
タイトルの「グラスホッパー」は英語で、
grasshopper=バッタ
を意味します。
なぜ殺し屋の物語に「バッタ」というタイトルが付けられているのか。
ここも本作を読む上で面白いポイントです。
バッタは、自分の意思で自由に飛び跳ねているように見えます。
しかし実際には、周囲の環境に大きく影響される存在でもあります。
本作の登場人物たちも同じ。
自分の意思で行動しているように見えて、
* 過去
* 家族
* 復讐
* 裏社会
* 他人との出会い
によって行動を変化させていきます。
一人の人間が別の人間を動かし、その人間がさらに別の人間を動かす。
まるでバッタが飛び跳ねるように、物語が次々と別の人物へ移っていく。
そんな意味も感じられます。
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『グラスホッパー』の魅力は「3人の視点」
この作品では、
鈴木・鯨・蝉
という3人の視点を行き来します。
これが非常に効果的です。
鈴木の章では、
「押し屋を追わなければ」
というサスペンス。
鯨の章では、
「この男は何を考えているのか?」
という心理描写。
蝉の章では、
「次に何をやらかすのか?」
というエンタメ性。
同じ世界で、それぞれ違った物語が進んでいく。
そして最終的に、それらが一本につながっていく。
この構成がとても伊坂幸太郎らしいです。
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『グラスホッパー』を読んだ感想
個人的には、
「殺し屋小説なのに、読後感が意外と軽い」
ところが面白かったです。
扱っているテーマはかなり重い。
殺人、復讐、自殺、裏社会。
普通ならかなり暗い小説になりそうです。
しかし、伊坂幸太郎さん独特の会話やユーモアがあることで、スイスイ読めます。
そして、登場人物たちの会話には独特のテンポがあります。
「こんな状況でそんなこと言う?」
と思わされるような場面もある。
それが逆に、この作品独特の魅力になっています。
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『グラスホッパー』は『殺し屋シリーズ』の原点
『グラスホッパー』は、後の伊坂幸太郎さんの「殺し屋シリーズ」につながっていく作品でもあります。
その後、
『マリアビートル』
『AX アックス』
へとシリーズが展開していきます。
特に『マリアビートル』では、『グラスホッパー』で登場した殺し屋たちの世界観がさらに広がります。
そのため、
「伊坂幸太郎の殺し屋シリーズを読みたい」
という人は、『グラスホッパー』から読むのがおすすめです。
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『グラスホッパー』の評価
個人的な評価は以下の通りです。
項目評価
ストーリー★★★★★
キャラクター★★★★★
世界観★★★★★
会話の面白さ★★★★★
サスペンス★★★★☆
ミステリー★★★★☆
読みやすさ★★★★★
独特の雰囲気★★★★★
おすすめ度★★★★★
特におすすめしたいのは、
キャラクターの魅力と、複数の物語が一つにつながっていく構成。
ここは伊坂幸太郎作品ならではだと思います。
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こんな人におすすめ
『グラスホッパー』は、こんな人におすすめです。
* 伊坂幸太郎作品が好き
* 『マリアビートル』を読んで面白かった
* 殺し屋が登場する小説が好き
* サスペンスが好き
* 独特な世界観の小説が読みたい
* 会話が面白い小説が好き
* 善悪が単純ではない物語が好き
* 複数の登場人物の物語がつながっていく作品が好き
逆に、純粋な本格ミステリーを期待すると、少し違うと感じるかもしれません。
『グラスホッパー』は「犯人当て」よりも、
人物・会話・世界観・物語の交差
を楽しむ小説だからです。
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まとめ|『グラスホッパー』は「殺し屋」を通して人間を描いた小説
『グラスホッパー』は、一見すると殺し屋たちが活躍するクライム・サスペンスです。
しかし、読み終えてみると、それだけではありません。
妻を殺された鈴木。
人を自殺へ追い込む鯨。
ナイフを武器にする蝉。
そして「押し屋」と呼ばれる槿。
一見すると、誰もが普通ではない人間です。
しかし、それぞれの行動を見ていると、
「本当に普通の人間と、彼らの間にどれほどの違いがあるのだろう?」
と考えさせられます。
人間は環境によって変わる。
復讐によって変わる。
他人との出会いによって変わる。
そして、自分ではコントロールしているつもりでも、誰かの行動によって人生を動かされてしまう。
そんな人間の不思議さを、殺し屋たちの世界を舞台に描いた作品だと思います。
個人的には、
「ストーリーそのもの」よりも「登場人物たちを眺めている時間が楽しい小説」
という印象でした。
そして『グラスホッパー』を気に入ったなら、そのまま『マリアビートル』『AX アックス』へ進むのがおすすめです。
特に『マリアビートル』は、殺し屋たちの世界観をさらにエンターテインメント寄りに楽しめる作品なので、『グラスホッパー』とはまた違った面白さがあります。
Posted by ブクログ
伏線回収が綺麗にされていて物語として読みやすかった。
キャラも立っていて面白く、文もスラスラ読めた。
最初の展開は読者を引き込ませたが、面白いが特別目立つ展開があるといわけでもないっという感じだった
Posted by ブクログ
釈然としないような。
軽妙な掛け合いは読んでいてとても面白い。
人体の神秘を感じる。まだ分かってないことの方が多いわけで。
でも、人間はどこにいても変わらないと思う。都会でも田舎でも。結局、見えない外部に敵を作り出して身を寄せ合って怯えることに変わりない。
現代の個人の尊重とか多様性なんかも、敵が見知らぬ誰かから自分たちを取り囲む柵、伝統に変わっただけで、人間は常に同じ。
群衆相ってのは、人に例えるなら戦争の最中生まれた子供達みたいなもんで、その意味で言えばもうほとんど居ない。
Posted by ブクログ
久しぶりに伊坂幸太郎作品を読みたくなり、ずっと読んでいなかった殺人シリーズに手を出してみました!
三人の主人公がいつどこで関わってくるのか?どんな展開になるの?とハラハラしながら読みました。
描写が細かくてグロさもありますが、他のシリーズも気になりました!
Posted by ブクログ
殺し屋シリーズが読みたく、まずは1作目から。
昔、映画をみたことがあったけど全く覚えていなかったから確認のためにも…。
ただ、読み進めると昔の映画の記憶が断片的に思い出され、そのおかげかあっさりと読み終わってしまった。映画の記憶が染み付いちゃって小説にどっぷりはまれなかった感はある。
全く無の状態から読みたかったなぁ…と少し後悔。
やはり原作から入るべきだなと。
鈴木の人の良さは相変わらずだったけど
槿 家族とのやり取りが小説では詳細に描かれていたのでそれは面白かった。
なんだかんだ切なかったな。
Posted by ブクログ
自分の現実から、あまりにかけ離れた物語で、面白いっちゃ面白いけど、なんでそうなるのかよくわからないなぁ〜というのが正直な感想です。
槿を、「あさかお」と読むことを初めて知りました。
Posted by ブクログ
仙台在住だが、伊坂作品は読んだことがなかったので、購入。タイトルは聞いたことあるなー程度。
まさかの殺し屋の話だった。そんな職業がこの世にも本当にあったりして、と思いながら読んでいた。
人殺しの話なのに、スイスイ読み進められた。
主人公「生きてるみたいに生きる。」「まずはいっぱい食べていろんなことを消化して」結構好きな言葉かもしれない。殺し屋たちなのに言葉のチョイス?センス?がよい。
もう一回読んでみたらもっと面白いかもしれないし、他の伊坂作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
スズメバチの伏線回収や、寺原が轢かれるシーンはびっくりで良かった
読みやすい
でも死ぬほど面白いという訳では無いと思った
危険と分かっていても、実際それが起こるまではまあ大丈夫とどこかで思っているっていうのが、わかるなぁと思った
Posted by ブクログ
物語は個人的にマリアビートルズが好き。七尾が出てこないと物足りなさを感じてしまった。
この殺し屋シリーズはどこかで繋がりがあるから面白い。印象的なのは鯨かなぁ。良い人ではないのに、なぜか、彼は救われて欲しかったなぁと思ってしまった。
予想通り
これは複線なんだろうなと、思っていた出来事が見事に的中していて、ああ、やっぱりかよ。と思った。
ちょっと鼻高にもなれたが、ちょっと失望もする。
それはさておき。
ミステリーとしてはキャラクターの個性も立っていて、本当にこんな業界があるのだろうかと、興味深く読めました。