【感想・ネタバレ】グラスホッパーのレビュー

あらすじ

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの天才「蝉」も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに──。
「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらずの伏線回収が凄い作品。
書いてあることに無駄がない。
妻を殺された鈴木が敵を討つために組織に潜入する。だが肝心の敵が目の前で車にひかれて死んでしまう。彼は押し屋に殺されたのか?押し屋を巡り多彩な殺し屋達が織りなすハードボイルド小説。
個々のキャラクターも魅力的。
特に蝉がいいねー。
隠れてるんじゃない、満を持してるんだ、てセリフが好き。

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2025年10月10日

ネタバレ 購入済み

三人の視点が交互に語られ物語が進んでいくスピード感が最高。
比与子が孝次郎から住所を聞き出し、これから非合法な連中が槿の家に押し寄せてくる、という場面にハラハラした。
最後に寺原が死んだとなって、どうしてだろうと思ったら最初の若者が伏線だったとか、その正体もしっかり示唆されていたとかさすがと驚いた。

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2019年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白くて、途中から目が離せない展開になった。
殺し屋3人達と凡人鈴木さんのお話。 鯨は最期呆気ないと思ったけど、散々出てきた亡霊達とのやり取りの総括と思えば最期に何を見たのか、この終わり方しかなかったのだろうと思える。
好きなシーンは、パスタのシーン。 美味しそう。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3人の相容れなかった殺し屋(1人は?)が、1人の男を追っていく中で、徐々にそれぞれが結びついていき、衝突していく展開が疾走感溢れて面白い。

特に、どんなに力が強い相手でも心の弱味につけ込んで自殺に追い込んでしまう鯨と、いとも簡単にナイフで相手を切り裂いてしまう蝉との対決は、どんな展開でどちらに軍配が上がるのかとハラハラして読み進めて行った。

そして、ラストにかけては思いもよらぬ展開へと進んでいき、一気に読み終えてしまう程没入感に浸ってしまった。

それにしても、こんなに中身がギッシリ詰まった展開なのに、たった1日での出来事かと思うと、とても中身の濃い1日だったんだなと改めて思った。

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2025年11月30日

ネタバレ 購入済み

殺し屋シリーズの始まり

正直2.3.4作目の方が好きだけど、、。
まさにハードボイルド、殺し屋シリーズ大好きです。
人がどんどん死んでいくし結構表現もグロめだけど、淡々と描かれていく。最後にきっちり助けてくれる押し屋流石です。蝉が1番好き、どの殺し屋も死ぬ時に悲壮感が無くてかっこいい。

#カッコいい #ダーク

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 えげつない読み応えだった。先の読めない展開⋯機知に富んだ会話⋯炸裂するスリル⋯伏線の妙⋯それら全てがたまらない。

 殺し屋の業界が私たちの日常のすぐ隣にありそうな雰囲気で描かれていて、怖いと感じたけれど、逆に楽しくも感じられたのは、伊坂作品の独特な筆致の影響だと思う。

 生きてるように生きなくちゃ。
 強く心に刺さった。私もバイキングで「一対一の勝負」に挑んでみたくなった。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

妻を車の事故で亡くした「鈴木」、相手に語りかけて対象人物に自殺をさせる自殺屋の「鯨」、上司の指示で対象人物を殺害する「蝉」の3人の登場人物が、それぞれの視点で語り手を務めるストーリー展開。
鈴木の妻を轢いた殺し屋の息子が、ある日車に轢かれて死んでしまう場面から、3人それぞれのストーリーが続いていく。後半では3人が同じ場面で出くわす展開にハラハラドキドキした。
個性的な登場人物がとても好きで、槿(あさがお)ファミリーを装っていた家族4人の場面はホッコリさせられるところもあった。鈴木の亡くなった妻が話す「やるしかないじゃない」という言葉が要所に響いて良かった。伊坂幸太郎さんの独特の世界観が好きなので、殺し屋シリーズ続編も読む予定。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結構前にマリアビートル読んじゃったけど殺し屋シリーズものだったんだと知って一作目から!
伊坂幸太郎の文章って本当に読みやすい〜〜何読んでもこれ思うのなに??
鈴木、鯨、蝉それぞれがこうも交わるか!という感じで物語が交錯していく感じと 一瞬でも気を抜くと命がなくなる感じ読んでてずっと面白いなー
ところどころ鈴木が奥さんのことを思い出す描写がすき

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂幸太郎の描く殺し屋がとてもキャラクターが特徴的であり、殺し屋の苦悩やそれに巻き込まれる一般人鈴木の復讐劇というのだろうか。
人が死んでいく描写のディテールが細かく表現されており、殺し屋の仕事の熟練度がとても高い。
そして、物語のラストは鈴木はどうなったのか、押し屋に押されて死ぬという含みも持たせた終わり方であり、死からは逃れられないという筆者のメッセージともとれる。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

徹底したメタ視点の描写で
鈴木と蝉が対峙するまで、蝉の倫理観が終わっている事を強く認識出来なかった。
(鯨は、それにしても変なヤツ過ぎたからなんじゃこいつって思ってたけど。)

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鈴木、鯨、蝉それぞれの視点から話が進む。

はじめは別々の場所で全く繋がりのない人物たちだと思っていたが、それぞれの思惑が交錯し、1つに繋がっていく。

場面展開の際、ハンコで名前を示しているので分かりやすい。


印象的なのは、鯨が発する「人は誰でも、死にたがっている」。

まるで鯨は死神かのように、出会う人出会う人が死を選ぶ。
その中で唯一、鈴木は直前で思いとどまることができる。
それは亡き妻の言葉が降りてきたからであるが、その時にわたしが感じたことを書く。

人は常に陰と陽、つまり心の中に生きることへの負の感情とプラスの感情が入り混じりながら生きている。

それが、「人は誰でも、死にたがっている」という言葉をきっかけに負の感情や過去の負の出来事が大きくなっていく。

ただ、それを引き戻してくれるのは人や環境なのではないかと感じた。

もし、わたしの目の前に鯨が現れ、同じ言葉を発した時にわたしはどうするのだろうか?

あわよくば、その時楽しいことに囲まれた人生の時であってほしい。



個人的には、自殺風景や殺人描写が具体的に書かれているので、バイオレンスが苦手な私はなかなか話がすすまない。
1ヶ月ぐらいかけてようやく読み終わった。

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2025年11月16日

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