【感想・ネタバレ】ラッシュライフのレビュー

あらすじ

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

複数の主人公の物語が徐々に重なり合っていくまさに伊坂幸太郎ワールド。殺人事件の死体の描写などリアリティを持たせる一方、コミカルなセリフの言い回しなど独特でリズミカルな展開が心地よい。
偶然と必然が混ざり合う世界で生きることへの問いかけてくるような読後感だった。

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2025年11月30日

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これぞ伏線回収のスペシャリスト伊坂幸太郎!
バラバラだったストーリーが1つの騙し絵に繋がっていく様は読んでて鳥肌が止まりませんでした。
「これってもしかして?」「あれもそうだったのか」が連続して起こるラストパートは最高です。
台詞回しがユーモア溢れるのでグダリがちな会話パートも全く飽きないし、かつその台詞すらも重要な伏線だった、みたいなことが多々起きます。必読。

あと黒澤になら空き巣入られてもいい。

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2025年11月26日

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読み進むにつれ、少しずつ時系列のずれを意識しだした。それでも最後まで面白かった。
伊坂さんの群像劇好きなんだよな。

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2025年10月29日

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ネタバレ

もう伊坂幸太郎大好きになりますね。なぜ今まで、読んでなかったのかが不思議なくらい面白い。
作品の群像劇、出てくるキャラクター、そして所々センスの溢れるセリフ達、どれを取っても一級品です。
特に好きなセリフは泥棒黒澤の言った
「人生については誰もがアマチュアなんだよ。」
「誰だって初参加なんだ。人生にプロフェッショナルがいるわけないがない。」
このセリフはとても心に響いた。
それぞれの登場人物は異なる人生を歩んでいるのだが、順風満帆に進むのではなく、計画は頓挫し、挫折しながら進んでいく。彼らが人生のプロフェッショナルであるなら、ミスなく進んでいくはずだが、そうではない。
そして、何事も金さえあれば手に入ると言っていた戸田も最後は思惑が外れ、豊田に断られる。
まさに、この作品を象徴しているセリフではないか。
何があっても「イッツオールライト」なのである。

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2025年10月06日

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奥田英朗の『最悪』を彷彿とさせる別々の人生を歩んでいた人物たちが交錯する最高の物語だった。1ページ目の1枚の絵が初めはどう意味を持つのか分からなかったが、物語の節々に登場し最後には物語全体がこの絵の構成になってるように感じ絵画と文学がリンクするような不思議な感覚だった。

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2025年10月04日

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ネタバレ

いろいろな話が最後に収束していくのが本当に面白い!
そうだったのか!と思う瞬間がたまらない。
そして泥棒黒澤さんの初登場作品。
やっぱりいい味出してる、かっこいいよ黒沢さんは。

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2025年10月10日

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ネタバレ

最高のエンタメ。さまざまな人がさまざまな時間軸で動くので、最後に一気に繋がっていく様は爽快。文字を読む小説だからこそなせる伏線が面白い。私の頭の中で動く人物たちが、みんな別人とは限らない。

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2025年09月17日

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これぞ伊坂幸太郎って感じ。
バラバラなストーリーが、のちのち絡み合う。
もう絡み合うのは、読書前から分かっていて、この展開をどう組み合わせてくれるかを楽しみに読む状態。まさに個々の話(具材)を上手く調理する料理人の様相。

ワイン片手に、「へー、これとこれを上手く混ぜて、こんな料理になるんですね。素晴らしい!」とシェフに対して最大級の誉め言葉を述べる状況でした。

ワインも飲まないし、シェフに褒め言葉を投げかけたこともないですが・・・ええ。

取りあえず、好きです、この感じ。

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2025年08月27日

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5つの物語が互いに交錯しあう作品
2人の会話を媒介にそれぞれの物語が進んで、それぞれが抱える悩みや不安をささやかに支え合う優しい話に思えた

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2025年07月17日

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ネタバレ

オチ自体は何かもっと痛快さがあったらなと思わなくもなかったんですけどそれ以上に仕掛けがものすごく面白い。傑作です。

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2025年07月14日

購入済み

また一冊バイブルが増えた。

伊坂幸太郎氏の作品は気持ちが沈んでいる時、希望が無くなってしまいそうな時、のような悲しい気持ちの時に読み始めると、気がつけば、私も頑張るかな、って本から顔を上げている。
ストーリーは決して明るいものでは無いのだが不思議とそうなるのだ。
殺し屋シリーズを一通り読み終え、これはどんな話しかな、と期待をして読み始めたらいつものテンポの良いストーリーにつられ、4時間程で読み終えた。またも、自分の人生もなんとかできるかな、と前向き気味笑になれる作品だった。
伊坂幸太郎氏の作品に登場する人達は、殺し屋でさえも何かを背負っていて「死んでくれるなよ」と応援してしまうのだが、あっけなく死んでしまう『良さげな人』がいるので油断できない。
この作品も緊張感で脈が早くなっているなと感じながら読んでいた。この人は幸せにしてくれと願いながら。
どの作品もだが、各章の登場人物の繋がりが自然過ぎて、どうしたらこんな設定ができるのかと、フラグ、その回収の完璧なことと合わせてため息がでてしまう。伊坂幸太郎氏は天才なんだろうなといつも思う。
人が持っている中々外には見えにくい嫌な心、世の不条理…そんなので溢れているストーリーだが、芯は間違っていない人間には光が射す、例え暗闇でもがいていたとしても。この作品は私にはそんな風に感じて希望をもらえた。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。

#切ない #深い #共感する

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2023年11月16日

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読書録「ラッシュライフ」4

著者 伊坂幸太郎
出版 新潮社

p277より引用
“「誰だって初参加なんだ。人生にプロ
フェッショナルがいるわけがない。まあ、時
には自分が人生のプロであるかのような知っ
た顔をした奴もいるがね、とにかく実際には
全員がアマチュアで、新人だ」”

 全く別の方向を向いて生きてきた人達が、
ほんの数日の交わりで大きく変化するさまを
描いた群像劇。同社刊行作改稿文庫版。
 立ち居振る舞いだけで人を不快にさせるよ
うな男が、一人の女を連れて新幹線で得意先
回りをしている。「金で買えない物は無い」
と豪語するその男は、誰よりも豊かに生きて
いると言い切り、自分の人生を信じてやまな
かったが…。

 上記の引用は、生真面目な同級生にばった
り出くわした泥棒の台詞。
輪廻転生、生まれ変わりなどを信じ無いので
あれば、正しくて面白い意見だと思われま
す。ただ、人生二周目・三周目とか、強くて
ニューゲームみたいな才能を発揮するような
人もいるので、いまいち信じられなくも有り
ます。
 大勢の登場人物が、それぞれの時間を過ご
す様子が描かれるのはいいのですが、時系列
があまりにもばらばら。かなりあちこちへ飛
ぶので、記憶しきれないところです。
 頭の中で整理するのが得意な人や、群像劇
が特に好きな人向けの作品。

ーーーーー

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2025年12月07日

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なんだろう、この感覚は。
無関係のはずの5つの人生が少しずつ交錯していく感じがたまらない。
先に読んでいた「アイネクライネナハトムジーク」を思い出した。誰もが人生の主役であり、誰かの人生の脇役でもある。
近いうち、再読したいと思える良書だった。
トランクの死体のくだりに少しご都合主義を感じたことと、教祖の種明かしに物足りなさを感じたので、星4つ。

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2025年11月29日

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様々な人物が織りなす群像劇。メインの登場人物は8人。

何でもお金で買えると信じている画商、戸田と、彼に振り回されている女性画家の志奈子。
周到な準備をしてから空き巣に入る、泥棒稼業の黒澤。
新興宗教の教祖に憧れる画家志望の河原崎と、指導役の塚本。
それぞれの配偶者を殺害する計画を立てている、精神科医の京子と、サッカー選手の青山。
40社連続不採用の憂き目に遭っている、失業者の豊田。

何も罪を犯していないのは、戸田(嫌なヤツではある)と志奈子だけ。
元々泥棒の黒澤を含め、ほとんどが何かしらやらかしてしまう。
同情できる境遇の者もいれば、そうでない者もいる。手放しで共感できる人は‥いないかな〜。でも、それが人間ていう生き物だよね、と思う。より良く生きようとして失敗したり、道を踏み外したり。共感はできないけど、リアルだなーと読み進めていた。
あ、黒澤は、面白い人物だと思った。彼なりの美学とプライドを持って、空き巣に入っている。
旧友と再会した場面は良かった。黒澤は、空き巣から足を洗うのかな?気になる。

そして、最初はバラバラだったそれぞれの物語が、終盤に一気に繋がっていく。この人とこの人は、こうだったのか!この時、この人はこんな事してたのか!と、ある意味、爽快。
ざっくりとだけど、嫌な奴は相応の報いを受け、間違ったことしたけど、頑張ってる人は少し明るい未来を用意している。読後感は悪くない。

唯一、河原崎くんの行く末は気になる。破滅には向かわないでほしいなと思った。

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2025年10月26日

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グラスホッパーに続き13年ぶりの再読。
4人の視点がクルクル変わるから頭が追いつかないところもあったけど、黒澤の会話のユーモアに気付けたのは良かった。豊田はずっと応援できた。
出てきた銀行強盗はあの陽気なギャングかな?

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2025年10月22日

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まるで関わりのないように思えた数人の人生が読み進めていくごとに絡まり合い、繋がっていき、後半は一気に読んでしまった。なるほどなるほどと理解しながら読み進めるのはとても楽しかった。
黒澤という泥棒の話し方、考え方が面白くてとても好きだった。

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2025年10月13日

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ネタバレ

世界は主人公が繋ぐリレーのようなもの

DAY1 河原崎が主人公の1日
河原崎が塚本と喫茶店で待ち合わせる
河原崎がスケッチブックに『力』と書く
河原崎が塚本に神の解体の誘いを持ち掛ける
塚本が行方不明者を解体
高橋がテレビで「私は生きている」と言う
河原崎が塚本を絞殺

DAY2 黒澤が主人公の1日
塚本の死体を運び出す塚本と黒澤が出会う
河原崎が塚本のくじを落として黒澤が拾う
黒澤がスケッチブックに『夜』と書く
黒澤が強盗の誘いを断る
黒澤が黒猫の死体に手をかざす
黒澤が船木のマンションから20万を盗む
河原崎が拳銃老夫婦と出会い、バラバラ死体を見られる
黒澤が拳銃老夫婦と出会い、20万を渡す
河原崎が佐々岡にマンションの住所を教える
河原崎が野良犬に首輪を与える
黒澤と佐々岡が黒澤自宅で出会う

DAY3 京子が主人公の1日
佐々岡が京子に離婚の電話をする
黒澤が京子に心理カウンセラーになりたいと電話をする
黒澤が野良犬の首輪にくじを入れる
京子がスケッチブックに『心』と書く
黒澤が京子に心理カウンセラーになりたいと電話する
京子がコインロッカーの鍵を落とす
塚本の死体を青山と京子の車が轢く
京子が意識朦朧と逃走する
京子が警察に青山夫妻の通報をする

DAY4 豊田が主人公の1日
戸田と志奈子が新幹線で仙台に向かう
豊田がスケッチブックに『無色』と書く
豊田が喫茶店で期限切れチケットを断られる
狂った京子が鋏で野良犬を脅す
豊田が狂った京子から野良犬を助ける
豊田がコインロッカーの鍵を拾う
豊田を河原崎が助ける
戸田が豊田の野良犬を買おうとして断られる
豊田が2回目のスケッチブックに『イッツオールライト』と書く

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2025年10月08日

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黒澤のターンになるのが待ち遠しかったです。
見事に交差していく登場人物のストーリーに圧巻されっぱなしでした。
伊坂幸太郎の他の作品も楽しみです。

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2025年09月24日

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2回目。
気持ち悪い描写の部分もあるが、物語の後半でそれぞれの話が結びついて、面白かった。
1度読んで、もう1回読むとさらに面白そう

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2025年09月13日

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5人の主人公の話が交差して進む展開は一気読みをお勧めする(わかんなくなるのは私だけ?)

とにかく複雑で面白くて読み終わってまた最初から一気読みした

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

10年以上ぶりの再読

ああそうだ、そうだったと思った。
これが1番最初に読んだ伊坂作品だったような。

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2025年09月08日

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初の伊坂幸太郎作品でしたが、なるほど、これは面白い!という感想でした。関係のない他人同士の人生を一緒に歩みながら、点が線に繋がっていくような感覚。所々、あれ?これ誰だっけ?となりページを戻りながらも、最後までワクワクしながら読み進めることができました。他の伊坂作品も読んでみたいと思わせてくれた本でした。

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2025年08月15日

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四つの人生が重なってつながる作品。
半分ぐらいまでは読んでいても意味不明で諦めてしまいそうになるが、あるポイントから止まらなくなる。
結局、神は存在したのか?

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2025年07月28日

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⭐︎3.9
『オーデュボンの祈り』以来、遠のいていた伊坂幸太郎さん。数年ぶりに読んだけど、この作品は好き。たくさんの登場人物が出てくる群像劇。どのキャラクターも魅力的で読んでいて楽しいし飽きなかった。
一見関係ない人同士が繋がっていたり、誰かの行動が意外なところで他の誰かへ影響していたり。終盤にかけて、点と点がどんどん繋がっていって謎が解けていくのが爽快で面白かった。

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2025年01月20日

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ネタバレ

・壮大な騙し絵の物語。文章だからこそ。エッシャー
・人間と神の関係は、俺と胃の関係と同じ
・先に進んだかと思ったらまた元に戻って毎日いろんな人が主人公になる
・重力ピエロで出た「神様のレシピ」青年がまた出た!黒澤も出てきた...!
・驚嘆

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2025年08月11日

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ネタバレ

5つのストーリーが最後は繋がってくることに驚く。

①拝金主義画商の戸田&画家の志奈子
②泥棒の黒澤
③新興宗教に惹かれている画家志望の河原崎&宗教の先輩?の塚本
④W不倫しているカウンセラーの京子&サッカー選手の青山
⑤失業した豊田&老犬

あまり好きではないストーリーだったが、泥棒の黒澤の性格はなかなかおもしろかった。
失業した豊田&老犬もおもしろいコンビ?だった。
この老犬は実は神様なのではないか?と思ったが、当然そんなはずもなかった笑

読んでいくと時系列も分かってきて、そうなってくるとあっという間に最後まで読み切れた。
とてもよく考えられた構成で驚いた。
やはり作家さんはすごいと感心する。

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2025年09月20日

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それぞれ全く異なる人生を送る登場人物が、実はどこかで繋がっていた。
この人はここで関わっていたのかとわかっていくのが面白かった。
黒澤のキャラクターが素敵だった。
最後は何をしてもだめだった人生に、少し明るい兆しが見える終わりで、完全に報われはしないが悪い事ばかりでもないと思えてよかった。

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2025年08月31日

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最初から1日で一気に読めばよかった。登場人物の激動の1日を1日かけて読んでその時間感覚を体感したような気になれた。殺人の動機がちょっと強引。サッカー選手の男をめぐっての女の戦い…みたいな描写がバカにしたステレオタイプだなと。でも引き込まれて一気に読んだ。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

⭐︎3.0
伊坂幸太郎を初めて全て読みました。
多くの人がそれぞれの人生を歩みながら、色々な時系列で話が展開され、最後にいくにつれて、この時のあの人はこの人か。など、パズルが完成されるような構成に面白みを感じました。

ただ、個人的にはハラハラするような展開が好きだったので、⭐︎3と辛口評価にしていますが、小説としては読みやすく、良かったです。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すいすい読めるけど、最終的にナンダナンダッ??ってなる
まあまあおもしろかったけど、ナンダ?ってなる不思議な感じ・・・

結局、高橋さんだけはホンモノ?

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

人生3作目の伊坂作品に触れてみた。この夏は出版順に制覇できたらな〜。1作目と5作目はすでに読破済ゆえ、2作目から始めたい。

エッシャーの騙し絵、「上昇と下降」を見る人々。歩みを進める列に加わっている者、外から見る者、下でしゃがみ込んでいる者。兵士たちそれぞれの人生があって、それぞれの見方がある。この本のタイトルのラッシュライフも、捉え方によって複数の意味となる。
人々が騙し絵に騙されるように、私も作中何度も騙されたと感じる瞬間があった。また私含め読者は、1人外で人々のラッシュライフを外から悠々と眺める兵士として、物語を読み進める構図が出来上がっているような気がする。だが、私達は普段は列に加わっている兵士として誰もがラッシュライフを生きている。
個人的には黒澤の生き方や考え方が好きだ。3作目に出てこないかな。伊坂作品3作目は盗人テーマの物語らしいので、出てきそうな気もする。
ただ、高橋の人物像がいまいち浮かび上がってこなかったのが残念(私の読み方の問題かも)?

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2025年08月14日

購入済み

二度読み必須!

面白い。さすがだと思います。

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2013年08月05日

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