伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ94点
面白かった〜。
短編、中編集で、自由奔放な陣内という男を軸に物語が進んでいく。『砂漠』の西嶋みたいな奴。
言動が一貫してなかったり身勝手だったりするけど、まっすぐでなんか納得させられるところもあって憎めない男。
周りが振り回されながらも、 一緒に銀行強盗に巻き込まれたり、彼の失恋に付き合ったり。そんな彼が子供を導いたりする。ほっこりファニーな物語。
まず最初また銀行強盗?!ってびっくりした。伊坂好きすぎるな。そこに巻き込まれた登場人物たちが不思議な繋がりを作ったり。永瀬がその後にも出てくるとは思わなかった。2章目でさっそく陣内が大人になって家裁調査官になっていてびっくりした。この職 -
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5つの章立てからなる長編ミステリー、読み終わって思わずため息が出る。何というストーリーか。
AX, BEE, Crayon, EXIT, FINE。何故Dで始まる話がないのか。死 deathを外したという裏メッセージか?そんなことではなかったらしいが、とにかくどういう展開で進むのかを追いかけていきながら、主人公の兜、そしてその妻と息子の幸せを願わずるを得ない。今回の殺し屋ものは単に見事な仕事ぶりを描いていくのではなく、恐妻家でフェアであることを大事にする人情味溢れる仕事人の物語だ。
冷徹な仲介者の医師、仕事から足を洗いたい家族思いの仕事人、本当に彼らはなんの話をしているのかわかっているのか?と -
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ネタバレ『グラスホッパー』『マリアビートル』と続いた伊坂幸太郎の<殺し屋>シリーズの第三弾が本作『AX』だ。殺し屋たちのあだ名がタイトルに付けられているこのシリーズでは、これまでは彼らのあだ名が昆虫の名前だったり、あるいは果物の名前だということからタイトルが決まっていたのだが、本作では初めてあだ名以外がタイトルになっている。
その本作の主人公となる殺し屋のあだ名は、斧(AX)ではなく兜だ。同業者たちからも恐れられているという最強の殺し屋だが妻の方が遥かに恐ろしいという恐妻家のこの兜は、表の顔は文房具メーカーの営業として働きながら、裏では「仕事」をするという一面を持っている。ちなみに本名(本名ではなく -
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ネタバレ複数の殺し屋の物語が並列して描かれ、やがてカタストロフィーを迎えるといった構成が抜群に面白かった『グラスホッパー』の続編に当たるのが、本作『マリアビートル』だ。前回はタイトルに当たる”バッタ”が比喩的に使われていたのだが、本作ではズバリ殺し屋の一人のあだな”てんとう虫”で、その登場人物の名前がそのままタイトルになっているというわけだ。ちなみに本作はブラッド・ピットが主演したハリウッド大作『ブレット・トレイン』の原作・・という位置付けになっているのだが、映画版はほとんどオリジナルストーリーということで、映画を観た人でも本作は面白くみることができる。
前作『グラスホッパー』の魅力は、殺し屋とい -
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ネタバレ妻を殺された元中学校教師の鈴木。なぜか本人の前に出ると対象が自殺してしまうことから、自殺専門の殺し屋をやっている鯨。そして若手ながらも凄腕の殺し屋「蝉」の3人が主人公となるオムニバス形式の本作は極めて映像的な作品であるともいえる。
まずその設定が漫画的というか極めて映像的で、出てくる登場人物の中で真っ当な人間は一人目の主人公である「鈴木」しかいない。もともと中学校教師として真面目に生きていた彼は妻を殺された復讐を目的に、非合法な事業を生業としている会社フロイラインに入社する。このフロイラインという会社、非合法なことを生業にしているだけあって、周囲には殺人者がゴロゴロしているし、殺人以外にも未 -
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ネタバレ『生きるとは、解釈の連続』
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おすすめ頂いて読んでみたのですが、『アヒルと鴨のコインロッカー』を読んだ時よりは、楽しむ余裕があったのかな、と思います。鈴木には幸せになってもらいたいなと思いました。
特に印象に残ったのが、「自分は操られている」と思っていた蝉が、中西との会話で彼が蝉の独り立ちを誇らしく思っていることを知ったところです。
「自分は操られている」と思っていれば人生はそう見えてしまうかもしれないけど、本当にそうかどうかは分からないなと思いました。
鈴木の奥さんの名言、「やるしかないじゃない」も、まさに「君の言う通り」。
弱気になりそうな時に思い出したいなと思いま -
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ネタバレこれぞ伊坂ワールド!
私の大好きだった伊坂さんと再会できた気がして、感動しました。
色々なモヤモヤや話が交差して、最後繋がっていく感じ。最高です。
すべてが重なっていくのは伊坂さんならでは。サブキャラなんていないのです。
プレッシャーがない、というセリフは、さんまさんも同じことをおっしゃっていました。
さんまさんも緊張やプレッシャーがないそうです。
自分を過信していないとおっしゃっていたように記憶しています。
それだけで尊敬に値すると思います。
SF好きな人はぜひ!
以下はお気に入りの文章です。
「お父さんたち、少しくらい立っていたほうがいいよ。いつも、老いたホームズとワトソンみたいに家に -
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小学生たちの逆転劇がテーマの短編集。
3年ぶりに読みましたが、以前読んだ時と同様に良かった。金言が多く、めっちゃメモしました。
伊坂幸太郎さんの作品でも3本の指に入る好きな作品です。
弱い立場(本作では子供たち)の人間が、強い立場の人に勝つストーリーは読んでいて心地いいです。そして、作者さんの説く教訓は説教じみてなくて嫌な感じがしないのもすごく良い。
どの作品も甲乙つけがたいですが、
個人的には、非オプティマスが好きです。
周囲に迷惑をかける人たちへの対応の答えが書いてあって、これは誰しもが頭に入れておくべき内容と思います。
以下、各短編の感想と心に残った文章。
◾︎逆ソクラテス